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「ふくらはぎがだるい」と感じる原因はご存知ですか?医師が監修!

ふくらはぎがだるいと感じる時、足はどのような状態になっているのでしょうか。だるいだけではなく、むくみや痛みが続くこともあるでしょう。

ふくらはぎがだるいという症状には多くの原因があり、中には治療が必要な病気が隠れていることもあります。

ここではふくらはぎがだるい原因や対処法、考えられる病気や何科へ受診すべきかなどを解説しますので参考にしてください。

症状が改善しない場合は、迷わず病院を受診してください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

ふくらはぎがだるいと感じる原因と対処法は?

ふくらはぎがだるいと感じる原因と対処法
ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれ、足に集まった血液を心臓に押し戻すためのポンプの役割をします。ふくらはぎがだるいと感じる症状には、疲労だけではなく様々な原因が考えられます。症状に応じた対処法によりだるさを改善できることも多いので参考にしてください。中には注意すべき症状もあるので、その場合は受診を検討しましょう。

ふくらはぎにむくみがある症状の原因と対処法

ふくらはぎにむくみがある場合、症状が一過性か慢性かにより対応が異なります。特に慢性的に症状が続いている場合は、以下のような病気が疑われるため注意しましょう。
一過性のもの

  • 同じ姿勢を採り続けている
  • 塩分の摂りすぎ
  • アルコール・ホルモン変化・ストレス

慢性のもの

  • 肝臓・腎臓・心臓の病気
  • 下肢静脈瘤
  • リンパ浮腫(手術によりリンパを切除した後に起こる)

慢性のむくみは一過性のものに比べ治りにくく、指で押すと跡が付くことが特徴です。ふくらはぎのむくみが重度の場合や、片足のみむくんでいる場合は一度受診を検討したほうがいいでしょう。症状が軽い場合は、次のような対処法により改善できることがあります。

  • 軽いストレッチや運動
  • マッサージ
  • 足を上げてみる
  • 温める
  • 弾性ストッキングの着用

このような方法で改善できるかを、一度試してみてください。

歩くとふくらはぎに痛み・しびれがある症状の原因と対処法

歩行時にふくらはぎに痛みやしびれを感じることにより、次第に歩行困難となるものを間欠性跛行といいます。このような症状を引き起こす原因には、足の動脈が詰まることで血流障害を起こしている閉塞性動脈硬化症と、背骨の神経が圧迫されることにより起こる脊柱管狭窄症があります。いずれも重度になると手術が必要になる病気なので、早期発見が必要です。
閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症とは、動脈硬化により血流が悪くなった結果、必要な酸素や栄養を届けることができなくなった状態が足に起こったものです。動脈の狭窄や閉塞が進むと次第に痛みが強くなり、安静時でも痛むようになります。治療には薬物療法、状態によりカテーテル手術が必要になることがあります。
脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症とは、腰にある椎骨の脊柱管という神経の通り道が狭くなることにより神経が圧迫され、血流が低下し腰だけではなく足にも痛みやしびれが起こる状態です。治療には薬物療法の他に、重度の場合は脊柱管を広げる手術が必要となります。
いずれの病気も、早く治療を開始することで症状を改善することが期待できるので、医師の診断を受けましょう。

急に片方のふくらはぎが腫れて強い痛みがある症状の原因と対処法

片方のふくらはぎに急に腫れて強い痛みが起こる場合は、下肢静脈瘤という病気が疑われます。腫れは目立たなくても急に強い痛みがある場合は、こむら返りの可能性が高いです。症状は以下の通りです。
下肢静脈瘤
静脈瘤とは、静脈血の流れが悪くなり静脈がコブのように膨らんでしまっているものです。それが炎症を起こすと強い痛みを起こすことがあります。強い痛みの場合は、速やかに受診しましょう。
こむら返り
こむら返りとは筋肉が異常に収縮し戻らない状態、つまり痙攣した状態です。急な運動など、体勢が急に変わったことにより起こることが多く、頻繁に起こる場合は栄養不足や水分不足なども考えられます。対処法は十分にウォーミングアップしてから運動する・冷え防止・バランスの良い食事を採ることを心がけるなどです。
これらの症状があり、特に強い痛みや腫れが急激に起こった場合は速やかに受診しましょう。

肉体的な疲労でふくらはぎがだるい症状の原因と対処法

長時間の立ち仕事やデスクワークなどで、肉体的な疲労によりふくらはぎがだるいと感じる場合には、足のポンプ機能が低下することにより起こるうっ血が考えられます。うっ血とは、静脈血の流れが滞り足にたまってしまうことです。長時間の立ち仕事や座ったままでの姿勢を続けることにより、足に静脈血がたまり、疲労感やむくみを生じてしまいます。その場合は、ストレッチなどの軽い運動をして血流を良くする・足を高くする・弾性ストッキングを着用するといった対処法が有効です。

筋肉の疲労でふくらはぎがだるい症状の原因と対処法

運動による筋肉の疲労で起こるふくらはぎのだるさの原因には、血行不良によるものが考えられます。筋肉が血行不良を起こし、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなることにより起こるだるさです。また、筋肉に疲労が蓄積し老廃物がたまることで、だるさを感じることもあります。疲労によるだるさを感じる場合は、入浴などで体を十分に温めることやマッサージが有効です。

ふくらはぎがだるい症状から考えられる病気・疾患

ふくらはぎがだるい症状から考えられる病気・疾患
ふくらはぎがだるいという症状から考えられる病気には、肉離れ・下肢静脈瘤・深部静脈血栓症があります。

肉離れ

主に運動などをきっかけとして起こる、ふくらはぎの筋肉の部分断裂を肉離れといいます。
肉離れを起こしてしまった場合は、安静にして患部を冷やしましょう。軽く圧迫するのも良いです。重症度により治療法も異なるため、医師の診断を受けてください。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は、足の静脈にある血管弁のトラブルにより血流が悪くなることで、静脈がコブのように膨らんでしまう病気です。症状のない場合もありますが、血流が低下することによるだるさ・痛み・むくみなどが起こり、またこむら返りが起こりやすくなります。急激に症状が進むことはありませんが、なるべく早めに受診し治療を開始したほうがいいでしょう。

深部静脈血栓症

足の深部静脈に血栓ができてしまう病気です。血栓ができやすい病気がある場合や、静脈の血管が損傷した場合などに起こりやすいといわれています。血栓が足にできると足の血流が途絶えるためむくみが見られます。血栓が剝がれて血流に乗り肺に達すると、肺塞栓症を引き起こし急死することがあるためとても危険です。最近ではエコノミークラス症候群として知られています。この病気は、最初は無症状のことが多いため、肺塞栓症に伴う呼吸苦で気づかれることも多いです。足のむくみが持続する場合は、一度医師の診察を受けましょう。

ふくらはぎがだるいときの対処法

ふくらはぎがだるいときの対処法
自分でできる対処法として、まずはストレッチや市販薬を試してみましょう。ただしこれらの対処法を行っても症状の改善が認められない場合は、一度受診を検討する必要があります。

ストレッチをする

硬くなったふくらはぎをほぐすためにストレッチが有効です。中でもタオルストレッチは手軽にできるのでおすすめです。寝る前に行ってみましょう。
<タオルストレッチの方法>

  • 仰向けに横になり両足を伸ばす
  • フェイスタオルを半分に折り両手で持ち、片足を上げ土踏まずに輪の部分を掛ける
  • 踵を天井に向けるようにし足を上に持ち上げ膝を曲げる
  • タオルを持っている手で上げた足を胸の方向に引き寄せる
  • ふくらはぎが伸びていることが確認できればOK

ストレッチを続けることで、ふくらはぎの症状の改善が期待できます。続けても改善されない場合は、受診を検討してください。

市販薬を購入する

痛みがある場合は市販の痛み止め・湿布薬・塗り薬などを使用してみる方法もあります。ただし、市販薬を使っても症状が改善されない場合は受診を検討してください。

ふくらはぎがだるいときの受診の目安と診療科

ふくらはぎがだるいときの受診の目安と診療科
運動などがきっかけとなり急激に痛みが起こった時や、歩くのが困難なほどの痛みがある時にはすぐに受診しましょう。それ以外にも、腫れやむくみが持続している時や片足のみの時も、なるべく早く受診を検討したほうがいいです。痛みやむくみの原因には様々なものがありますが、まずは整形外科を受診するといいでしょう。

まとめ

ふくらはぎのだるさや痛みの原因は、筋肉疲労・血流低下によるものや、急激な痛みを引き起こす肉離れ・こむら返りによるものなどがあります。

持続する症状には閉塞性動脈硬化症・下肢静脈瘤・深部静脈血栓症といった病気が隠れているということも少なくありません。

ふくらはぎがだるい症状が続いている場合は、まず整形外科の受診をおすすめします。

万が一強い痛みや腫れがある時は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

この記事の監修医師