「ストレスが溜まると起こる症状」はご存知ですか?考えられる病気も医師が解説!
ストレスが溜まると起こる症状とは?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
前田 佳宏(医師)
「ストレスが溜まると起こる症状」と対処法
現代社会では、ストレスは避けられないものです。適度なストレスは活力にもなりますが、溜まりすぎると心身の不調を招きます。ここでは、ストレスが溜まったときに現れる症状と、年代や性別による特徴を見ていきましょう。
ストレスが溜まると起こる症状と対処法
ストレスが溜まると、精神面では憂うつ、気分の落ち込み、イライラ、怒りっぽさ、やる気の低下、集中力の低下、興味・関心の低下などの症状が現れます。
また、身体面では不眠、過眠、疲労感、倦怠感、食欲不振、暴飲暴食、頭痛、めまい、肩こり、腰痛、動悸、息切れ、腹痛、下痢、便秘などの症状が見られることがあります。
女性でストレスが溜まると起こる症状と対処法
女性は、ホルモンバランスの影響でストレスを感じやすい傾向があります。特に、生理前には不安やイライラ、憂うつな気分になりやすく、これはPMS(月経前症候群)と呼ばれています。生理不順、月経痛の悪化、肌荒れなどの症状も現れやすくなります。
大人・社会人でストレスが溜まると起こる症状と対処法
社会人は、仕事のプレッシャーや人間関係のストレス、経済的な不安など、様々なストレス要因を抱えています。長時間労働や休暇の取りにくさ、仕事と家庭の両立の難しさなども、ストレスを高める原因となります。
ストレスが高まると、アルコールやギャンブルに走る人もいます。これらは一時的にストレスを紛らわせるかもしれませんが、長期的には依存症のリスクを高め、健康を害する恐れがあります。
中学生・高校生でストレスが溜まると起こる症状と対処法
中学生や高校生は、学業やテスト、受験のプレッシャー、部活動での人間関係や競争など、多くのストレスに晒されています。精神的にも身体的にも発達途上にある時期に、過度のストレスを感じることで、心身の健康に悪影響が出ることがあります。
ストレスから、親への反発や反抗、友人関係の問題、窃盗や家出など、非行行為に走る子どももいます。また、不登校やひきこもり、摂食障害など、深刻なメンタルヘルスの問題に発展することもあります。
すぐに病院へ行くべき「ストレスが溜まると起こる症状」
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
「ストレスが溜まると起こる症状」の特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「ストレスが溜まると起こる症状」に関する病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
自律神経失調症
自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れることで起こる病気です。ストレスや不規則な生活習慣が原因となることが多いようです。症状は多岐にわたり、めまい、動悸、頭痛、胃腸の不調などが現れることがあります。
対処法としては、規則正しい生活リズムを心がけ、ストレス管理を行うことが大切です。症状が長引く場合や日常生活に支障が出るようであれば、内科や心療内科を受診し、医師に相談することをおすすめします。
うつ病
うつ病は、気分の落ち込みや興味・関心の低下が続き、日常生活に支障をきたす病気です。ストレスが引き金となることもありますが、脳内物質のバランスの乱れが関係していると考えられています。症状には、不眠、食欲不振、疲労感なども含まれます。
うつ病の治療には、薬物療法や心理療法が用いられます。自分ではうつ病だと気づきにくいこともあるため、家族や周囲の人が変化に気づいたら、本人に優しく寄り添い、精神科や心療内科への受診を促すことが大切です。
適応障害
適応障害は、ストレスフルな出来事や環境の変化に適応できずに起こる病気です。うつ病と似た症状が現れますが、うつ病ほど重症でない場合が多いです。症状としては、不安、イライラ、不眠などがあります。
ストレス要因を取り除くことが第一ですが、症状が改善しない場合は、心療内科や精神科を受診し、医師の指示に従って治療を行うことが重要です。カウンセリングや薬物療法が有効な場合があります。
アルコール依存症
アルコール依存症は、アルコールへの依存が強くなり、健康や社会生活に問題が生じる病気です。ストレスを発散させるためにお酒に頼る人もいますが、飲酒量が増えるとアルコール依存症のリスクが高まります。症状には、酒量のコントロールができない、断酒できない、身体的・精神的な問題が生じるなどがあります。
アルコール依存症の治療には、断酒が不可欠です。医療機関での治療とともに、自助グループへの参加や家族の支援が役立つことがあります。アルコールに関する問題が生じたら、早めに専門医療機関を受診することが大切です。
摂食障害
摂食障害は、食事に関する強迫観念とそれに伴う行動異常を特徴とする病気です。ストレスが引き金になることもあります。代表的なタイプとして、拒食症と過食症があります。症状には、極端な食事制限、過食と排出行動、体重や体型へのとらわれなどがあります。
摂食障害の治療には、身体的ケアと心理的ケアの両方が必要です。自分では病気だと認識しにくいこともあるため、周囲の人が異変に気づいたら、本人に寄り添いながら、早期の専門医療機関受診を勧めることが重要です。
突発性難聴
突発性難聴は、ストレスが原因の一つと考えられている病気です。片耳の聴力が急に低下し、耳鳴りやめまいを伴うことがあります。放置すると聴力が回復しにくくなるため、症状に気づいたらすぐに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
治療には、薬物療法やステロイド治療が用いられます。早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、耳の症状があらわれたら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
「ストレスが溜まると起こる症状」の正しい対処法は?
ストレスを感じたら、まずは、深呼吸やストレッチ、瞑想などのリラクゼーション法を試してみましょう。また、ストレスの原因を特定し、解決することも重要です。自分の気持ちや感情を整理し、必要ならば相談や支援を受けることも考えましょう。
日常生活の工夫も大切です。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などがストレスを軽減するのに役立ちます。また、喫煙や過度の飲酒も身体に負担がかかり最終的にストレスを増大させる要因となるため、控えることが望ましいです。
しかし、症状が辛くて日常生活に支障をきたす場合は、市販薬や漢方薬も試してもいいですね。頭痛や不眠など、症状に特化した薬を選びましょう。ただし、症状が改善しづらい場合は、迷わず病院を受診することが大切です。早めの診察や治療が、症状の悪化を防ぐことにつながります。
「ストレスが溜まると起こる症状」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレスが溜まると起こる症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
ストレスが限界に達すると、どのような症状が現れますか?
前田 佳宏(医師)
ストレスが限界に達すると、身体や心にさまざまな症状が現れる可能性があります。精神面では、激しい不安やパニック、強い疲労感、抑うつ感、自己否定感などが見られることがあります。また、身体面では、慢性的な頭痛やめまい、消化器系のトラブル、心臓の症状、免疫力の低下による体調不良などが起こることがあります。ストレスが長期間続くと、これらの症状が慢性化する可能性もあるため、早めの対処が重要です。
まとめ
ストレスが溜まると、身体や心にさまざまな症状が現れることがありますが、適切な対処法を知っておくことで、症状を軽減し、健康な生活を送ることができます。日常生活でのストレスを軽減し、心身の健康を保つために、積極的なケアを心がけましょう。
「ストレスが溜まると起こる症状」で考えられる病気
「ストレスが溜まると起こる症状」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
耳鼻科系の病気
- メニエール症候群
- 突発性難聴
ストレスによる症状は多くは一時的なものですが、症状が激しい場合は受診を検討しましょう。
「ストレスが溜まると起こる症状」に似ている症状・関連する症状
「ストレスが溜まると起こる症状」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
ストレスにより様々な不調が出ることがありますが、多くは一時的なものです。持続したり激しい不調が出たりする場合は病院受診を検討しましょう。