「いろいろ考えすぎて眠れない」原因や対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!


監修医師:
前田 佳宏(医師)
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島根大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院、国立精神神経医療研究センター、都内クリニックにて薬物依存症、トラウマ、児童精神科の専門外来を経験。現在は和クリニック院長。愛着障害やトラウマケアを専門に講座や情報発信に努める。診療科目は精神神経科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経内科。 精神保健指定医、認定産業医の資格を有する。
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「いろいろ考えすぎて眠れない」原因と対処法
毎晩眠ろうとするのに、頭の中でいろいろなことを考えてしまい、なかなか眠りにつけない。そんな経験をしたことはありませんか?日中の出来事や翌日の予定、人間関係のこと、将来のことなど、考えだすとキリがなく、気づいたら朝になっていた...。このような状態が続くと、身体的にも精神的にも疲弊してしまいます。 不眠の原因は人それぞれ異なりますが、頭の中で考えことをしすぎるのも大きな要因の一つです。思考が活発になると、脳が興奮状態になり、リラックスして眠りにつくことが難しくなります。また、考えことの内容が不安や心配事であれば、なおさら眠れなくなってしまうでしょう。 このように、「いろいろ考えすぎて眠れない」症状は、ストレスや不安、悩みなどが原因で起こることが多いです。日中の疲れが十分に取れないと、脳が休息モードに入りにくくなり、余計に頭が冴えてしまうこともあります。すぐに病院へ行くべき「いろいろ考えすぎて眠れない」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。「いろいろ考えすぎて眠れない」症状の特徴的な病気・疾患
原発性不眠症
原発性不眠症は、睡眠障害のひとつで、ストレスや環境の変化など明らかな原因がないにもかかわらず、慢性的に不眠に悩まされる病気です。寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目覚めてしまうなどの症状があります。 原発性不眠症は、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることで発症すると考えられています。治療には、生活習慣の改善や睡眠薬の服用などが行われます。症状が1ヶ月以上続く場合は、精神科や心療内科、睡眠専門クリニックなどを受診しましょう。その他の睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群など、他の睡眠障害が隠れていることもあります。これらの病気では、入眠障害や中途覚醒の症状が現れます。 睡眠時無呼吸症候群の場合は、いびきや日中の強い眠気といった症状も見られます。むずむず脚症候群では、足の不快感から眠りにつけないことがあります。これらの病気が疑われる場合は、睡眠専門医の診察を受けることが大切です。治療には、生活指導や薬物療法、特殊な治療器具の使用などが含まれます。不安症
不安症は、過剰な心配や緊張が続く病気です。不眠以外にも、呼吸苦、発汗、震え、集中力低下などの症状が現れることがあります。 不安症は、脳内の神経伝達物質の異常や、ストレスへの過剰反応などが原因で発症すると考えられています。治療には、抗不安薬の服用や認知行動療法などの心理療法があります。不安で眠れない状態が続くのであれば、精神科や心療内科の受診をおすすめします。自律神経失調症
自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れることで様々な不調が現れる病気です。「いろいろ考えすぎて眠れない」のは、自律神経失調症の不眠症状の一つと言えます。他にも、めまい、動悸、頭痛、起床困難などの多彩な症状が見られます。 自律神経失調症は、過度のストレスや疲労、不規則な生活習慣などが原因で起こります。治療の基本は、規則正しい生活リズムと十分な睡眠時間の確保です。症状が続く場合は、内科や精神科、心療内科での診察を受けましょう。「いろいろ考えすぎて眠れない」症状の正しい対処法は?
「いろいろ考えすぎて眠れない」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「いろいろ考えすぎて眠れない」症状についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
いろいろ考えすぎて眠れないのはストレスが原因でしょうか?
前田 佳宏(医師)
ストレスが原因で不眠になるケースは少なくありません。日中の出来事を思い返したり、将来への不安を感じたりすることで、脳が興奮状態になり、眠りにつきにくくなるのです。ただし、ストレス以外にも、カフェインの過剰摂取や昼夜逆転の生活など、他の要因が隠れていることもあります。不眠が続く場合は、生活習慣を見直すとともに、必要に応じて専門医に相談しましょう。
不安でいろいろ考えすぎて眠れないときはどのように対処したらいいですか?
前田 佳宏(医師)
就寝前は、できるだけリラックスした状態を作ることが大切です。ぬるめのお風呂に入ったり、好きな音楽を聴いたり、ストレッチをしたりするのもおすすめです。また、寝る直前にスマートフォンを見たり、仕事をしたりするのは避けましょう。脳が活性化してしまい、逆効果になることがあります。それでも眠れない場合は、無理に布団の中で過ごすよりも、少し別の場所で過ごすなどしてリセットを試みると良いでしょう。
いろいろ考えすぎて眠れないとき、どのような薬を導入すればいいのでしょうか?
前田 佳宏(医師)
不眠の症状が軽い場合は、まずは生活習慣の改善を試してみましょう。改善が見られない場合は、医療機関を受診して、適切な薬の処方を受けることをおすすめします。不眠の原因や症状に合わせて、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬などが使い分けられます。症状や体質に合わない薬を服用すると、副作用が出たり症状が悪化したりする恐れがあります。自己判断での服用は控え、必ず医師の指示に従うようにしましょう。
まとめ
「いろいろ考えすぎて眠れない」症状は、現代人に多く見られる不眠の悩みです。思考が活発になることで脳が興奮状態になり、なかなかリラックスして眠りにつけなくなってしまいます。 症状の背景には、ストレスや不安、睡眠障害など、様々な要因が潜んでいる可能性があります。不眠が続く場合は、早めに専門医への相談をおすすめします。原因に合わせた適切な治療を行うことで、不眠の悩みを解決に導くことができるでしょう。 一方で、自分でできるケアを怠らないことも大切です。規則正しい生活リズム、ストレス対策、リラックス法など、できることから始めてみましょう。毎晩ぐっすり眠れるようになれば、日中の活動もはかどり、充実した日々を送れるようになります。ぜひ、快眠を目指して、積極的に取り組んでみてください。「いろいろ考えすぎて眠れない」で考えられる病気
「いろいろ考えすぎて眠れない」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。睡眠障害系の病気
- 原発性不眠症
- 概日リズム睡眠障害
- 睡眠時無呼吸症候群
関連する症状
- 明け方に目が覚めてしまう
- なかなか寝付けない
- 夜中に何度も目が覚める
- 寝ても熟睡できずすっきりしない