「気圧の変化で頭痛がする」原因はご存知ですか？頭痛を引き起こしやすい人の特徴も解説！

気圧の変化で頭痛がする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか？Medical DOC監修医が原因・考えられる病気や何科へ受診すべきか・対策・ツボなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

「気圧の変化で頭痛がする」原因と対処法

天気と体調は密接に関係しています。特に気圧が大きく変わると、頭痛など体の不調を感じることがあります。これを「気象病」と呼び、頭痛を伴う場合は「天気痛」と言われます。 昔は「気のせい」と思われがちでしたが、近年では、耳の奥にある「内耳」が気圧の変化を感じ取り、それが脳に伝わることで、体の調子を整える「自律神経」のバランスが乱れ、頭痛やめまいなどの不調が起きると考えられています。 頭痛が起きた場合には、ズキズキする片頭痛なら冷やす、首や肩こりからくる緊張型頭痛なら温めるのが効果的です。深呼吸や耳のマッサージも自律神経を整えるのに役立ちます。 ただし、突然の激しい頭痛や、高熱、意識がぼーっとするなどの症状を伴う場合は、すぐに救急車を呼ぶか、医療機関を受診してください。日常生活に支障が出るほど頻繁に頭痛がある場合は、脳神経外科、脳神経内科、頭痛外来への相談をおすすめします。 このような緊急性はないものの、頭痛が頻繁にあり、日常生活に支障をきたしている場合や市販薬だけでは対応しきれない場合は、脳神経外科、脳神経内科、頭痛外来を受診して相談するのが良いでしょう。

気圧の変化で頭痛がする原因と対処法

気圧の変化で起こる頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛が多いです。これらの頭痛は、体を動かすと悪化したり、吐き気や光・音に敏感になったりすることがあります。頭痛の他に、めまい、だるさ、首肩こり、耳鳴り、吐き気など、様々な症状を伴うこともあります。 主な原因は、耳の奥にある内耳が気圧変化に敏感に反応することです。内耳が変化を感じると、自律神経のバランスが乱れ、特に体を活発にする「交感神経」が優位になり、痛みを感じやすくなると考えられています。 また、低気圧時は脳の血管が広がり、それが周りの神経を圧迫して痛みに繋がる可能性もあります。体内の水分バランスの乱れも影響します。天気痛は、もともと片頭痛や緊張型頭痛を持つ方が悪化する形で現れることが多いです。

気圧の変化で頭痛がして気持ち悪い原因と対処法

気圧の変化による頭痛に加えて「気持ち悪い」と感じる場合、多くは吐き気や嘔吐を伴い、片頭痛でよく見られます。めまいやだるさを伴うことも少なくありません。これは、内耳が気圧変化を感じてバランス感覚が乱れ、自律神経に影響することで起こると考えられます。 主な原因は、内耳の気圧センサーの過敏な反応と自律神経の乱れ、特に交感神経が優位になることです。この乱れは消化器系にも影響し、吐き気や腹痛、下痢を引き起こすことがあります。また、脳の血管が広がって神経を刺激する際にも吐き気が伴うことがあります。

気圧の変化で頭痛を引き起こしやすい人の特徴

女性でホルモン変動が大きい人

天気痛は男性より女性に多い傾向があります。女性は月経や更年期など、ホルモンバランスが大きく変動するため、自律神経が乱れやすく、気圧変化による不調を感じやすいと考えられています。女性の方が内耳の気圧センサーが敏感な傾向があるとも言われます。

不規則な生活習慣、睡眠不足、ストレスの蓄積

若い世代（思春期〜20代）や高齢者も気圧変化に弱い傾向があります。若い世代は自律神経が不安定だったり、ストレスや睡眠不足で生活リズムが乱れがちです。高齢者は加齢で内耳の感度調節がうまくいかなくなることがあります。 日頃からストレスが多い人、睡眠不足の人、不規則な生活をしている人も注意が必要です。交感神経が常に優位になっていると、気圧変化というストレスで頭痛が起きやすくなります。

姿勢の悪さや首・肩のこり

姿勢の悪さや首・肩のこりは、緊張型頭痛の直接的な原因になるだけでなく、自律神経の乱れを悪化させます。自律神経のバランスが崩れると、血流が悪化し、頭痛だけでなく全身のだるさや集中力低下、睡眠障害などを引き起こしやすくなります。 慢性的な頭痛や肩こりがある場合は、整形外科や内科を受診することも有効です。日常生活に支障が出るほどひどい場合は、脳神経内科、脳神経外科、頭痛外来で相談し、適切な診断と治療を受けましょう。

すぐに病院へ行くべき「気圧の変化で頭痛がする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

今まで経験したことがないほど激しい頭痛や、神経症状を伴う場合は、脳神経外科へ

気圧の変化による頭痛は通常、突然激痛になることはありません。もし数秒〜数分で最悪の痛みに達する頭痛（「雷鳴頭痛」と呼ばれる）が発生したら、くも膜下出血など脳の重大な病気の可能性があります。 また、頭痛とともに片側の手足の麻痺・しびれ、ろれつが回らない、視野の一部が見えにくい、けいれんなどの神経の症状が出た場合も危険信号です。高熱や首が硬くなる（項部硬直）頭痛は髄膜炎が疑われます。これらは緊急性が高い症状なので、自己判断せず、すぐに救急科や脳神経外科を受診してください。夜間や休日でもためらわず救急外来へ。 さらに、頭痛の頻度や様子が最近変わった場合も要注意です。例えば、「以前は低気圧の時だけだったのに、最近は天気に関係なく頻繁に起こるようになった」「痛みの質が変わった」などの変化があれば、一度専門の頭痛外来（神経内科や脳神経外科）で相談しましょう。妊娠中・出産直後の女性、50歳以上で初めて頭痛が出た場合、がんや免疫不全の病歴がある人の頭痛も、念のため医師に相談すべきです。これらは気圧変化以外の原因で頭痛が起きている可能性があります。

「気圧の変化で頭痛がする」症状の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「気圧の変化で頭痛がする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのかなど病気について気になる事項を解説します。

片頭痛

気圧変化で頭痛といえば片頭痛が代表的です。多くの片頭痛患者は、雨の前や台風接近時に頭痛が悪化すると感じています。症状はこめかみなどがズキンズキンと脈打つような痛みで、吐き気や光に敏感になることを伴うこともあります。低気圧時に脳の血管が広がりやすくなり、痛みの悪循環が起こると考えられています。予防には生活リズムを整えることが大切で、痛みには痛み止めや、発作が頻繁な場合は予防薬も検討されます。

緊張型頭痛

首や肩のこりに伴う締め付けられるような頭痛です。気圧の変動が引き金になることもあります。低気圧接近時に交感神経が高ぶり、血管が収縮して筋肉が硬くなり、頭全体が締まる痛みが生じます。特に肩こりがひどい人は雨の日に悪化しやすいです。片頭痛と違い吐き気は少なく、鈍い痛みで長時間続きます。対処法は、蒸しタオルや入浴で首肩を温め、筋肉の緊張をほぐすことが効果的です。ストレッチやマッサージも有効です。予防には日頃の運動習慣とストレス管理が重要です。

頚性頭痛（首の問題に伴う頭痛）

首の骨の病気やむち打ち症の後遺症など、首の不調からくる頭痛です。慢性的に首の痛みがある人は、気圧変化で症状が悪化しやすくなります。首は自律神経や内耳と深く関係しており、気圧低下で首の筋肉が緊張し、後頭部から首筋にかけて痛みが出ます。対処法は緊張型頭痛に準じ、首肩を温めたりマッサージしたりすることが有効です。正しい姿勢を心がけ、必要に応じて整形外科での治療も検討しましょう。

副鼻腔炎

鼻の奥にある副鼻腔に炎症や膿が溜まっていると、天気の変化で頭痛が悪化することがあります。特に、おでこの奥や頬の奥に慢性副鼻腔炎がある人は、雨の前後におでこの奥や頬が重苦しく痛む「副鼻腔頭痛」が起こりやすいです。これは、気圧の低下で副鼻腔内の圧力が変化し、炎症部分を刺激するためです。症状は患部の深部痛で、前かがみになると悪化します。鼻づまりや黄色い鼻水を伴うこともあります。疑われる場合は耳鼻科を受診し、適切な治療を受けましょう。

メニエール病

内耳の異常により、激しい回転性のめまいと難聴・耳鳴りを繰り返すメニエール病も、気圧変化と深く関わります。メニエール病では内耳のリンパ液が増えすぎることで発作が起こりますが、気圧や天候の変化が引き金になることがあります。めまい発作に先立って頭が重い・頭痛がするというケースもあります。対処法はメニエール病の基本的な治療に準じ、内服薬を使用します。気圧の変化を感じたら気圧調整耳栓を装着するのも良いでしょう。めまい発作中は安静にし、耳鼻咽喉科で継続的な管理を受けることが大切です。

「気圧の変化で頭痛がする」時の正しい対策は？

「気圧頭痛」を完全に防ぐのは難しいですが、日頃の工夫で予防・軽減は可能です。大切なのは、「気圧変化を把握して先手を打つこと」と「普段から体調を整えておくこと」です。
１．天気予報・気圧予報の活用：自分の体調と天候を記録し、パターンを掴むことで、低気圧が来る前から予防策を取ることができます。
２．自律神経を安定させる生活：質の良い睡眠、規則正しい食事、ストレス管理が重要です。自律神経のバランスを保ちましょう。
３．環境調整：低気圧の日は、照明を明るくしたり、除湿機を使ったりして室内を快適に保ちましょう。頭痛時は静かに休める環境を確保してください。
４．薬の携帯とタイミング：常備薬を手元に置き、症状が出たら我慢せず早めに飲みましょう。特に片頭痛は早めの服用が効果的です。
５．耳のマッサージ・耳栓の使用：耳周辺の血行を良くしたり、気圧の変化を和らげたりすることで症状軽減が期待できます。蒸しタオルで耳を温めたり、気圧調整耳栓を使ったりするのも良いでしょう。

「気圧の変化で頭痛がする」症状に効果的なツボはある？

気圧による頭痛を和らげるツボを試してみるのも良いでしょう。副作用がなく、自宅で簡単にできるセルフケアです。
・百会（ひゃくえ）：頭のてっぺんにあるツボ。自律神経の乱れを整え、リラックス効果が期待できます。指の腹でゆっくり押しましょう。
・天柱（てんちゅう）：後頭部の首の生え際にあるくぼみ。首や肩こり、頭痛に効くツボです。親指でゆっくり押すと良いでしょう。
・水分（すいぶん）：おへその上、指1本分上にあるツボ。体内の余分な水分排出を促し、むくみや頭重感を和らげる効果が期待できます。優しく刺激しましょう。
その他、手の合谷（ごうこく）や耳の後ろの翳風（えいふう）も頭痛や耳の症状に有効です。ツボ押しはリラックスして行うのが大切。心地よい刺激で血行が良くなり、頭が軽くなる感じがあれば成功です。あくまで補助的なケアですが、薬に頼りたくない場合などに試す価値はあります。

まとめ

気圧の変化で頭痛がする症状は、現代では天気痛として広く認知されています。主な原因は自律神経の乱れと血管・神経の反応です。特に片頭痛持ちの方は低気圧で症状が悪化しがちです。女性や若い世代、高齢者、ストレスが多い人などは注意が必要ですが、生活習慣の改善や事前の準備、セルフケアで予防・軽減が可能です。薬も上手に使い、我慢しすぎないことが大切です。 突然の激しい頭痛や神経症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。不安になるかもしれませんが、適切な対策を取り、必要であれば専門家のアドバイスを受けることで、気圧の変化とうまく付き合っていけるでしょう。

「気圧の変化で頭痛がする」で考えられる病気

「気圧の変化で頭痛がする」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 頭痛の回数が多く、日常生活に支障をきたしている場合には、一度脳神経外科、脳神経内科、頭痛外来を受診して相談することをお勧めします。

「気圧の変化で頭痛がする」に似ている症状・関連する症状

「気圧の変化で頭痛がする」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 気圧の変化がきっかけとなる不調は頭痛以外にもあるといわれ、全身に様々な症状が出ることもあります。