目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 症状から調べる
  3. 胃・腸・肛門
  4. 「インフルエンザによる下痢」は何に気を付けた方が良い?対処法も医師が解説!

「インフルエンザによる下痢」は何に気を付けた方が良い?対処法も医師が解説!

「インフルエンザによる下痢」は何に気を付けた方が良い?対処法も医師が解説!

インフルエンザで下痢になる?メディカルドック監修医がインフルエンザによる下痢や胃腸炎の主な原因や何科へ受診すべきか・対処法などを解説。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

プロフィールをもっと見る
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

目次 -INDEX-

インフルエンザで下痢になる症状の対処法

インフルエンザでは、高熱やだるさの他に下痢になるケースもあります。症状ごとに考えられる原因と対処法を解説します。

インフルエンザで下痢になる症状で考えられる原因と対処法

インフルエンザにかかると、熱や全身の炎症反応によって胃腸の働きが乱れ、下痢になることがあります。下痢によって体内の水分が失われるため、脱水を防ぐために水分補給をおこないましょう。吸収がよく、適度に塩分が含まれる経口補水液やスポーツドリンクが望ましいですが、無い場合は麦茶や水、スープなどでも構いません。下痢が続き、水分が十分にとれないと脱水症状を起こすおそれがあります。口の渇きや尿の減少などが見られる場合は、早めに医療機関を再受診してください。

インフルエンザで熱はないのに下痢になる症状で考えられる原因と対処法

「薬を飲んで熱は下がったのに、下痢が始まった、または続いている」という場合、治療薬の副作用が原因かもしれません。確率は高くないものの、オセルタミビル(タミフル)、バロキサビル(ゾフルーザ)といった抗インフルエンザウイルス薬には、下痢の副作用も報告されています。ただし、抗インフルエンザ薬を途中でやめると十分な治療効果を得られない可能性があるため、自己判断で薬を中止するべきではありません。

熱が下がっても下痢が続く場合、再度内科を受診することをおすすめします。

インフルエンザで吐き気と下痢になる症状で考えられる原因と対処法

インフルエンザで吐き気や下痢症状が強い場合、インフルエンザB型に感染している可能性も考えられます。とくに小児の場合、インフルエンザB型は、A型よりは高熱が出にくく、腹痛や下痢などの消化器症状が出やすいといわれています。対処法は基本的に通常のインフルエンザと同様です。下痢をしているときは、消化の良い食事を心がけ、胃腸への負担を減らしましょう。おかゆややわらかく煮込んだうどんもおすすめです。下痢症状が5日〜1週間以上続く場合や脱水症状になるほどの強い下痢の場合は、自己判断せずに内科・消化器科を受診してください。

下痢を伴うインフルエンザは家族にうつる?

かかったインフルエンザが下痢を伴うタイプの場合、ご家族にもうつる可能性は十分に考えられます。インフルエンザの主な感染経路は、咳やくしゃみ内のウイルスを吸い込む「飛沫感染」と、ウイルスが付着したものを触った手で目や鼻、口を触る「接触感染」です。以下の対策を徹底し、家庭内感染を防ぎましょう。

・ 手洗い:感染した方もご家族も、石鹸と流水でこまめに手を洗いましょう
・咳エチケット:マスクを装着し、咳やくしゃみからの感染を防ぎましょう
・こまめに換気をする:対角線上の窓を開ける、換気扇を利用する[友駒4] などして、十分な換気をおこないましょう
・湿度の保持:空気が乾燥していると感染が広がりやすいため、加湿器を使ったり室内に濡れタオルを干したりして50~60%の湿度を保ちましょう

また、痰や鼻水の付いたティッシュはすぐにゴミ箱に捨てる、箸やスプーンは共用しないなどの基本的な対策も大切です。

すぐに病院へ行くべきインフルエンザで下痢に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

インフルエンザで下痢に加えて血便がある場合は、消化器内科へ

インフルエンザの症状として血便が出ることは、通常ありません。そのため、下痢に血が混じっている場合、ウイルス性腸炎や潰瘍性大腸炎など、消化器に関わる他の病気が隠れている可能性があります。
血便に気づいた際は、速やかに消化器内科を受診し、専門医による診察と適切な検査を受けましょう。

下痢を伴うインフルエンザで呼吸困難や意識障害がある場合は、救急科へ

以下のような症状が現れた場合は、インフルエンザが重症化している可能性があります。

呼吸の異常がある:息が速い、息苦しそうにしている、顔色が悪い
意識の異常がある:呼びかけへの反応が鈍い、意味不明な言動がある、ぐったりとして起きない

これらの症状が出た場合、肺炎や脳症といった命に関わる合併症を起こしている可能性があります。救急診療の受診や、救急車の利用も検討してください。

病院受診の目安となる下痢を伴うインフルエンザのセルフチェック法

以下の項目に一つでも当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。

症状の例 受診をすべき理由
・嘔吐を繰り返し、水分を受け付けない
・半日以上尿が出ていない
・尿の色が非常に濃い
・口や舌がひどく乾燥している
脱水症状を疑うため
・38℃以上の発熱が4日以上続く
・一度良くなったように見えた後、再び熱が出たり症状が悪化したりする
インフルエンザの症状が長引いているため
・下痢が続き、ぐったりしている
・激しい下痢や嘔吐が長引いている
下痢症状が強いため
・呼びかけに返事をしない
・けいれんしている
脳に関する合併症が出ている可能性があるため

基礎疾患のある方や体力の落ちている方、子どもや年配の方などは、インフルエンザが重症化するケースも十分に考えられます。当てはまる症状がある場合は、早めの受診を検討しましょう。

下痢の症状が特徴的なインフルエンザ関連の病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、下痢に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

インフルエンザA型

インフルエンザA型は、突然の38℃以上の高熱、悪寒、だるさ、関節痛などの全身的な症状が急激に現れる感染症です。通常の風邪と同様に、のどの痛みや咳、鼻水などが出るケースもあります。

おもな治療薬は、以下のとおりです。

薬の種類 代表的な成分 薬の効果
抗インフルエンザウイルス薬 ・オセルタミビル
・ザナミビル
・ペラミビル
・ラニナミビル
・バロキサビル
・発症から48時間以内に開始することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑える
・発熱期間を通常1~2日短縮し、鼻やのどからのウイルス排泄量を減らす
解熱剤 アセトアミノフェン ・熱を下げることで、高熱による体調不良をやわらげる

また、咳や鼻水が出ている場合は、咳止めや鼻水の流れを良くする薬を使用することもあります。水分をしっかりと摂り、ゆっくりと休みましょう。受診する診療科は、内科や呼吸器内科です。発熱している方は入り口を分けたりあらかじめの連絡が必要だったりする医療機関もあるため、電話して受診方法を確認すると確実です。

インフルエンザB型

インフルエンザB型は、例年冬の終わりから春先にかけてよく流行するタイプのインフルエンザです。基本的な症状は、急激な発熱、だるさ、関節痛などで、A型と同じです。ただし、B型は下痢や嘔吐などが強く出たり、A型ほど高熱にならかったりするケースもあるのが特徴です。ただし、子どもの場合は脳症をはじめとする合併症も報告されており、決して「インフルエンザB型だから症状が軽くて安心」というわけではありません。
治療方法や受診すべき診療科は、A型と同じです。年齢にあわせて内科・呼吸器内科や小児科を受診しましょう。

胃腸炎

胃腸炎とは、胃や腸の粘膜に炎症が起きた状態です。ノロウイルスやロタウイルスなどが原因で起こる胃腸炎は「感染性胃腸炎」と呼ばれ、インフルエンザ同様に毎年秋から冬にかけて流行します。咳や関節痛などの全身症状は少なく、吐き気、嘔吐、下痢といった消化器症状がおもに現れるのがインフルエンザとの大きな違いです。発熱するケースもありますが、インフルエンザよりは軽度の37〜38度で済むケースが多く見られます。
特効薬はなく、治療は水分補給などの対症療法が中心となります。嘔吐や下痢が激しい場合、水分をとれずに脱水が疑われる場合は、内科や消化器内科を受診しましょう。

下痢を伴うインフルエンザの症状の正しい対処法は?

インフルエンザで下痢の症状がある場合、受診時に下痢症状のことを伝えましょう。医師が必要と判断すれば、整腸剤が処方されます。抗インフルエンザ薬が処方された際は、医師の指示を守り正しく使用することも大切です。

また、以下のようなセルフケアもあわせておこないましょう。

・脱水症状を防ぐために水分補給をする
・食事は消化の良いものを選ぶ
・回復を早めるためにゆっくりと休む

インフルエンザからの回復には、本人の免疫力が大切です。ゆっくりと休み、体力の回復につとめましょう。下痢症状がある場合は脱水を起こしやすいため、通常のインフルエンザよりもこまめに水分を摂ることを心がけてください。
また、胃腸が弱っているため、食事はおかゆやすりおろしたリンゴ、よく煮込んだうどん、野菜スープなど、消化の良いものがおすすめです。ただし、吐き気があるときに無理に食べる必要はありません。 なお、ウイルスの排出を妨げて回復を遅らせる可能性があるため、自己判断で市販の下痢止めを使用するのは避けてください。市販の解熱剤を使用する場合は、合併症であるインフルエンザ脳症のリスクを上げない、アセトアミノフェンを含むものが適しています。

なお、家族や周りの方への感染を防ぐため、換気や手洗い、マスク着用なども忘れずにおこないましょう。

「インフルエンザで下痢」の症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「インフルエンザで下痢」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

感染するインフルエンザの型によって下痢になりやすい等の違いはありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

一般的に、インフルエンザB型は、A型に比べて腹痛や下痢といった消化器系の症状が出やすいといわれています。ただし、A型でも消化器症状が出ることはあり、症状の現れ方には個人差があります。症状だけでA型かB型かを断定することはできません。 A型・B型のどちらも基本的な治療法は変わらないため、インフルエンザを疑う場合は受診し、適切な治療を受けましょう。

突然、下痢と高熱の症状が出たときインフルかどうか見分ける方法はありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

一般の方が、下痢と高熱の症状のみでインフルエンザか他の感染症を完全に見分けるのは困難です。ただし、下痢と発熱がよく見られるインフルエンザと感染性胃腸炎は症状がやや異なるため、「インフルエンザかもしれない」「胃腸炎かもしれない」程度の想像をすることはできるかもしれません。両者の特徴を、簡単にまとめました。
インフルエンザ:38度以上の突然の発熱・頭痛・関節痛や筋肉痛・全身のだるさ・場合によっては下痢
感染性胃腸炎:下痢・嘔吐・腹痛・多くの場合発熱は37~38度程度
ただし、インフルエンザで熱があまり出ないケースや胃腸炎で38度の熱が出るケースもあるため、正確な診断には医療機関での検査が必要です。基本的には、自己判断せずに受診するのが望ましいでしょう。

インフルエンザが治りかけの時期に下痢が続いています。感染性胃腸炎なのでしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

インフルエンザの治りかけに下痢をするケースもあるため、感染性胃腸炎なのかは診察しないと分かりません。たとえば、治りかけのインフルエンザによる下痢には、以下のような原因が考えられます。
・熱は下がったが、インフルエンザによる下痢が残っている
・インフルエンザ治療薬の副作用で下痢をしている
・胃腸が弱っている状態で消化の悪いものを食べた
ただし、インフルエンザによって腸のバリア機能が弱まり、感染性胃腸炎にもかかる可能性は考えられます。下痢が長引く場合や強い嘔吐・下痢が現れた場合などは、内科や消化器内科へ相談してください。

まとめ インフルエンザで下痢のときはは水分をしっかり摂ろう

​インフルエンザは、咳や熱だけでなく、下痢や吐き気といったお腹の症状を引き起こすこともあります。下痢を伴うインフルエンザにかかった際は水分補給をおこない、十分な休息をとりましょう。自己判断で市販の下痢止めを使用することは、症状を悪化させるリスクがあるため避けてください。また、呼吸困難や意識の消失がある、水分が全く摂れないなどの場合は、医療機関を受診してください。

「インフルエンザと下痢」症状で考えられる病気

「インフルエンザと下痢」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

呼吸器系の病気

  • A型インフルエンザ
  • B型インフルエンザ

消化器系の病気

  • 感染性胃腸炎

インフルエンザで、下痢になることもあります。下痢があると通常のインフルエンザ以上に脱水を起こしやすいため、こまめな水分補給をおこないましょう。

「インフルエンザと下痢」に似ている症状・関連する症状

「インフルエンザと下痢」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

インフルエンザと下痢、両方の症状がある場合はこまめに水分を摂り、気になる点があれば早めに医療機関へ相談してください。

この記事の監修医師