「朝に胃が気持ち悪い時」の対処法はご存知ですか?主な原因も医師が解説!

朝に胃が気持ち悪い症状を治すには?メディカルドック監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
胃が気持ち悪くなるのはなぜ?
胃の気持ち悪さは、主に消化機能の低下や胃酸による粘膜への刺激によって起こります。たとえば、暴飲暴食により胃に負担がかかると消化機能が低下します。その結果、胃の中に食べ物が長く留まり、気持ち悪さを感じることがあるのです。
ほかにも、ストレスや睡眠不足などで自律神経のバランスが乱れると、胃酸が過剰に分泌されることもあります。過剰に分泌された胃酸が胃や十二指腸の粘膜を刺激すると、気持ち悪さや胸やけなどの不快感が生じるのです。
「朝に胃が気持ち悪い」症状で考えられる病気と対処法
朝に胃が気持ち悪くなるときには、さまざまな原因が考えられます。前日の食事による一時的なものもありますが、出血している場合や症状が長引くときには医療機関を受診しましょう。
朝に胃が気持ち悪い・胃がもたれたり不快感がある症状で考えられる原因と治し方
寝る前にあぶらっこいものを食べたり、遅い時間に食事を摂ったりすると、朝起きたら気持ちが悪い、胃もたれすると感じることもあるでしょう。これは、睡眠中は消化機能が低下するため、食べたものが十分に消化できないからだと考えられます。
症状が一時的なものでしたら、あまり心配はいりません。必要に応じて、市販の胃腸薬を使用してもよいでしょう。夕食は脂質の多いものなど消化に時間がかかるものは避け、寝る前2〜3時間前には済ませるなど、食生活を見直しましょう。
朝に胃が気持ち悪く吐き気がする症状で考えられる原因と治し方
朝起きると気分が優れず吐き気がするときには、ストレスや睡眠不足が影響していることもあります。なぜなら、ストレスや睡眠不足は交感神経と副交感神経のバランスを崩す原因になるからです。交感神経と副交感神経は胃腸の働きを調整しているため、これらのバランスが崩れると胃腸の調子が悪くなることもあります。
寝る前に好きな音楽を聴く、軽くストレッチするなど、ストレスの緩和と質のよい睡眠を心がけましょう。強いストレスや睡眠不足が続くときには、心療内科の受診を検討なさってください。
毎日朝に胃が気持ち悪い症状で考えられる原因と対処法
起きた直後のように空腹時に胃が気持ち悪いと感じるときには、胃酸が胃や十二指腸を刺激している可能性も考えられます。カフェインやアルコールなど胃を刺激するものは避け、消化によいものを適量食べましょう。
市販の胃腸薬を使用する場合には、胃酸の分泌を抑えるもの、胃粘膜を保護する成分が配合されているものを選びましょう。症状が改善しない場合や、便に血が混じる場合には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の可能性も考えられます。早めに消化器内科を受診なさってください。
すぐに病院へ行くべき「朝に胃が気持ち悪い」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
朝に胃が気持ち悪く便に血が混じる場合は、消化器内科へ
血が混じった便や黒い便が出た場合、消化器から出血している可能性が考えられます。出血が多いと、吐血(血液を嘔吐する)することもあります。気持ち悪さなど胃の不調とともに出血がある場合には、胃や十二指腸に潰瘍ができているかもしれません。潰瘍とは、粘膜が剝がれてしまい、穴が開きそうな状態のことです。
このような症状があるときには、できるだけ早く消化器内科を受診しましょう。出血が多くふらつくなどある場合、強い腹痛を伴う場合には、ためらわずに救急車を呼んでください。
病院受診・予防の目安となる「朝に胃が気持ち悪い」ときのセルフチェック法
・寝起きに胃が気持ち悪いことが7日以上続く
・血が混じった便や黒い便が出た場合
・食欲がなくなる、体重が減る等
「朝に胃が気持ち悪い」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「朝に胃が気持ち悪い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは、症状の原因となる明らかな異常がないのにもかかわらず、慢性的に胃の気持ち悪さやみぞおちの痛みなどの症状が現れる病気です。なお、ディスペプシアとは医学用語の1つで、胃の痛みやもたれなど腹部の不快な症状を示します。
機能性ディスペプシアの原因は複雑で、さまざまな要因が組み合わさっていることも少なくありません。
・胃や十二指腸の運動がうまくいかない
・胃や十二指腸に知覚過敏が生じている
・心理的な要因や生育環境によるもの
・胃酸が胃や十二指腸を刺激している
・遺伝的要因によるもの
・感染性胃腸炎の回復後に生じるもの
・喫煙、不眠、食習慣の乱れなど生活習慣による影響
・消化管のバリア機能が障害されている
胃が気持ち悪いなど腹部の不快な症状が続くときには、睡眠、運動、食事といった生活習慣を見直してみましょう。具体的な対処法は、食事は腹八分目にする、脂質が多くカロリーの高い食事は避ける、禁煙するなどです。それでも症状が改善しない場合や、症状が強い場合には消化器内科を受診しましょう。機能性ディスペプシアと診断されると、飲み薬によって治療するのが一般的です。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は胃食道逆流症の1種で、食道の粘膜にただれ(食道炎)がある場合を示します。さらに、逆流性食道炎には自覚症状があるタイプと無症状のタイプが存在します。逆流性食道炎の自覚症状は、主に胃の中にある酸が食道へ逆流することによって生じるのです。たとえば、胸やけや呑酸(酸っぱい液体がこみ上げてくる感じ)、吐き気などの症状が現れます。
対処法には、暴飲暴食しない、就寝前3時間の食事は避けるなどがあります。腹部を締め付けない服装をする、前かがみの姿勢を避けるなど腹部を圧迫しないよう配慮することも大切です。
逆流性食道炎は命にかかわる病気ではないものの、生活の質に影響を及ぼします。不快な症状により、仕事がはかどらない、食事が楽しめない、ぐっすりと眠れないなど日常生活に支障がある場合には、消化器内科を受診しましょう。食事や生活を見直しても症状が改善しない場合には、胃酸の分泌を抑える薬を用いて治療します。
十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍は、十二指腸の壁を胃酸や消化酵素が深く傷つけることによって起こる病気です。なお、十二指腸とは小腸の一部で、胃に一番近い部分のことです。十二指腸はもともと胃酸に対する抵抗力が弱いため、胃酸の分泌が多くなりすぎると潰瘍が発症しやすくなります。
十二指腸潰瘍になると、みぞおちのあたりに鈍い痛みを感じたり、吐き気を催したりしやすいです。潰瘍部分から出血すると血液が混じった黒い便が出たり、吐血したりすることもあります。痛みや吐き気が続く場合、出血が見られる場合には早めに消化器内科を受診しましょう。
十二指腸潰瘍と診断されると、飲み薬による治療を行うのが一般的です。薬を飲み始めてからおおむね6〜8週間で潰瘍は治りますが、暴飲暴食を避ける、喫煙や飲酒を避けるなど生活習慣の改善にも努めましょう。
ストレス性胃炎
ストレス性胃炎は、ストレスが原因で胃に不調が生じる状態です。ストレスによる急性の胃炎と、機能性ディスペプシアといった2つのケースが考えられます。
急性胃炎は、ストレスによって自律神経のバランスが乱れ、胃酸が過剰に分泌されたり、胃粘膜への血流が低下したりすることで胃に炎症が起こります。一方、機能性ディスペプシアは前述のとおり、胃に異常がないにもかかわらず胃炎のような症状が出ることもあるのです。
ストレスが原因で気持ち悪さや胃痛などの不調が出ているときには、ストレスの原因を取り除いたりリフレッシュしたりと、ストレスを軽減することが重要です。不調が続く場合には、消化器内科を受診なさってください。消化器に異常がなく、こころの問題が大きい場合には心療内科や精神科への相談を検討するとよいでしょう。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れた状態のことです。自律神経は胃腸の働きや消化液の分泌を調整しているため、バランスが崩れると気持ちが悪くなる、食欲が低下する、胃が痛くなるなどの症状が現れることもあります。
自律神経失調症の原因は特定しにくいですが、ストレスや生活習慣の乱れが影響しているケースも多く見受けられます。そのため、ストレスとうまく付き合ったり、生活習慣を見直したりすることで症状が軽くなることもあるでしょう。症状がつらいときには、消化器内科や心療内科を受診しましょう。
自律神経失調症の治療には、2つのパターンがあります。1つ目は、症状を抑えるための対処療法です。吐き気がある場合には、吐き気を抑える薬が処方されることもあります。2つ目はストレスや心理面へのアプローチです。不安の症状が強いときには抗不安薬が処方されたり、専門医による精神療法が進められたりすることもあります。
「朝に胃が気持ち悪い」の正しい対処法は?
朝、胃が気持ち悪くなりやすい人におすすめの食事や飲み物は?
毎日のように朝、胃が気持ち悪くなる人は、腹八分目を心がけながら、できるだけ消化によいものを食べましょう。吐き気が強いときは、無理して食べなくても構いません。脱水にならないように、こまめに水分を補給してください。ただし、カフェインを含む飲み物やアルコールは好ましくありません。水や麦茶、ノンカフェインのハーブティーなどがおすすめです。
朝の胃もたれや不快感を減らすために生活習慣で改善できることは?
朝の胃もたれや不快感を減らすには、食事や運動、喫煙などの生活習慣の改善が役立ちます。1日3回の食事を規則正しく摂り、夕食は寝る2〜3時間前までに済ませましょう。1度の食事でたくさん食べずに、腹八分目を目安によく噛んでゆっくり食べると胃腸の負担を減らせます。
また、冷たいものを食べすぎると胃腸の働きが悪くなりますので、常温〜温かい食べ物や飲み物がおすすめです。さらに、飲酒や喫煙、運動不足、睡眠不足など生活習慣の乱れも胃の不快感に影響する可能性があります。これらを見直すことで症状が緩和するケースもありますので、できることから始めてみましょう。
朝、胃の不調を感じるときに市販の胃腸薬を飲んでも良い?
胃の不調を感じるときには、市販薬を利用してもいいです。胃腸薬にはいくつかの特徴があるため、自分に適したものを選びましょう。
たとえば「H2ブロッカー」と呼ばれるタイプの胃腸薬には、胃酸の分泌を抑える働きがあります。ゆえに、起床時や空腹時に胃痛、気持ち悪さを感じる方に適しています。反対に、暴飲暴食による消化不良によって気持ち悪さや胃もたれがある場合には、消化酵素が含まれている胃腸薬が適していることもあるでしょう。
どれを選べばよいかわからないときには、薬剤師や医薬品登録販売者に相談するとよいですね。市販薬を使っても症状が改善されないときや悪化する場合には、早めに消化器内科を受診なさってください。
「朝に胃が気持ち悪い」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「朝に胃が気持ち悪い」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
朝に胃が気持ち悪いのが続く場合、何科を受診すればいいですか?
伊藤 陽子(医師)
吐き気や腹痛を伴う場合は、消化器内科や一般内科を受診してください。気分の落ち込みやイライラなどストレスが原因で胃が気持ち悪くなる場合には、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。
朝の胃の気持ち悪さを治すにはどうしたら良いですか?
伊藤 陽子(医師)
ご自身でできることとしては、食事や運動、喫煙、睡眠など生活習慣の見直しです。毎日のように起こる気持ち悪さも、ストレス緩和により症状が改善することもあるでしょう。
寝起きに胃もたれやむかつきを感じやすいのはどうしてでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
前日の食事が影響しているかもしれません。寝る直前に食事をしたり、あぶらっこいものを食べたりすると、うまく消化されずに翌朝胃もたれしやすくなります。
前日に食べすぎ・飲みすぎていないのに朝に吐き気があるのはストレスのせいでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
ストレスにより自律神経のバランスが乱れ、吐き気が起こる可能性もあります。ただし、逆流性食道炎や十二指腸潰瘍など病気の可能性も考えられます。そのため、症状が長引くときには自己判断せずに、消化器内科を受診すると安心です。
まとめ 朝に胃が気持ち悪い場合、まず生活習慣の見直しから始めよう!
朝に胃が気持ち悪くなる原因の多くは、暴飲暴食やストレスによって消化機能が低下したり、胃酸が粘膜を刺激したりすることです。自律神経のバランスの乱れも影響するため、食事、運動、睡眠など生活習慣全般を改善することで症状の緩和が期待できます。
ただし、胃の気持ち悪さが続くときは機能性ディスペプシアや逆流性食道炎、十二指腸潰瘍などの病気の可能性も考えられます。症状が長引くときや出血を伴う場合は、速やかに消化器内科を受診しましょう。
「朝に胃が気持ち悪い」症状で考えられる病気
「朝に胃が気持ち悪い」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
消化器系の病気
心療内科・精神科系の病気
「朝に胃が気持ち悪い」という症状から考えられる病気はたくさんあります。症状がつらいときには、早めに医療機関を受診しましょう。
「朝に胃が気持ち悪い」に似ている症状・関連する症状
「朝に胃が気持ち悪い」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「朝に胃が気持ち悪い」以外にも当てはまる症状はありますか?ご自身の症状に近いものがあれば、参考になさってください。