「お腹がドクドクする」のは何が原因?考えられる病気や対処法を医師が解説!


監修医師:
伊藤 陽子(医師)
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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
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「お腹がドクドクする」症状で考えられる病気と対処法
お腹がドクドクすると「どんな病気だろう?」と不安になることもありますよね。お腹がドクドクする原因には、一時的なものから命に関わるものまでさまざまなものが考えられます。 この記事では、お腹がドクドクする原因をパターン別にわかりやすく解説します。ご自身でできる対処法から、受診の目安まで具体的にお伝えしますので、ぜひご自身の症状と照らし合わせながらご覧ください。お腹がドクドクして吐き気がある症状で考えられる原因と治し方
お腹がドクドクと痛み、吐き気がある場合には感染性胃腸炎の可能性が考えられます。感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどの病原体が原因となって引き起こされる感染症のことです。 代表的な病原体には、ノロウイルスやロタウイルスなどがあります。症状は病原体によって異なりますが、吐き気や腹痛、下痢などが見られます。このときの腹痛や胃の不快感が、人によってはお腹がドクドクすると感じることもあるでしょう。 感染性胃腸炎の場合は、少量の水分をこまめに補給し、安静にすることが大切です。冷たい飲み物は胃腸に負担がかかるため、常温のものを飲むようにしてください。症状が落ち着いてきたら、おかゆやスープなど消化によい食事を少量食べることから始め、徐々に通常の食事に戻していきましょう。 症状がつらく、水分も摂れないときには、内科や消化器内科を受診なさってください。ストレスでお腹がドクドクする症状で考えられる原因と治し方
過度なストレスを感じたときにお腹がドクドクするのは、自律神経のバランスが乱れているからかもしれません。自律神経とは、自分の意思とは関係なく呼吸や体温、血圧、消化など私たちが生きていくために必要な身体の機能を調整している神経のことです。 自律神経には2つのタイプがあります。- 交感神経:活動時や緊張(ストレス)時に優位に働く
- 副交感神経:リラックスするときに優位に働く
お腹がドクドクして痛い症状で考えられる原因と治し方
暴飲暴食した後に、お腹がドクドクして痛いと感じることもあるでしょう。食事を摂ると、消化吸収のために通常より多くの血液が胃や腸などの消化器官に集まります。そのため、普段よりも拍動を強く感じやすくなり、ドクドクとした違和感をおぼえることも少なくありません。 また胃や腸などの消化器官は、食べ物を消化液と混ぜながら肛門側へ送り出すために蠕動(ぜんどう)運動という動きをしています。蠕動運動とは、消化管の壁にある筋肉の収縮や弛緩が波のように伝わる運動で、内容物を一定方向に押し出す役割があります。たくさん食べたり飲んだりすると蠕動運動が活発になり、ドクドク、ゴロゴロ、ギュルギュルなどの痛みを感じることがあるでしょう。 食べすぎや飲みすぎを感じたら、まずはゆっくりと休み消化を促しましょう。ベルトを緩めるなど、お腹を締め付けないような服装にすると痛みの緩和に役立ちます。その後の食事は、消化によいものをよく噛んでゆっくりと食べましょう。強い痛みが続くときには、消化器内科や内科の受診を検討なさってください。すぐに病院へ行くべき「お腹がドクドクする」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。ドクドクした瘤(こぶ)がある場合は、循環器内科へ
お腹にドクドクとした拍動性の瘤がある場合には、腹部大動脈瘤が疑われます。痩せている方は、腹部の脂肪が少ないため自覚症状が得られやすいでしょう。 なお、腹部大動脈瘤は破裂すると命に関わる病気です。症状に気付いたら、早めに循環器内科を受診なさってください。受診・予防の目安となる「お腹がドクドクする」ときのセルフチェック法
・お腹がドクドクする以外に腹部に瘤がある場合・お腹がドクドクする以外に脱水症状がある場合
・お腹がドクドクする以外に過度なストレスがある場合
「お腹がドクドクする」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「お腹がドクドクする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。腹部大動脈瘤
腹部大動脈瘤は、腹部大動脈が部分的に大きくなる病気です。大動脈瘤とは、大動脈の太さが正常時と比べて1.5倍以上に膨らんだものをいいます。腹部大動脈は通常20mmほどの太さであるため、30mm以上に膨らむと腹部大動脈瘤と診断されます。腹部大動脈瘤の原因の多くは、動脈硬化です。そのほかの原因には、外傷によるもの、炎症を引き起こす病気によるもの、感染症によるもの、生まれつきの病気によるものなどが知られています。腹部大動脈瘤は、自覚症状が現れないことも多いですが、お腹がドクドク(拍動感)したり、痛みや不快感を覚えることもあります。瘤(こぶ)が大きくなると、周りの臓器を圧迫して食欲が低下することもあるでしょう。腹部大動脈瘤の治療は個人の状態によって異なるため、このような症状があるときは一度循環器内科を受診してください。医師の判断によっては、人工血管置換術やステントグラフト内挿術といった手術を行う可能性があります。 すぐに手術の必要性がない場合は、禁煙や血圧管理を行いながら定期的にCT検査をして様子をみます。消化器疾患
消化器疾患の症状として、お腹がドクドクすると感じることもあるでしょう。考えられる病気には、下記のようなものがあります。- 胃炎、胃潰瘍
- 過敏性腸症候群
妊娠
妊娠すると、体内に巡る血液の総量は徐々に増加します。なぜなら、胎児に酸素や栄養を届けたり、分娩時の出血に備えたりと、妊娠前よりも多くの血液を必要とするからです。妊娠8〜9ヶ月ごろまでに約1Lも増加すると知られており、妊娠前の1.3〜1.4倍の血液量となります。 そしてより多くの血液を全身に循環させるために、心拍数(脈拍)も妊娠前より20%ほど増加します。さらに妊娠中は子宮が大きくなり、腹部の血管が圧迫されやすいです。そのため、妊娠するとこれまでよりお腹の脈拍を感じやすくなるのです。 妊娠中お腹がドクドクすると感じるのは、脈拍の影響だと考えられるでしょう。なお、お腹がドクドクする原因が脈拍であれば心配はいりません。ただし、異常に脈が速い状態が続くなど気になることがあれば、かかりつけの産婦人科で相談しましょう。「お腹がドクドクする」症状の正しい対処法・改善法は?
お腹がドクドクすると感じたら、まずはゆっくり休んでください。吐き気や下痢、便秘など消化器の不調が疑われるときには、消化によい食事を心がけましょう。お粥や具材を軟らかく煮たスープ、豆腐や白身魚を使った料理などがおすすめです。飲み物は、アルコールやカフェインを避け、水やノンカフェインのお茶にするとよいですね。また、血圧を測定できれば高血圧があるか調べることも大切です。過度なストレスを感じているときは、深呼吸しましょう。不安や緊張状態が続くと、呼吸が浅くなりがちです。意識して深呼吸することで、リラックスしやすくなるでしょう。気分転換に散歩をする、好きな音楽を聴く、しっかり寝るなど自分に合った対処法も見つけられるとよいですね。「お腹がドクドクする」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「お腹がドクドクする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
日常生活でお腹がドクドクする症状を予防する方法はありますか?
伊藤 陽子(医師)
お腹がドクドクする原因が、消化器の不調やストレスであれば生活習慣を見直すとよいでしょう。規則正しく生活する、暴飲暴食を避ける、よく噛んで食べる、適度に運動する、リラックスする時間を作るなど、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
お腹がドクドクするのは大動脈瘤が原因ですか?
伊藤 陽子(医師)
大動脈瘤は、自覚症状がないことも多い病気です。お腹がドクドクするからといって必ずしも大動脈瘤であるとは限りませんが、症状が続く場合や痛み、不快感がある場合には医療機関を受診すると安心です。
まとめ お腹がドクドクする状態が続いたら、医療機関で相談を
お腹がドクドクする原因はさまざまですが、危険な病気のサインかもしれません。とくにドクドクとした拍動性のあるお腹の瘤は、腹部大動脈瘤の可能性があります。血圧を測定し、高血圧があるようであれば内科で相談することをお勧めします。それ以外の場合でも強い痛みが続くなど、気になる症状がある場合には医療機関を受診しましょう。「お腹がドクドクする」症状で考えられる病気
「お腹がドクドクする」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。循環器系の病気
婦人科系の病気
- 妊娠




