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「胃の上が痛い」症状はどんな病気が考えられるかご存知ですか?医師が徹底解説!

「胃の上が痛い」症状はどんな病気が考えられるかご存知ですか?医師が徹底解説!

胃の上が痛いのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

飯田 綾子

監修医師
飯田 綾子(医師)

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2009年奈良県立医科大学卒業。大阪市立大学医学部附属病院で初期臨床研修後、大阪市立総合医療センター消化器内科レジデントを経て、大阪市立大学大学医学部附属病院肝胆膵内科で学位を取得。現在は患者さんの不安に寄り添い、何でも相談できるかかりつけ医を目指して、大阪市内のクリニックで高血圧や糖尿病など主に慢性疾患の外来や在宅診療を行っている。消化器病専門医、肝臓専門医、総合内科専門医、認定産業医の資格を有する。

「胃の上が痛い」症状で考えられる病気と対処法

胃の上が痛いと感じることはみなさん経験があると思います。ストレスや暴飲暴食など思い当たる原因があることもあればそうでないこともあるでしょう。ここでは胃の上が痛くなる原因と対処法を、一緒に起こるその他の症状ごとに分けて解説します。

胃の上が痛い症状で考えられる原因と対処法

みぞおちのあたりが重く感じたり、キリキリと痛むような症状です。考えられる病気として、急性胃炎があります。急性胃炎とは、なんらかの原因によって胃粘膜に急に炎症が引き起こされる病気です。原因の多くはロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤やステロイド、抗菌剤などの薬剤であり、アルコールやストレスも引き金になります[u1] 。まずは適度な運動と睡眠でストレスを軽減させ、アルコールやカフェインを控えて胃にやさしい食事を心がけてください。
痛みがそれほど強くないのであれば日常生活の改善で症状が和らぐのを待つこともできますが、我慢できないほどの痛みであれば消化器内科を受診してください。胃酸を抑える薬を処方されることが多いです。

胃の上が痛く吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

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<p>食欲がなく、みぞおちのあたりが痛み、吐き気がする症状です。原因としては、胃腸炎や機能性ディスペプシアが疑われます。胃腸炎は下痢や発熱を伴うこともあります。脱水にならないように少しずつ水分を摂るようにしてください。すぐにできる対応はお腹を温めることです。胃腸の動きを和らげることができます。嘔吐や下痢を繰り返したり、症状が長引く場合は消化器内科を受診してください。胃カメラや腹部レントゲンなどの検査、必要に応じて点滴や胃酸を抑える薬、整腸剤などが処方されることが多いです。<br />
一方、機能性ディスペプシアとは胃や食道に形の異常や炎症がないにも関わらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの症状を来す病気です。原因には、胃の運動機能障害や消化管の知覚過敏、心理的要因、胃酸、ピロリ菌などさまざまなものが挙げられています。ストレスをためない規則正しい生活を心がけてください。それでもよくならない場合は消化器内科を受診してください。胃酸を抑える薬や消化管機能を改善する薬で症状が軽快することが多いです。</p>
<h3><span id=胃の上がキリキリ痛い症状で考えられる原因と対処法

みぞおちがキリキリ痛む症状では急性胃炎が疑われます。ストレスや暴飲暴食、ピロリ菌の感染が原因で胃の粘膜がただれることで症状が現れます。牛乳やヨーグルトなどの乳製品には胃の粘膜を保護する作用があり、症状を落ち着かせることができます。
みぞおちのキリキリに加えて胸やけもある場合、逆流性食道炎が疑われます。逆流性食道炎とは食道と胃とのつなぎめの圧力が低くなることで、胃液が食道内に逆流することで起こります。夜間や空腹時に症状が強くなる傾向がありますが、夕食後すぐに横にならない、枕を高くして眠るなどの対応で症状の改善が期待できます。また減量や禁煙も有効であると言われています。
日常生活の改善で症状が良くならない場合や、黒色便などを認める場合は消化器内科を受診してください。

食後に胃の上が痛い症状で考えられる原因と対処法

食後にみぞおちあたりに痛みを感じる場合、胃潰瘍が疑われます。食べ物が胃に入ることで潰瘍を刺激するため食後に痛みが強くなります。胃潰瘍の原因はピロリ菌やストレス、ロキソニンなどの非ステロイド系消炎鎮痛剤、ステロイドの内服などです。ご家庭では急性胃炎の時と同様に乳製品で症状を落ち着かせることができますが、症状が強い場合や、吐血下血を認める場合は胃酸を抑える治療が必要になりますので、すぐに消化器内科を受診してください。胃カメラや血液検査でピロリ菌の有無も含めて検査してもらえます。

すぐに病院へ行くべき「胃の上が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

突然の強い胃の痛みが肩へ広がる場合は、救急科へ

急に強く右肩に広がるような痛みが出た場合、胆嚢炎や肝疾患が疑われます。また急に強く左肩に広がる痛みでは心筋梗塞や急性膵炎の可能性が考えられます。いずれも緊急性が高く、迅速な診断と治療が必要になるため、救急外来を受診してください。

受診・予防の目安となる「胃の上が痛い」ときのセルフチェック法

  • 胃の上が痛い以外にひどい下痢がある場合
  • 胃の上が痛い以外に黒色便がある場合
  • 胃の上が痛い以外に肩へ広がる痛みがある場合
  • 胃の上が痛い以外に発熱がある場合

「胃の上が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「胃の上が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

急性虫垂炎(盲腸)

急性虫垂炎は痛みが心窩部から始まり、へそ周囲に移動して最終的に右下腹部に限局するのが特徴的な病気です。幼児から高齢者まで発症しますが、10~20歳代と若い年齢に多い傾向にあります。原因は糞石や虫垂内腔の閉塞などが言われていますが、はっきりしていません。
治療法は炎症が軽度の場合は抗菌薬投与ですが、症状が改善しない場合は手術が必要になります。痛みがどんどんひどくなったり、歩くと響くような痛みになるなら早めに消化器内科を受診してください。

急性膵炎

急性膵炎は、非常に強力な消化能力を持つ膵酵素が活性化して、膵臓自体を自分で消化しようとするために痛みが出る病気です。胃の上のあたりの痛みが長く続き、背中を丸めると痛みが和らぐ、という特徴のある病気です。原因はアルコール性が最も多く、次いで胆石性、原因の分からない特発性が続きます。
アルコールや脂肪の多い食事で増悪するため、それらを除いた食事を心がけることで改善を認めることもあります。
重症になると発熱や頻脈、呼吸困難、尿量の減少や血圧低下を認めます。強い痛みが続き、左記のような症状が出る場合はすぐに消化器内科を受診してください。血液検査や腹部CT、超音波検査を行い、重症度に合わせた治療が行われます。治療は入院の上、絶食、十分な輸液が基本になります

胆石症

胆石症は胃痛のようなお腹の痛みや、絞られるような強いみぞおちから右の肋骨あたりにかけての腹痛を特徴とする病気です。胆石は胆汁の流出障害が原因で起こります。日本では成人の10%が保有しているとされ、健康診断などで指摘される方も多いと思います。無症状の場合は治療の必要はありません。腹痛が軽度の場合は脂肪分の多い揚げ物や肉類を控え、食物繊維の豊富な大豆製品や野菜、果物を意識して摂ることで痛みの発作を抑えることができますが、腹痛が出る場合は胆のう摘出術の適応になります。食生活を改善しても食後の腹痛が続く場合は消化器内科を受診してください。
また、胆石に細菌が感染した場合、胆嚢炎となり右上腹部痛に加えて悪心や発熱を認めるようになります。急性胆嚢炎の場合は、早期の胆嚢摘出術が必要になります。早めに消化器内科を受診するようにしてください。

胃潰瘍

胃潰瘍はみぞおちの痛みや、気持ち悪さ、お腹の張りを特徴とする病気です。主な原因はピロリ菌や、ロキソニンなどの非ステロイド系消炎鎮痛剤です。ストレスやアルコール摂取、喫煙なども引き金になります。これらの因子により胃粘膜に対する攻撃因子が防御因子を上回るため、胃粘膜が徐々にダメージを受けて潰瘍が形成されます。すぐにできる対処法は、乳製品で胃の粘膜を保護すること、刺激物や鎮痛剤を控えること、ストレス解消をすることなどです。しかし、痛みが改善しなかったり、吐血や黒色便を認めた場合は胃カメラが必要になりますのですぐに消化器内科を受診してください。
胃酸を抑える薬や必要があればピロリ菌の除菌をする薬が処方されます。

「胃の上が痛い」ときの正しい対処法は?

胃の上が痛い原因はさまざまあり、これが正しい!という対処法は正直存在しません。ストレスや暴飲暴食など思い当たる原因がある場合は、まずは軽い散歩を取り入れたり、夜遅く食べてすぐに寝ないなど、生活習慣の改善から始めてください。
脂肪分の多いものや刺激の多いもの、冷たいものを控えて消化の良い温かい食事を心がけてください。ご自宅ですぐに試すことができる対処法には乳製品の摂取をすすめましたが、逆に胃腸炎や胆嚢炎や急性膵炎の場合などは絶食にして水分をしっかりとることが効果的であり注意が必要です。基本的に体は温めた方が胃腸の働きが改善しますが、こちらも、虫垂炎や胆嚢炎など炎症の場合では冷やした方が効果はあるので、症状に合わせて使い分けてください。
市販薬を利用する場合、食べたものがずっと胃にあるような、胃が重たい感じがするなら消化剤を、胃がキリキリ痛むことや、胸やけがあるなら胃酸を抑える薬を選ぶといいです。市販薬は添付文書をよく読んで、用法用量を守ってください。症状の改善が認められない場合は迷わず、消化器内科を受診してください。

「胃の上が痛い」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「胃の上が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胃の上が痛いのは何の病気が考えられますか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

胃の上が痛い場合、胃炎、急性胃腸炎、逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、胃十二指腸潰瘍、虫垂炎、急性膵炎、胆石症、胆嚢炎などが考えられます。サバの摂取後の痛みであればアニサキス症、左肩に広がるような強い痛みを伴えば心筋梗塞も疑われます。

胃の上が痛いときの対処法を教えてください。

飯田 綾子飯田 綾子 医師

急性胃炎であればヨーグルトなどの乳製品で胃の粘膜を保護することが効果的です。

胃カメラで異常がなかったのに胃の上が痛いのはなぜでしょうか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

胃カメラで異常がないのに胃の上が痛い場合、機能性ディスペプシアの可能性があります。ストレスをため込まないこと、規則正しい生活習慣、禁煙を心がけてください。胃酸を抑える薬や消化管機能を改善する薬が効果的とされているので、主治医に相談してみてください。

まとめ 胃の上が痛いのは急性胃炎や逆流性食道炎の可能性あり

胃の上が痛いと感じる原因にはさまざまなものがあります。手軽にできる対処法や市販薬を試すことは問題ありませんが、症状が改善しない、強くなるのであれば消化器内科を受診し、しっかりと根本治療を行ってください。みなさんの症状が早く改善しますように。

「胃の上が痛い」症状で考えられる病気

「胃の上が痛い」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

循環器系の病気

「胃の上が痛い」症状からはこれらの病気の可能性が考えられます。基本的には消化器の病気が疑われますが、心筋梗塞といった心臓の病気が関連している場合もあります。症状が突然で激しい場合や、長引く場合は一度医療機関を受診してください。

「胃の上が痛い」に似ている症状・関連する症状

「胃の上が痛い」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 吐き気がする
  • キリキリ痛む
  • 食後に胃が痛くなる
  • 胸やけがする

「胃の上が痛い」症状以外にこれらの症状が見られる際も、急性胃炎や胃腸炎、逆流性食道炎、虫垂炎などの可能性が考えられます。症状が複数見られる場合は一度医療機関を受診してください。