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「ストレスで吐き気」を催す原因や考えられる病気はご存知ですか?医師が徹底解説!

「ストレスで吐き気」を催す原因や考えられる病気はご存知ですか?医師が徹底解説!

ストレスで吐き気がするのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

武田 美貴

監修医師
武田 美貴(医師)

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平成6年札幌医科大学を卒業し、札幌医科大学放射線科に入局。画像診断専門医となり、読影業務に従事。その後、新たな進路を模索するため、老年医療や訪問医療、リハビリテーションなどを学ぶ。現在は、一周回って画像診断で母校に恩返しをする傍ら、医療事故の裁判では、患者に寄り添う代理人を、画像診断と医学知識の両面でサポートすることをライフワークとしている。

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「ストレスで吐き気がする」症状で考えられる病気と対処法

強いストレスを感じたとき、吐き気を感じることがあります。吐き気とともに、頭痛や耳鳴り、めまいなどほかの症状があると、とても辛いですね。このような症状が引き起こされる原因や、対処法について解説していきます。

ストレスで吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

ストレスにより、内臓の働きを調節する自律神経が乱れ、胃痛や吐き気が起こることがあります。ストレスを感じて吐き気がしてきたときは、可能であればまずそのストレスの原因となっていることから、いったん距離を取ります。仕事場であれば、トイレ休憩をとり、個室に入るのも効果的です。そのような対処が難しいときは、大きく深呼吸をしてみるのもいいでしょう。深呼吸を繰り返すことにより、だんだん不快な症状が和らぐことがあります。深呼吸をするときの注意は、ゆっくり息を吸ったり、吐いたりすることです。慌ててしまい、深呼吸をするつもりが、浅い呼吸を何度も繰り返してしまうことがあります。このような呼吸を続けていると、手がしびれたりすることがあります。過呼吸症候群といわれる症状ですが、手がしびれてきたときは、意識して呼吸をゆっくりすることで、手のしびれは和らいできます。

ストレスで吐き気と頭痛がする症状で考えられる原因と対処法

ストレスで吐き気と頭痛がする場合は、筋緊張性頭痛の可能性があります。ストレスを受けていると、体が緊張することにより筋肉がこわばります。特に首〜肩にかけての筋肉がこわばる、いわゆる「肩こり」の状態となります。この肩こりがひどくなると、筋緊張性頭痛と言って肩こりによって頭痛を感じるようになります。このような頭痛の場合、筋肉の緊張を和らげる薬が効果的であることがありますので、吐き気と頭痛が続くときは、病院への受診を検討してください。
また、片頭痛が原因であることも考えられます。最近は片頭痛の発作予防に効果的な薬も開発されていますので、一度受診することをお勧めします。受診先は内科や脳神経内科、脳神経外科が良いでしょう。

ストレスで吐き気がして手がしびれる症状で考えられる原因と対処法

ストレスで自律神経のバランスが乱れると、吐き気がしたり手がしびれたりすることがあります。このような症状が出てきたときは、生活のリズムが乱れていないか振り返ってみましょう。規則正しい生活と、栄養バランスのよい食事を心がけることで、自律神経が整ってきます。また入浴はシャワーだけではなく、湯船につかり、ゆっくり体を温めるのも効果的です。アロマがお好きであれば、ラベンダーなどリラックスできる香りの入浴剤もお勧めです。散歩などの軽い運動をはじめるのも効果的です。このように、ストレス軽減に効果があるとされる生活習慣を送ってみても、1週間以上しびれが続くようであれば、早めに病院を受診してください。

ストレスで吐き気がして匂いに敏感になる症状で考えられる原因と対処法

ストレスによって嗅覚が過敏になり、吐き気や頭痛を感じることがあります。嗅覚過敏症といって、ストレスなどが原因で匂いに敏感になってしまう状態です。ストレスを自覚している場合は、リラックスできる時間を作ったり、ゆっくりお風呂に入ったりするのが効果的です。そのほか、どうしても匂いが気になるときは、肌触りのよいマスクを着用するなど、匂いを遮断するのも効果的です。それでも匂いが気になってしまって、日常生活がつらくなってきたら、なるべく早く心療内科などを受診しましょう。

中学生でストレスで吐き気がする症状で考えられる主な原因と対処法

中学生がストレスで吐き気を感じる場合があります。この症状は高校受験の時期に多いようです。地域によっては、中学受験の準備をしている小学生にも同じような症状がでることがあります。中学生はまだ精神的に未成熟なので、心理的ストレスを認識することができず、身体症状を起こしやすいといわれています。学校や塾に行く前に嘔吐してしまいますが、行かない日は元気に過ごせることが特徴です。吐き気の他に、下痢症状を伴うこともあります。これは、過敏性腸症候群といって、検査では腸に炎症などの異常が認められないにも関わらず、慢性的に腹痛や下痢など便通の異常を感じる病気です。対策としては、学校や塾がストレスとなっている場合は休みを取ることが重要です。ヨーグルトなど、腸の調子を整える食べ物を摂ったり、軽い運動などでストレスを軽減させたりすることが有効です。逆に、香辛料やカフェインなど、腸を刺激する食べ物は避けるようにします。市販薬の下痢止めに効果があることもあります。それでも症状が軽減しない場合は、小児科や心療内科などを受診します。
その他、中学生で多いのが、起立性調節障害です。これは、吐き気の他にめまいや胸が苦しいなどの症状が出てくる自律神経機能不全の一つです。
午前中に不調が強く、午後には軽快するのが特徴です。朝起きられず、学校を休みがちになることもあります。立ち上がるときにめまいが起こりやすいので、頭をゆっくり上げるように起立してみたり、水分を多く取ったりと生活を整えてみます。それでも症状が改善しないときは、漢方薬が効果的であることもあるので、できるだけ早く小児科や内科を受診します。

すぐに病院へ行くべき「ストレスで吐き気がする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

吐き気の他に、涙が出て止まらない、気持ちが落ち込んでいる場合は、精神科へ

うつ病でも吐き気が出ることがあります。うつ病は、セロトニンという脳内物質が不足す
ることによって生じる心の病気です。セロトニンは不安やイライラを抑えてくれる働きがありますが、不足すると精神状態のバランスが崩れてきます。気分に変調をきたしやすくなり、衝動的になったり怒りやすくなったり、落ち着かなくなってきたりします。進行してくると、気分がとても落ち込んで涙が止まらなかったり、死にたいと思いつめたりすることもあります。このような状態になると病院での治療が必要になります。吐き気の他に、気分の変調を感じたら、早めに精神科を受診してください。

受診・予防の目安となる「ストレスで吐き気がする」ときのセルフチェック法

  • ストレスで吐き気がする以外に手のしびれなどの症状がある場合
  • ストレスで吐き気がする以外に下痢や便秘などの消化器症状がある場合
  • ストレスで吐き気がする以外に気分の変調がある場合

「ストレスで吐き気がする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「ストレスで吐き気がする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

自律神経失調症

自律神経の不調により、頭痛や吐き気、めまいなどさまざまな症状が生じます。ストレスや生活の乱れで起こることが多いですが、更年期障害の症状として現れることもあります。
ストレスなどで不調を感じたら、まずストレスとなるストレス源から距離をとるようにしてみましょう。そのほか、軽い運動や湯船につかるなども効果的です。このように生活リズムを整えてみても症状が続くときは医療機関への受診を検討します。まずは内科への受診をお勧めしますが、40代後半~50代の更年期女性は、婦人科を受診するのも良いでしょう。

起立性調節障害

中学生くらいの思春期に好発し、女子に多いと言われています。たちくらみ、頭痛、吐き気などの症状を伴う、自律神経機能不全の一つです。症状は午前中に強く、午後には軽快する傾向があります。ゆっくり立ち上がる、水を多くとるなどの工夫で、症状が軽快することがあります。朝起きられず、学校などを休みがちになることが、近年問題となっています。漢方薬が効果的であることもあるので、日常生活に支障がでてきたら小児科または内科を受診しましょう。

心因性嘔吐

心因性嘔吐とは体に異常が見られないのに嘔吐を繰り返す状態です。ストレスが原因ですが、本人がストレスを自覚していない場合もあります。また、何かの行動に吐くことが紐づけられることもあり、その場面を想像するだけで吐き気がしてしまうこともあります。
ストレスなどで嘔吐中枢が刺激され、吐き気がでてくるとされています。繰り返し吐いているのに病院で検査をしても原因がないときは、心因性嘔吐かもしれません。口の中の不快も吐き気を感じる原因となるため、うがいや歯磨きで口の中を清潔にたもつことが効果的です。そのほか認知行動療法といって、症状が悪くなるきっかけや症状がよくなる状況を明確にして、そのような行動を避けたり、選んだりする治療法が有効であることがあります。この認知行動療法に薬物療法などを組み合わせることもあるので、小児科や精神科を受診するとよいでしょう。

「ストレスで吐き気がする」ときの正しい対処法は?

ストレスで吐き気がするときは、まずストレスの原因を取り除く、遠ざけることが重要です。そのほかにリラックスできる環境を作り、生活リズムを整え、お風呂にゆっくりつかるなど、ストレス解消をはかっていきます。ストレスで匂いに敏感になっていなければ、ラベンダーなどリラックス効果のあるアロマも有効です。頭痛や下痢などの症状がある場合、まず市販薬を試してみることをお勧めします。1週間程試して効果がない場合は、医療機関を受診しましょう。

「ストレスで吐き気がする」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレスで吐き気がする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ストレスで吐き気がするときは何科の病院を受診したらよいですか?

武田 美貴医師武田 美貴(医師)

ストレスで吐き気がするときは、まず一般内科もしくは心療内科、精神科を受診して相談してみましょう。主治医に相談するうちに、ストレスの原因が整理されてくることがあります。その際内科の主治医が、漢方や抗不安薬を処方することがあります。また、筋緊張性頭痛の場合は、整形外科を受診すると、筋肉を柔らかくする薬を処方されることもあります。

ストレスで吐き気がするのですが有効な市販薬はありますか?

武田 美貴医師武田 美貴(医師)

ストレスで吐き気がするときに有効な市販薬は、胃酸分泌を抑制する薬(H2ブロッカー)や胃粘膜保護薬、漢方薬などがあります。ドラッグストアで薬剤師に相談するのもよいでしょう。

ストレスで吐き気がするのを治す方法はありますか?

武田 美貴医師武田 美貴(医師)

ストレスが原因で起こる吐き気の場合は、まずストレス源から離れる、距離をとることが重要です。そのうえで、軽い運動や湯船にゆっくりつかる、アロマを嗅ぐなど、リラックスできる環境を整えます。それでも症状が改善しないときは、病院を受診しましょう。

まとめ ストレスで吐き気がするときはまず内科で相談

ストレスで吐き気がすることは、日常よく経験する症状です。ストレスと上手に付き合っていくことやストレスを感じたら軽い段階で解消する自分にあった手段を持っておくことが重要です。しかし、それでも改善しないときは、早めに医療機関を受診しましょう。身体症状が強い場合は一般内科へ、精神面のトラブルを解決したい場合は心療内科や精神科への受診をお勧めします。

「ストレスで吐き気がする」症状で考えられる病気

「ストレスで吐き気がする」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

婦人科の病気

小児科の病気

精神科の病気

吐き気がするときは、ストレスが原因のことが多いですが、消化器そのものの異常や病的な精神面の不調が原因の時もあります。

「ストレスで吐き気がする」に似ている症状・関連する症状

「ストレスで吐き気がする」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 検査で体に異常がないのに、吐き気がする
  • 頭痛がする
  • 気分の起伏が激しい
  • 朝起きられない

ストレスで吐き気がする症状の他にこのような症状がある場合、ストレス解消では症状が改善しないことがあります。そのような時は、早めに医療機関を受診しましょう。