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おしりがキューっと痛いのは肛門の不調のサイン!?考えられる病気や対処方法を解説

SY0290 おしりがキューっと痛い

急におしりにキューっとした痛みを感じるのは何が原因なのでしょうか。ここではMedical DOC監修医が考えられる原因やすぐに病院へ行くべき症状などを紹介します。

「おしりがキューっと痛い」症状で考えられる病気と対処方法

おしりがキューっと痛くなったとき、気になるのがおしりの近くだけど、うまく場所を言い表せないということもあると思います。このような症状にどのような病気が隠れているのか解説します。

肛門付近にキューっと痛みを感じる場合の原因と治し方

肛門近くに排便時にキューっとした痛みがでる、特に特にきっかけとなる原因(誘因)もないが肛門やその奥の直腸に強い痛みがあるというような症状を指します。

痔核・消散性直腸肛門痛・肛門挙筋症候群

これらの病気には、痔核、消散性直腸肛門痛や肛門挙筋症候群などが考えられます。
痔核は、排便刺激などが原因で、肛門周囲の静脈にうっ血ができることで起こります。
消散性直腸肛門痛は、会陰部周囲の炎症が原因で陰部神経痛をきたしていることが痛みの本体だと考えられています。
肛門挙筋症候群は、骨盤底にある筋肉の過緊張が原因であると考えられています。
いずれも良性疾患ですが、痛みの程度は強い場合も多く、日常生活の質を落としかねません。
主な診療科は、外科、肛門科です。痛みが強くても命に関わることは少ないため、過度な心配は不要ですが、症状が続く場合には受診した方が良いでしょう。

生理後や排卵時におしりがキューっと痛む場合の原因と治し方

生理後や排卵時におしり周囲の腰部・臀部・背部がキューっと痛むという症状を指します。

子宮内膜症

このような場合、子宮内膜症が疑われます。子宮内膜症では、子宮の内側にあるはずの子宮内膜がそれ以外の場所に発生してしまう病気です。子宮内膜が月経周期に合わせて増殖することで他の組織と炎症を起こし、月経時に激しい下腹部や骨盤の痛みを生じます。年齢を重ねるごとに進行し、慢性的な腰痛、排便痛、性交痛なども見られるようになります。
当てはまる症状があると思ったら我慢せずに産婦人科を受診しましょう。

おしりがキューっと痛くて下痢の症状がある場合の原因と治し方

頻繁に続く(頻回)下痢をしたあとに、出血する、おしりがキューっと痛くなるという症状をさします。

痔核(裂肛、痔核)

このような場合、痔核(裂肛)が疑われます。下痢の刺激によって肛門部に裂傷ができることで発症しますが、痛みは我慢すれば数日で治ります。しかし、頻回に傷ができる場合は、肛門が瘢痕化して肛門が広がりにくくなってしまう場合があるため、放置することはよくありません。
主な診療科は外科、肛門科です。市販の痔の薬などが効果的で、自分で対処することも可能ですが、慢性的に起きる方は医療機関で相談することが勧められます。緊急性はないため、我慢できない痛みが出たときに受診しましょう。

おしりがキューっと痛くて便秘やおならがひどい場合の原因と治し方

ふだんからよく便秘でお尻が痛い、便秘後に太く硬い便をしたところ痛みがでるなどの症状を指します。
このような場合、痔核(裂肛、痔核)が疑われます。下痢の場合と異なり、肛門部に固い便による慢性的な刺激があることで痔核が発生します。一度治ったと思っていても、再度固い便をすると再発し、痔核も出現し徐々に増悪します。
主な診療科は外科、肛門科です。市販の痔の薬も効果的でご自身でも対処可能ですが、痔核が治る前に刺激が加わると徐々に増悪します。セルフケアで対処できなくなれば早めに受診してください。

すぐに病院へ行くべき「おしりがキューっと痛い」症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

高熱がある、肛門周囲の腫れや赤み、黒い皮膚などがある場合は、外科・肛門科へ

おしりの強い痛みに加えて、肛門周囲の腫脹や発赤、皮膚の黒色化、皮下気腫などがある場合には、臀部の壊死性筋膜炎が疑われます。肛門周囲から広範囲に炎症が進行するため、高熱やだるさ、筋肉痛などの症状も出現します。糖尿病など基礎疾患を有する人に起こりやすく、何らかの原因によって損傷を受けた皮膚科ら細菌感染して発症に至ります。命に関わる病気ですので、すぐに病院を受診してください。

「おしりがキューっと痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、おしりの痛みに関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような痛み方なのか、他の身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

子宮内膜症

子宮内膜症は、本来あるべき子宮の内側以外の場所で子宮内膜が発生してしまう病気で、20-30代の女性で発症することが多いといわれています。子宮内膜症の多くは月経困難症を生じるといわれます。女性ホルモンの影響で月経周期に合わせて増殖し、他の組織と炎症を繰り返して癒着を起こして、月経時に激しい下腹部痛や骨盤痛を生じます。慢性的な腰痛、排便痛、性交痛などを生じ、不妊症の原因にもなります。
治療には薬物療法と手術療法がありますが、年齢や妊娠の希望、症状や重症度などを考慮して選択していきます。痛みには鎮痛薬を用いて、効果が不十分であれば低用量ピルなどのホルモン療法を行います。月経痛が辛い、出血量が多いと感じた際には、ためらわずに産婦人科を受診した方が良いでしょう。

突発性肛門痛

突発性肛門痛は、肛門挙筋症候群、肛門疝痛とも言われる病気で、排便などと関係なしに突然つよい痛みがお尻を襲う病態です。恥骨直腸筋を含めた肛門挙筋の攣縮が痛みの原因と考えられていますが、大腸内視鏡・CTなどの画像検査では痛みの原因がないことも特徴です。このようなときは、体の緊張をほぐして筋肉を緩めるように心掛けることや、入浴をすると痛みが和らぐ可能性もあります。頻回に痛みが続くときは別の疾患による症候性肛門痛の可能性もあるため、早めに外科、肛門科を受診することをお勧めします。

放置NG!月経や排卵の時期に「おしりがキューっと痛い」ときはどうすればいい?

子宮内膜症では、排卵や月経の際に痛みを生じます。腰部や骨盤の痛みがおしりの痛みという表現になる方もいると思われます。子宮内膜症の特徴は、排卵痛をはじめ、生じる痛みの程度が強いことです。不妊の原因疾患として知られ、月経痛は年齢とともに悪化することもあります。排卵痛、月経痛、経血量が多いこと、下腹部痛、性交痛などのうち、思い当たる症状が多い場合には、子宮内膜症を疑って早めに産婦人科を受診しましょう。

「おしりがキューっと痛い」症状の予防法と対処法

日常生活でおしりがキューっと痛くなる症状が出現したときに、どのようなセルフケアができるか解説していきます。

日常生活で出来るおしりの痛みの予防方法

骨盤底の筋肉が緊張したりすることは痛みの原因になります。座ったままの体勢が多い、運動不足などがあれば意識して改善するようにしてください。
便秘や下痢がつづくことでもおしりに痛みがでることがあります。食生活を見直し、食物繊維や水分をとることで健康な腸内環境・便を維持することが大切です。

「おしりがキューっと痛い」ときに飲んでも良い市販薬は?

市販薬は、程度の軽い痛みに対して有効です。
痔核の痛みに対しては、市販の痔の薬も効果的で、妊婦さんでも安心して使用できるものが多いと思われます。市販の鎮痛薬は一時的には効果的ですが、痛みが続くようなら早めに病院を受診した方が良いでしょう。妊婦さんで薬の服用に際して心配される場合は、担当医や薬剤師に確認してください。

「おしりがキューっと痛い」症状で考えられる病気と特徴

「おしりがキューっと痛い」症状から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

腸管、特に肛門の病気

  • 痔核
  • 消散性直腸肛門痛
  • 肛門挙筋症候群
  • フルニエ症候群
  • 下痢
  • 便秘症

女性特有の病気

  • 子宮内膜症
  • 月経前症候群
  • 月経困難症

まとめ

おしりがキューっと痛くなる症状について解説しました。命に関わることは少ないですが、慢性的に続き生活の質に大きくかかわる病気が多い分野です。日々の生活での悩みが少しでも減るよう、セルフケアや病院受診をうまく使い分けてください。