「性行為後に鮮紅色の出血」は妊娠のサイン?性病や婦人病の見分け方も医師が解説!

性行為後に出血してしまった場合、身体になにか異変があるのではないかと焦る方も少なくありません。出血が止まったとしても、原因がわからず不安になる方もいるでしょう。事実、腟の出血を放置しておくと危険なケースもあります。本記事は、性行為後の出血が鮮紅色になる原因について紹介します。また、妊娠の可能性や病院に行く目安なども記載しているので、ぜひ今後の参考にしてください。

監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)
目次 -INDEX-
性行為後に鮮紅色の出血があるのは異常?
女性のデリケートゾーンは繊細なので、性行為後に出血があることは珍しくありません。性行為後の出血は、腟や外陰部が傷ついたことが原因の可能性が高いです。パートナーの爪が長かったり、激しいピストンで腟が傷ついたりすることがあります。また、女性側が十分に濡れていない段階で挿入した場合も、腟が傷つきやすくなります。濡れにくい体質の方は潤滑ゼリーを使用する、パートナーに爪の手入れや女性の身体の扱いを考慮してもらうことで腟や外陰部が傷つくリスクを軽減できるでしょう。ほかにも性行為後の出血は感染症や子宮頸がんが原因の場合もあります。また、出血の色は鮮紅色・茶色と人それぞれです。血の色や量だけで症状を判断することは難しいです。出血量が多い場合や不正出血が2日以上続く場合は病院に行くようにしましょう。
性行為後に鮮紅色の出血がある原因
続いて、性行為後に鮮紅色の出血がある原因を紹介します。性行為後に出血が出た場合、以下の症状が原因の可能性があります。出血は身体のSOSかもしれないので、放置をしないことが大切です。
腟壁や腟口の外傷
性行為後、鮮紅色の出血があるときは腟壁や腟口の外傷が原因かもしれません。パートナーの爪が長かったり、激しいピストン運動により傷つくことがあります。また、腟が十分濡れていないのに挿入したり、使用したことのないラブグッズを使用したりすると出血することもあります。性行為後毎回出血する場合は、腟の外傷ではなくほかの病気や性感染症が原因かもしれません。腟の一時的な外傷であれば自然治癒するため病院へ行く必要がありませんが、ほかの病気や性感染症かもしれない場合は早めに受診しましょう。
子宮頸部びらん
子宮頸部びらんとは、子宮の入り口(子宮頚部)の内側を覆っている粘膜が外に向かって広がってできる状態です。子宮頸部びらんは病気ではないですが、症状がある箇所が広範囲だと炎症や不正出血を起こしやすい状態になります。日常生活に支障がなければ治療を受ける必要はありませんが、不正出血が多い場合は治療をしたほうがよいです。子宮頸部びらんの主な治療は以下のとおりです。
- ・腟洗浄・薬(一時的に症状は改善されるが完治はしない)
- ・レーザーでびらん部分を除去
- ・電気メスで焼く
- ・冷凍療法で壊死させる
また、子宮頸部びらんができる場所は子宮頸がんができやすい場所でもあるので、子宮頸がんの検査として細胞診をすることになります。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管ポリープは子宮の入り口に良性のポリープができる病気です。妊娠した30~50代が発症しやすく、明確な原因は明らかになっていません。良性のポリープができることにより、性行為・激しい運動・排便時のいきみで不正出血しやすい状態になります。また、痛みがないため定期診断を受けていないと見つかりにくい病気です。ポリープの表面がきれいでほかに異変がない場合は経過観察となりますが、自然治癒の可能性はかなり低いです。頻繁に不正出血が起きるのであれば摘出を勧められます。ポリープが小さい場合は外来で治療できるので、入院の必要はほとんどありません。
子宮頸がん
子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんです。子宮頸部上皮内腫瘍や上皮内腺がんを経て、がんになります。20代後半から発症が増え、30代後半から40代にかけてさらに発症率が高くなります。子宮頸部上皮内腫瘍や上皮内腺がんの段階では、サインとなる症状がないので、検査をしないと発症がわかりません。しかし、子宮頸がんになり進行すると不正出血・おりものの変化・性行為後の出血の症状が出ます。子宮頸がんは早期発見が大切なので、20歳を超えた女性は不正出血などのサインがなくても定期検診を受けましょう。
性感染症
以下の性感染症は性行為後の出血や不正出血が出ることがあります。
- ・クラミジア感染症
- ・淋病
- ・トリコモナス腟炎
- ・細菌性腟症
上記の性感染症にかかると、おりものの増加やデリケートゾーンの異変(かゆみ・匂いが強くなる)などの症状も併発します。性感染症を放置すると重篤な病気や不妊になる可能性もあるため、少しの違和感を覚えたらすぐに受診してください。また、パートナーと一緒に受診することで再発を防ぐことができます。
性行為後に出血がある場合の妊娠の可能性
性行為後の出血は、着床出血の可能性もあります。着床出血とは受精卵が子宮内膜に着床するときに出る少量の血のことです。着床出血は妊娠4週目頃に起き、生理予定日と被ることも珍しくありません。着床出血の特徴は以下のとおりです。
- 血の色:ピンク・茶色・鮮血色
- 出血量:少ない(レバーのような塊もない)
- 出血期間:1~2日(長くても4日頃までには止まる)
- 腹痛:チクチクとした軽い痛み
妊娠したサインは着床出血だけではありません。
- ・いつもより体温が高く感じる
- ・眠たい
- ・お腹が張る
- ・おりものの量や色がいつもと違う
- ・気持ち悪い
上記の症状がひとつでも当てはまる場合は、着床出血の可能性が高いです。妊娠検査薬は生理予定日1週間後から使用できるので、検査までは念のためタバコ・お酒・激しい運動を控えながら過ごしましょう。
性行為後に出血がある場合に病院に行く目安
続いて、性行為後に出血した場合の病院へ行く目安を紹介します。病院へ行く目安を覚えておると、危険信号を見逃さずに済みます。また、基本的に不正出血が出た場合は目安の症状がなくても受診することがおすすめです。
出血量が多い
性行為後の出血の量が多い場合は、性行為により腟壁が傷ついている可能性があります。動脈が傷ついている場合は縫わないと止血できません。単に性行為による出血だと放置すると危険な場合もあるため、出血量が多いときはすぐに受診しましょう。また、出血量が多いときは貧血を起こしめまいの症状が起きることもあります。ふらつく・倒れる可能性もあるため、受診するまでは安静に過ごしましょう。
なかなか出血が止まらない
不正出血や性行為後の出血を受診する目安は、2週間ほどといわれています。しかし、腟の外傷が原因の場合の出血は2日程度で止まります。不正出血・性行為後の出血は病気のサインかもしれないので、3日過ぎても止まらないようであれば早めに受診したほうがよいです。
痛みが強い
性行為後に強い痛みとともに出血がある場合は、卵巣出血の可能性もあります。卵巣出血が原因で出血している場合、腹部の広範囲に炎症が広がっているので、歩くだけで強い痛みを感じます。大量の出血が起きた場合、手術による止血をしなくてはいけないため、すぐに受診してください。また、子宮内膜症 を発症している可能性もあります。子宮内膜症は陣痛のような痛みや不正出血が起き、不妊になるかもしれません。治療せずに放置すると卵巣がんを引き起こすこともあるので早めに受診してください。
性行為のたびに出血がある
性行為のたびに出血がある場合は、以下の病気が関与している可能性があります。
- ・子宮頸部びらん
- ・子宮頸管ポリープ
- ・子宮筋腫
- ・子宮頸がん
- ・子宮体がん
- ・卵巣出血
上記のほかにも出血を伴う病気のサインかもしれません。性行為やスポーツだけで度々出血する場合 は、身体が通常の状態ではないので早めの検査が必要です。また、出血が数日経過しても止まらない場合は子宮頸がん・子宮体がんが進行している可能性もあります。一方で、腟萎縮や緊張により腟内が十分に濡れていないことで性行為後に出血が起きることもあります。その場合は潤滑ゼリーを使用することで出血を防ぐことが可能です。
おりものに変化がある
性行為後の出血に加え、おりものに変化がある場合は淋菌・クラミジア感染症・トリコモナス腟炎などの性感染症が原因かもしれません。淋菌やクラミジア感染症は症状が進行するとおりものの色が膿のような黄色や黄緑色に変化します。トリコモナス腟炎は症状が進行すると、おりものの色が黄緑色で泡状になり、生臭い匂いに変化します。性感染症は気付かぬうちに周囲に感染する可能性もあるため、違和感を覚えたらすぐに受診してください。性感染症を放置すると、腟炎・子宮頸管炎・不妊症につながる場合もあります。なお、妊娠中であれば、早産・流産のリスクが高まる可能性もあります。
出血以外にも症状がある
出血以外におりものの変化・痛み・発熱などの症状がある場合は早めに受診しましょう。おりものの匂いや量に変化がある場合は性感染症の可能性があります。また、痛みが伴う場合は子宮内膜症や卵巣出血かもしれません。発熱や倦怠感があるなら妊娠による着床出血の可能性もあります。ほかにも病気や身体の異変が関係しているかもしれないので放置しないようにする必要があります。
まとめ
本記事は、性行為後の出血が鮮紅色になる原因について紹介しました。性行為後の出血の多くはパートナーの爪や激しいピストンにより腟が傷つくことが原因です。性行為後の出血が少量で、1~2日ですぐに止まるのであれば経過観察をしてください。しかし、子宮頸がんや性感染症のサインである場合もあります。出血のほかにも症状があったり、出血の量が多かったり、出血が長く続いた場合は身体からの危険信号かもしれないので早めに受診しましょう。また、性行為後の出血は着床出血の可能性もあります。妊娠初期は流産のリスクも高まるので、検査まで激しい運動や飲酒喫煙を控えましょう。
「性行為後の鮮紅色の出血」で考えられる病気
「性行為後の鮮紅色の出血」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。