目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 症状から調べる
  3. 生殖器(女性)・乳房
  4. 「生理前にめまいがする」原因はご存知ですか?医師が対処法も解説!

「生理前にめまいがする」原因はご存知ですか?医師が対処法も解説!

「生理前にめまいがする」原因はご存知ですか?医師が対処法も解説!

生理前にめまいがするのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

目次 -INDEX-

「生理前にめまいがする」症状で考えられる病気と対処法

日常生活において、生理前にめまいがした経験はありませんでしょうか。そのような場合には、月経前症候群、自律神経失調症、低血糖、更年期障害などの病気を考える必要があります。
今回は、生理前にめまい症状を来しやすい方に、原因や対処法などを中心に解説していきます。

生理前にめまいがする症状で考えられる原因と対処法

生理前にめまいがする症状で考えられる原因疾患として、「月経前症候群(英語略称:PMS)」が挙げられます。
月経前症候群は、月経前の3~10日前後の日程で続く精神的や身体的症状の総称を指しており、月経開始と共に症状が軽快または消失するものを意味します。
月経前症候群における精神神経症状としては情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、睡眠障害などが挙げられます。
自律神経症状として、のぼせや食欲不振、めまい、倦怠感などを自覚するケースもありますし、身体的症状としては腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、そして乳房の張りなどの訴えがよくあります。
日常生活においては、自分のリズムを知って気分転換やリラックスする時間をつくる、あるいは自分が心地良いと思えるようなセルフケアを探してみるのも月経前症候群の症状を改善させる治療策になります。
心配であれば、精神科・心療内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

生理前にめまいと吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

生理前にめまいと吐き気がする症状で考えられる原因疾患として、「自律神経失調症」が挙げられます。
自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが崩れることでさまざまな症状を引き起こす病気の総称です。
自律神経失調症が呈する症状は個人によってさまざまなものが挙げられます。
例えば、身体的な症状としてはめまい、だるい、眠れないなどの全身症状と、頭痛、動悸、息切れなどの症状がありますし、精神的な症状としては情緒不安定、いらいら、不安感などが考えられます。
自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れによって引き起こされると言われているため、これらを改善することで自然と症状が軽快することがあります。
ストレスを解消し生活習慣を整えることは、自律神経失調症を改善するもっとも重要な行動であると考えられます。
心配であれば、精神科・心療内科など専門医療機関を受診しましょう。

更年期で生理前にめまいがする症状で考えられる原因と対処法

更年期で生理前にめまいがする症状で考えられる原因疾患として、「更年期障害」が挙げられます。
多くの女性は40代頃から更年期と呼ばれるフェーズに入り、この時期には体が火照って疲労を感じやすいなど辛い期間であると考えられていますが、実は更年期にはめまい症状の発症とも関連があります。
更年期においては、周囲環境などで過剰なストレスを抱えているなど以外にも、女性特有の要因として更年期前後におけるエストロゲンの分泌量低下が挙げられます。
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには様々な健康リスクから女性の身体を守る働きがあることが知られていて、エストロゲンの分泌量は女性の場合にはおよそ40代頃から更年期の訪れとともに減少し始めて50代の閉経期になれば急激に落ち込みます。
特に更年期を過ぎるとエストロゲンの分泌量が低下してめまいの症状が出現する危険性が増します。
心配であれば、精神科・心療内科など専門医療機関を受診しましょう。

生理前にめまいと頭痛がする症状で考えられる原因と対処法

生理前にめまいと頭痛がする症状で考えられる原因疾患として、「低血糖」が挙げられます。
特に、生理の前や空腹時に起きるめまい症状は、血糖値の低下が原因と考えられます。
基本的には、血糖値とは、血液の中のブドウ糖の濃度であり、血糖値が低くなると、脳がエネルギー補給を求めてアドレナリンなどのホルモンを分泌する過程で脳内の血管が拡張して頭痛やめまい症状が起きると考えられています。
日常的に、栄養バランスのとれた食事をとる、規則正しい食生活を心がける、よく噛んでゆっくり食べることなどを心がけて、血糖値の低下を防ぎ、まためまいなどの症状が出ないように事前に予防しましょう。
心配であれば、代謝内分泌内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

生理前にめまいと立ちくらみがする症状で考えられる原因と対処法

生理前にめまいと立ちくらみがする症状で考えられる原因疾患として、「鉄欠乏性貧血」が挙げられます。
この病気は、体内の鉄分が不足することで赤血球中に含まれるヘモグロビンが作成できなくなることで引き起こされる病気です。
鉄欠乏状態に陥る原因は、大きく分類すると主に①鉄需要が増加する、②鉄供給が低下する、③鉄が喪失する、の3パターンに分類されます。
自覚症状に乏しい場合もありますが、典型的な症状としては動悸、息切れ、慢性的な疲労感や倦怠感以外にも匙(さじ)状爪という爪が反り返って割れやすくなる、あるいは舌がひりひりして味覚障害を呈することなどが考えられます。
貧血症状を認める際には、総合内科などを受診して精査してもらうように心がけましょう。

すぐに病院へ行くべき「生理前にめまいがする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

引きこもり症状がある場合は、精神科・心療内科へ

月経前症候群が重症な場合には、生理前にめまいを生じるだけでなく、イライラ感や怒り感情が強くなって他者を無意識に罵倒したり、攻撃したりすることもあります。
さらに、そういった症状を周囲に十分理解してもらえない辛さから自ら社会から離脱して引きこもりになって孤立することもあります。
このような場合には、できるだけ早く精神科・心療内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

受診・予防の目安となる「生理前にめまいがする」ときのセルフチェック法

  • ・生理前にめまいがする以外にいらいらする症状がある場合
  • ・生理前にめまいがする以外に他者を攻撃する症状がある場合
  • ・生理前にめまいがする以外に引きこもり症状がある場合

「生理前にめまいがする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「生理前にめまいがする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

PMS(月経前症候群)

月経前症候群とは、月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状を呈する状態であり、月経開始とともに症状が軽快ないし消失するのが特徴的です)。
月経前症候群は、月経周期において黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下することによって引き起こされる可能性が指摘されています。
月経前症候群では、月経前にありとあらゆる症状が毎月現れて、基本的には月経開始後には和らぐことが特徴的とされています。
月経前症候群では、比較的軽症な場合にはカウンセリングや生活習慣改善のための指導が有効的に働くと考えられています。
心配であれば、精神科・心療内科など専門医療機関を受診しましょう。

「生理前にめまいがする」ときの正しい対処法は?

生理前にめまいがするなど悩ましい症状を自覚した際には、それらの出現症状を記録して、月経周期との関連性を確認しましょう。
月経前に情緒不安定になっているのは、神経が緊張して興奮している状況が考えられると同時に、女性ホルモンのバランスも乱れている可能性があります。
女性ホルモンのバランスを整えるために、コーヒーや紅茶などのカフェインが多量に入っているものを控えて、情緒不安定を和らげる作用を有するビタミンB群、カルシウム、マグネシウムなどを前向きに摂取するように心がけましょう。

植物のエストロゲンとも呼ばれる女性ホルモンに似た働きのある豆腐、豆乳などに含まれるイソフラボンやブロッコリーなどに含有されている神経伝達物質の代謝に関与しているビタミンEを摂取してリラックスできる場合もあります。
特に、月経前症候群に伴う精神神経症状や自律神経症状に対しては、精神安定剤や選択的セロトニン再取り込み阻害薬などの薬物療法(脳内の活性物質セロトニンを維持する治療法)を使用することがあります。
また、市販のサプリメント療法やピルなどを用いた排卵抑制療法(排卵を抑える治療法)も月経前症候群の症状を緩和させる治療オプションの一つといえます。
早く治したい場合やセルフケアを実施しても症状が改善しないケースでは、早急に専門医療機関を受診して相談しましょう。

「生理前にめまいがする」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「生理前にめまいがする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

生理前にめまいがするのですが何科に行けばいいですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

生理前にめまいがするときには、鉄欠乏性貧血を疑う際には総合内科、月経前症候群や更年期障害、自律神経失調症などを疑う際には精神科・心療内科、低血糖を疑う場合には代謝内分泌内科を受診しましょう。

生理前の眩暈・立ちくらみなどのPMSは婦人科で治療できますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

生理前のめまいや立ちくらみなどの症状を引き起こして、月経前症候群(英語略称:PMS)を疑う際には精神科・心療内科、あるいは女性ホルモンが関連しているケースもありますので婦人科で相談しましょう。

生理前のめまいに漢方は効果的でしょうか。

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

生理前のめまい症状に対して、漢方薬を使用する東洋学的療法が功を奏する場合も考えられますので、心配であれば漢方外来などにも受診するように検討しましょう。

ストレスが原因で生理前にめまいがすることはありますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

ストレスが原因となって生理前にめまい症状が起きることもありますので、上手にストレスを発散して、出来るだけ規則正しい生活を送るように心がけましょう。

まとめ 生理前のめまいが気になったら専門医療機関を受診しましょう。

月経のある女性の大部分は生理前にめまいなど何らかの不快症状を感じると言われていますが、日常生活に支障を来すほど重度の症状を認める場合には月経前症候群や低血糖、鉄欠乏性貧血や更年期障害、自律神経失調症などの疾患を疑います。
症状が軽度な場合には、生活習慣の改善などで症状が改善することも多いですが、症状が重症化すると著しい気分変調を来す場合もありますので、できるだけ注意しましょう。
事前に症状が悪化しないために工夫して日々の対策を講じることが重要なポイントです。
いつからひどい症状が出現して続くのかをセルフチェックした上で専門医療機関の担当医に相談して、適切な診断や治療に結び付けてもらうようにしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

「生理前にめまいがする」症状で考えられる病気

「生理前にめまいがする」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

代謝内分泌内科の病気

  • 低血糖

総合内科の病気

生理前に眩暈が起こる原因には、内科的な問題だけではなく、精神的な問題も多く考える必要があります。

「生理前にめまいがする」に似ている症状・関連する症状

「生理前にめまいがする」と関連している、似ている症状は13個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「生理前にめまいがする」症状の他にこれらの症状がある場合でも「月経前症候群」「更年期障害」「自律神経失調症」「低血糖」「鉄欠乏性貧血」などの疾患の可能性が考えられます。いらいらしたり、他者を攻撃したり、引きこもったりする症状が見られる場合には、早めに医療機関を受診しましょう。