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「嚙んでないのに舌から血が出る」原因や考えられる病気はご存知ですか?

「嚙んでないのに舌から血が出る」原因や考えられる病気はご存知ですか?

嚙んでないのに舌から血が出るとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

「嚙んでないのに舌から血が出る」症状で考えられる病気と対処法

特に舌を噛んでしまった覚えはないのに舌から血が出る症状に悩んだことはありませんか?このような症状には注意が必要です。以下で詳しく解説します。

嚙んでないのに舌から血が出るの症状で考えられる原因と対処法

噛んでいないのに舌から血が出る症状の場合、舌炎の可能性が考えられます。
舌炎とは、口腔粘膜の炎症性疾患のなかで、その病変が舌に限局している疾患を指します。そのため口内炎とは区別されます。特徴的な症状は舌の痛み、腫れ、赤み、味覚異常や食事の際の不快感であり、出血を起こすこともあります。主な原因は感染症(細菌やウイルス、真菌など)、栄養不足(特にビタミンB群;B12、葉酸、リボフラビン)、機械的刺激(舌を噛む、粗い食べ物、熱い飲食物、あるいは歯の鋭い縁による繰り返しの刺激など)、化学物質(タバコやアルコール、過度の口内洗浄剤の使用など)、自己免疫疾患、心理的ストレスなどが考えられています。
診断は、医師が患者の口腔内を視診することで行われます。必要に応じて血液検査を行い、栄養不足や感染症など原因疾患がないか調べるのが一般的です。
舌炎は適切な治療と口腔ケアにより改善することがほとんどですが、症状が長引く場合や改善が見られない場合は、医療機関を受診しましょう。専門科は歯科や口腔外科です。緊急性はないので日中に受診してください。

すぐに病院へ行くべき「嚙んでないのに舌から血が出る」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

舌からの出血が頻繁にみられる場合は、歯科、口腔外科へ

噛んでないのに舌から血が出る症状が1回や2回程度ではなく、何度も頻繁にみられる場合は、後に解説する舌がんの可能性があります。
また仮に舌がんでなくとも、軽い舌炎ではなく何らかの治療介入が必要な炎症が起きていると考えられますので、早めに医療機関を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「嚙んでないのに舌から血が出る」ときのセルフチェック法

・嚙んでないのに舌から血が出る以外に口臭がある場合
・嚙んでないのに舌から血が出る以外に舌に痛みがある場合
・嚙んでないのに舌から血が出る以外に舌にしこりがある場合

「嚙んでないのに舌から血が出る」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「嚙んでないのに舌から血が出る」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

舌がん

舌がんとは唇、舌、口の内側、歯茎、口蓋や口腔の底部など、口の中の部分に発生する悪性の腫瘍(口腔がん)の中で最も多いがんです。初期の舌がんは、痛みや自覚症状が少ないため、気づかないことが多いです。しかし、進行すると食事の際の痛みや、舌にしこりができる、舌から出血する、口臭の悪化などの症状が現れることがあります。
喫煙やアルコールの過剰摂取、不衛生な口腔状態、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染などがリスクとされていますが、これらに該当しない方も発症する可能性はあります。
診断には、口腔内の視診、触診のほか、生検(疑わしい組織の一部を取り出して顕微鏡で調べること)が不可欠です。画像検査にはエコー(超音波検査)、CT、MRIが用いられ、腫瘍の大きさや深さ、他の組織への広がりを評価します。
治療としては、腫瘍の大きさや位置、患者さんの全身状態を考慮した上で、手術や放射線治療、化学療法が選択されます。小さい腫瘍であれば、手術による摘出が一般的です。腫瘍が大きい場合や他の組織に広がっている場合は、より広範囲の手術が必要になることがあり、その後の再建手術で機能や外見の回復を図ります。また、手術が適応できない場合には、放射線療法や化学療法が主な治療となることもあります。舌癌の早期発見と治療は予後を大きく左右するため、上記のリスク(喫煙、アルコール過剰摂取、不衛生な口腔状態、HPV感染)を持つ方、そして口の中に痛みや異常を感じた方は、歯科や口腔外科を受診し、早期発見と早期治療を受けることが大切です。

「嚙んでないのに舌から血が出る」ときの正しい対処法は?

これをすれば症状が落ち着くというものはありません。特に噛んでもいないのに舌から血が出るというのは不自然な現象ですので、自力で対処しようとせず、医療機関で相談しましょう。
受診の際は、日頃飲んでいる内服薬やサプリメント、家族に癌になった人はいるか、喫煙歴やアルコール摂取の状況などを答えられるようにしておくと、診察がスムーズです。
これらの情報が、舌からの出血の原因を探るヒントになります。

「嚙んでないのに舌から血が出る」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「嚙んでないのに舌から血が出る」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

嚙んでないのに舌から血が出るのは何科の病院を受診したらよいですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

歯科や口腔外科を受診しましょう。

嚙んでないのに舌から血が出る原因は何がありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

感染症や栄養不足、機械的刺激、化学物質、悪性腫瘍、薬剤、自己免疫疾患、心理的ストレスなどが考えられます。

まとめ 嚙んでないのに舌から血が出るのは歯科・口腔外科で相談

今回は噛んでいないのに舌から血が出る症状について解説しました。特に噛むといった外傷がなく舌から出血が見られることは通常起こらないので、何らかの疾患が隠れている可能性を考えて、早めに病院受診することをお勧めします。

「嚙んでないのに舌から血が出る」症状で考えられる病気

「嚙んでないのに舌から血が出る」から医師が考えられる病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

噛んでいないのに舌から血がでる症状の場合、やはり疑うべきは舌癌です。この検査には専門的な診断が必要ですので、症状を自覚された際は早めに受診しましょう。

「嚙んでないのに舌から血が出る」に似ている症状・関連する症状

「嚙んでないのに舌から血が出る」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 味覚がおかしい
  • 口臭が臭くなったと指摘された

「噛んでないのに血が出る」以外に上記の症状の場合も、舌炎や舌がんの可能性は考えられます。症状が複数見られる場合は、早めに医療機関を受診してくださいね。