「歯の黄ばみ」の原因とは?取る方法も医師が解説!
歯磨きをしているのに歯が黄ばんでしまうのは、何が原因なのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる原因や病気・日常でできる予防法や対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院に相談してください。
監修歯科医師:
上之郷 奈菜 歯科医師
2020年 東京医科歯科大学病院臨床研修医修了
神奈川県開業医にて勤務後、
愛知県医療法人正翔会
岡崎エルエル歯科・矯正歯科
葵デンタルデザインオフィス
名古屋みなみ歯科・矯正歯科 に勤務中
「歯の黄ばみ」の対処法と考えられる原因・病気
歯が黄ばんできたと感じることはありませんか?いろいろな原因で歯は汚れて色がついてしまいます。その原因について説明していきます。
歯が黄ばんでいるときに考えられる原因と対処法
歯は、加齢、むし歯、色の濃いものの飲食、タバコなどにより色がつきます。むし歯でなければ、痛みなどの症状がでることはありませんし、緊急を要することはありません。むし歯以外の黄ばみの対処方法はさまざまですが、代表的な方法は、歯科医院でのクリーニング、ホワイトニングです。
加齢による歯の黄ばみの対処法
歯は加齢により、半透明色の一番外層のエナメル質は薄くなり、その内側にある少し黄色い組織である象牙質が厚くなってきます。そのため年をとると、厚くなった象牙質が透けて見えやすくなり、歯はだんだん黄色くなったように感じます。この場合は歯科医院のクリーニングでは白く戻ることはありません。気にならなければ問題ありませんが、白くしたい場合は歯科医院でホワイトニングが必要です。
食べ物・飲み物・タバコによる歯の黄ばみの対処法
カレー、シチュー、ワイン、コーヒーなど色がついた食べ物や飲み物は、歯に着色しやすいです。タバコも同様、ヤニにより歯に色がつきます。ご自身の歯磨きでもある程度除去することはできますが、歯科医院にある着色除去用の研磨剤や専用の機械で磨くとさらに除去することができます。着色が付きやすい方は、色がついたものを飲食した後に、歯磨きをする、厳しい場合は水でうがいをすることで、着色しにくくなります。
歯の磨き残しで歯が黄ばむ症状の対処法
口腔内の清掃不足により汚れが溜まり、歯垢(プラーク)や歯石により、歯が黄ばんできます。プラークであれば、ご自身の日々の歯磨きで除去することはできますが、それが石灰化し固まると歯石となり、自分では取り除けなくなります。歯科医院で定期的に細かい磨き残しを除去するようにしましょう。3~6か月おきがお勧めです。
すぐに病院へ行くべき「歯の黄ばみ」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
自分で除去できない黄ばみの場合は、歯科へ
歯磨きで落ちない黄ばみを無理して自分で落とそうとすると、歯を傷つけてしまう場合があります。歯垢以外の黄ばみは一度歯科医院でどのように対処したらいいか相談しましょう。
「歯の黄ばみ」に関する症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「歯の黄ばみ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
歯周病
歯周病とは、歯周病原細菌が歯垢や歯石に沈着し、歯茎の周りに炎症を引き起こし、歯周組織を破壊する病気です。成人のほとんどは、程度に差はあれ、歯周病に罹患していると言われています。プラークは白~黄色、歯石は白~黄色~茶黒色をしています。歯周病は重度になると、歯を支えている周りの骨が溶けてしまい、歯がぐらぐらして、最終的には歯が自然に抜けてしまいます。歯垢や歯石による黄ばみは必ず歯科医院で除去するようにしましょう。
虫歯
歯に汚れがたまり、その中にいる細菌が、酸を出し、歯を溶かすことでむし歯が発生します。むし歯は一度できると、自然に治ることはありません。むし歯は、白~黄色、茶褐色~黒色まで様々です。COやC1と呼ばれる小さいむし歯は経過観察で問題ありませんが、それ以上に大きいむし歯は早めに歯科医院で治療が必要です。
「歯の黄ばみ」の正しい対処法は?
飲食などの着色や歯垢は、自身の歯磨きである程度除去することができます。歯ブラシを小刻みに動かし、毎食後、寝る前に5分以上の歯磨きをしましょう。また、歯科医院の定期健診で細かい汚れを除去しましょう。
加齢による黄ばみ、もともとの歯の色が黄色い方はどんなに歯磨きをしても黄ばみは戻りません。この場合は、歯科医院でのホワイトニングをお勧めします。
ホワイトニングとは、主に過酸化水素(または過酸化尿素)という成分によって、歯そのものの色素を分解し、色を白くします。ホワイトニングは、主に自宅で行うホームホワイトニング、歯科医院で行うオフィスホワイトニングの2種類があります。
市販のホワイトイング用の歯磨き粉は基本的に歯の汚れや着色を落とすことを目的としています。歯そのものの色を白くしたい場合、歯磨き粉では困難です。
他にも失活歯(神経を失った歯)の色が気になる場合には、歯科医院でのウォーキングブリーチという方法で歯を白くすることができます。
「歯の黄ばみ」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「歯の黄ばみ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
歯が黄ばんでいる場合、歯医者ではどのような治療をするのでしょうか?
上之郷 奈菜 歯科医師
前述のとおり、黄ばんでいる原因によりますが、主にむし歯治療、クリーニング、ホワイトングなどの処置を行います。
歯の黄ばみを簡単に白くするセルフケア方法はありますか?
上之郷 奈菜 歯科医師
歯の表面の汚れや着色で黄ばんでいる場合は、自身の歯磨きで除去することができます。また、着色除去に特化した歯磨き粉を使用することもお勧めです。
高校生で歯が黄ばんでしまう場合どんな原因が考えられますか?
上之郷 奈菜 歯科医師
むし歯、またはもともとの歯の色味が黄色いことが考えられます。
生まれつき歯が黄ばんでいるようです。放置しても大丈夫でしょうか?
上之郷 奈菜 歯科医師
むし歯や歯の汚れでなければ、特に問題はありません。
まとめ
黄ばみの原因はさまざまです。
特に前歯が黄ばんでいるのと白く綺麗であるのでは、笑ったときの印象が変わって見えます。気になったら歯科医院に相談してみましょう。
「歯の黄ばみ」で考えられる病気と特徴
「歯の黄ばみ」から医師が考えられる病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
歯科の病気
- むし歯
- 歯周病
黄ばみについて気になったことがあれば、歯科医院に相談しましょう。
「歯の黄ばみ」と関連のある症状
「歯の黄ばみ」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 歯が黄色い
- 歯の着色
- 歯の汚れ
- 歯茎が黒い
「歯の黄ばみ」の他に、これらの症状が見られる際は、「むし歯」や「歯周病」などの病気の存在が疑われます。
痛みがひどい場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。