

渥美先生
現在は現役時代と比べて食生活は変わりましたか?
秀ノ山親方
減らさないといけないなと思いながら、あまり変わっていません。
渥美先生
稽古がなくなった分、自主的に運動はされていますか?
秀ノ山親方
自主的に歩こうという気持ちはあるのですが、なかなか動けていないというのが現状です。今日を機に意識を高めて行動したいと思います。
渥美先生
引退後に体重は減りましたか?
秀ノ山親方
現役時代は180~190kgありましたが、現在は160kgです。引退後は半年かけて10kg落とすことを目標に歩くことや食事制限をしました。
渥美先生
実際に運動や食事制限をしてみて、どう感じましたか?
秀ノ山親方
今までの摂取カロリーを計算することが恐ろしく感じました。
渥美先生
食事制限はどれくらいのカロリーを目標にしていましたか?
秀ノ山親方
3000kcalを目標にしましたが、普段のおやつの量で満腹にはなりませんでした。
渥美先生
現役時代の摂取カロリーを計算すると相当な量になると思います。運動についてはいかがですか?
秀ノ山親方
毎日1万歩を目指したのですが、消費カロリーは400〜500kcal程度であることを知り衝撃を受けました。食事の重要性を実感しましたね。
渥美先生
がっかりしますよね。ただし、運動はカロリー消費だけでなくインスリンの効きを良くするなどのメリットもあるので、ぜひ続けていただきたいですね。睡眠時間は現役時代と比べて変化しましたか?
秀ノ山親方
夜12時くらいに寝て7時には起きるので、7〜8時間は寝られていると思います。睡眠時間が短くなると暴飲暴食をしてしまう気がするのですが、なぜだと思いますか?
渥美先生
睡眠時間の減少で食欲を増すホルモンが分泌されるからだと思います。弟子の健康面で心がけていることはありますか?
秀ノ山親方
食事は管理栄養士にメニューを見ていただきながら管理しています。布団が薄いと体に負担もかかるので、睡眠で心がけていることはマットレスを使用することで睡眠の質を向上させることですね。入門当初には健康診断とは別に全身の検査をしています。
渥美先生
定期的な健康診断だけでなく、入門時にしっかりと自分の体を知る機会があるのはとても良いことですね。
秀ノ山親方
糖尿病になりにくい食事の方法はありますか?
渥美先生
量をしっかり制限することが重要なのですが、力士の生活では難しい部分もあると思います。タンパク質や脂肪、炭水化物のバランスには気を付けていただきたいですね。
秀ノ山親方
ちゃんこ鍋についてはいかがですか?
渥美先生
ちゃんこ鍋は鶏肉を使うことが多く、野菜も摂取でき調理に油を使わないので、非常にメリットがあると思います。
秀ノ山親方
疲れていると無性に炭水化物を食べたくなってしまうのですが、対処法を教えていただきたいです。
渥美先生
最初にちゃんこ鍋を食べて最後にお米を食べるよう順番を意識していただくと良いと思います。ちゃんこ鍋にジャガイモや里芋などは入れますか?
秀ノ山親方
入れませんね。
渥美先生
炭水化物はご飯やうどん、パンなど主食のイメージがあると思うのですが、芋類も炭水化物にあたるので、そういった点にも注意してください。サラダだと思っていてもポテトサラダは炭水化物です。
秀ノ山親方
本当ですか? そんなトラップがあるとは思いませんでした。知識って大事ですね。
渥美先生
ここで糖尿病のリスクとなる生活習慣についてのチェックリストを作成し、親方にも回答いただきましたのでご紹介します。前半7問は糖尿病のリスクについて見ています。絶対に糖尿病を発症するわけではないですが、過半数の4つ以上当てはまる場合は糖尿病のリスクが潜んでいる可能性もあるので注意していただきたいですね。後半3問は糖尿病が進行した際の症状です。特に前半のチェック項目で当てはまる点が多く気になる症状もある方は、早めの受診が大切だと思います。
渥美先生
親方の回答結果を振り返ると、食事については朝食を抜いてしまうことが当てはまりますね。
秀ノ山親方
そうですね。
渥美先生
細切れでも良いので1日8000歩以上歩くことが大切なのですが、普段はどれくらい歩いていますか?
秀ノ山親方
スマートフォンの万歩計を見ると、昨日は2000歩弱ですね。
渥美先生
歩数をもう少し増やせると健康的になると思います。
秀ノ山親方
こんなに歩いていないのだなと気付き驚きました。今後は意識的に歩くようにします。
渥美先生
親方は夜中にトイレで起きるようなこともありますか?
秀ノ山親方
夜1、2回起きますね。
渥美先生
夜だけであれば大丈夫だと思うのですが、頻尿や尿量の増加は血糖値が高いサインの可能性もあるので気を付けてください。
秀ノ山親方
今回の対談で食事に関しては意外なトラップがあることを知りました。自分の運動量が足りていないことにも気付いたので、生活を見直していきたいと思います。
渥美先生
ぜひ頑張ってください。
秀ノ山親方
今後も知識を得ることで、私の健康だけでなく預かった弟子も健康的に強くなれるよう指導していきたいと思います。ありがとうございました。