
山口先生
竹山さんは実際にどのような治療を受けましたか?
竹山さん
約30年前に発症し、約10年間にわたり複数の医療機関で内服薬や外用薬の治療を受けたものの、大きな改善は感じられませんでした。治療はどのように行いますか?
山口先生
活動性の程度や病変の深さ、機能障害の有無を総合的に評価し、外用薬で経過観察が可能か、あるいはより積極的な治療が必要かを個別に判断します。病変が浅く関節をまたがない場合には外用薬が有効とされることも多く、さらに紫外線の一部を用いた光線療法を併用することで、皮膚の硬さの改善も期待できる場合があります。
竹山さん
外用薬や光線療法以外には、どのような治療方法がありますか?
山口先生
線状強皮症のように病変が深部に及ぶ場合、外用薬では十分な効果が得られにくいため、ステロイドや免疫抑制薬などの全身療法が検討されます。皮膚硬化の改善のほか、進行を抑制する効果が期待できます。
竹山さん
へこみは改善しますか?
山口先生
すでに瘢痕化して硬く深くへこんでしまった場合は、外用薬や内服薬での改善が難しく、整容面の改善を目的とした治療が中心となります。
竹山さん
私もへこみに対しては、手術などの外科的治療が中心になると説明を受けました。
山口先生
外科的治療は、病変に活動性が残る段階で行うと再燃のリスクがあるため、慎重な判断が必要です。まず活動性がないことを確認したうえで実施します。治療内容としては、硬化した皮膚の切除に加え、深部病変にはインプラントや自家脂肪注入などの形成外科的手法が用いられます。
竹山さん
なるほど。現在の医学で、完治することは可能なのでしょうか?
山口先生
現時点では完治は難しいとされており、病状をコントロールして進行を抑えることが治療の主な目的です。臓器や症状に応じた治療法は、一定程度確立されています。
竹山さん
私が発症してから20〜30年の間で治療は進歩しているのですね。
山口先生
そうですね。
竹山さん
過去に病変の活動性がないと言われた場合でも、一定期間を空けての再受診は必要ですか?
山口先生
長期間にわたり病気の活動性がなくなっていた後に、再び活動性のある病変が出現する場合もあります。特に小児期発症の線状強皮症では再発率が高くなります。竹山さんは小児期発症ではありませんが、症状に変化がみられた際には受診をご検討ください。
竹山さん
症状があれば受診が望ましいですね。
山口先生
そうですね。外用薬で対応可能な軽症例であればクリニックでの診療が可能ですが、線状強皮症や多発例では精査や再発への対応も含め、専門医受診が望ましいと考えられます。
竹山さん
強皮症を適切に診断し対応できる医師は多いですか?
山口先生
全国に強皮症専門の医療機関が点在しており、ガイドラインも適宜更新・共有されていることから、以前に比べ医師の理解は広がっていると考えられます。
竹山さん
治療法に加え、医師の知識や経験も進歩していて、個々の症例に応じた対応が以前より可能となってきているのですね。
山口先生
そうだと思います。竹山さんは限局性強皮症が生活にどのように影響していますか?
竹山さん
正直なところ、多少は不自由ですね。特に仕事上では、額を出す髪型で出演することが難しく、時代劇でも前髪を下ろすスタイルになることで支障を感じています。
山口先生
仕事柄、大変な部分ですよね。
竹山さん
そうですね。ロケ中は風に吹かれて患部が見えると、余計な関心を集めてしまうのではないかと感じることがあります。一方で、私をきっかけに病気の認知が広がる意義もあると感じています。公表については患者によって受け止め方も異なるので、そのバランスも悩ましい点ですね。
山口先生
難しい点ですね。そういった心境の中で病気を公表しようと思ったきっかけはありますか?
竹山さん
SNSを通じて同じ病気の人から相談を受けたことで、病気を隠さず発信することが受診を考える一つのきっかけにもなるのではないかと感じたからです。
山口先生
医師としても重要な発信だと感じます。
竹山さん
今日の対談を通じて、治療や医師の理解も広がっていることが分かり、以前よりも安心して希望が持てるようになりました。