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【NEWS】マイナンバーのプライバシー保護策に、受付での顔認証システム(医師コメント3件)

 更新日:2023/03/27

2016年に導入されたマイナンバー制度。厚生労働省は、マイナンバーカードを保険証としても使えるようにする意向で、2021年春の実施に向けた整備が進められている。その一方、ICチップに埋め込まれた個人情報を、受付とはいえ、他人の手に委ねてしまう危険性が懸念されている。

そこで政府内に浮かび上がってきたのが、マイナンバー情報の事前登録による顔認証システムの導入だ。その仕組みは、マイナンバーカードの顔写真とカメラに写った本人の顔を、専用の機器で照合するというもの。これにより患者は、マイナンバーカードを手放すことなく、受付などでの本人確認ができる。

マイナンバーカードの保険証利用については、かつてより、医療機関側から強い反発が寄せられていた。本システムの検討は、こうした、とまどいの声に反応したものといえるだろう。また、1割強でとどまっているマイナンバーカードの普及率をてこ入れしていく動きも垣間見える。顔認証システムは今後、空港内での簡易手続きなどにも導入される見込み。2020年に開催を予定している「東京五輪・パラリンピック」が、大きな契機となりそうだ。

医師のコメント

  • 眞鍋 憲正(整形外科・スポーツ医学医)

医療機関側が反発する理由のひとつにオンラインでの保険請求システムを持っていない医療機関がまだ多数いることがあります。そのため、この制度が導入された場合、新たにマイナンバーと保険証を照会するシステムの導入に費用がかさむことが反対の理由なようです。しかし一方で、記事にあるように政府としてはマイナンバーカードの普及率をてこ入れしたい思惑があります。今後もこの制度については議論をよぶでしょう。

  • 武井 智昭(小児科・内科医)

マイナンバーカードの取得率がまだ1割程度という現状では、保険証としてマイナンバーを利用することは困難であります。その一方で、保険証のみならずお薬手帳などの機能を付随することも、薬剤の過剰投与などに対しての適正利用として考慮してよいかと思われます。

  • 田嶋 美裕(内科医)

プライバシー保護の観点では、顔認証や静脈認証などの生体認証システムは有効かと思います。初期コストは非常に高くなってしまいそうですので、一部の大病院しか導入できない、というような事態になってしまわないか、懸念されます。税金を投入して行う事業なので、広く普及するようにして頂きたいと思います。