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【NEWS】死後の脳を一部働かせることに成功 ブタの実験(医師コメント3件)

 更新日:2023/03/27

米エール大などのチームが4月17日に英科学誌に発表したところによると、死後4時間経過したブタの脳に血液の代わりとなる液体を送って循環させると活動する細胞がみつかったという。

脳は一度血液がいかなくなるとすぐに機能しなくなってしまうといわれているが、今回の成果で例外となる細胞があることがわかった。こちらの研究がすすめば、一定程度にはなるが脳死や心停止に陥った人への助けとなる可能性があるという。また、脳梗塞への治療にも応用できる可能性があるとのこと。

医師のコメント

  • 田嶋 美裕(内科医)

一度血流が行かなくなった脳に対して、再度血液の代わりになる液体を送ることで活動する細胞が現れるという発見は、とても画期的なことかと思います。脳の細胞は一度死んでしまうと、ほとんど再生しないと考えられていましたが、このような研究が進めば、脳死や植物状態の患者さんを助けることができるかもしれません。

  • 武井 智昭(内科医・小児科医)

脳の組織は、一度壊死をしてしまうと再生が困難であり、残された機能を最大限に使うリハビリがメインとなっています。今回の動物実験によって、再生が困難である脳の他、心臓などにも応用が可能となると考えられ、再生医学の発展に大きく貢献するものと思われます。

  • 眞鍋 憲正(整形外科医・スポーツ医学担当)

これまで脳細胞をはじめとする神経細胞は一度重篤なダメージを負った場合、回復しないという考えが一般的でした。しかし、最近では脊髄損傷を治療する薬が保険適用となったり、この記事のように一度死んでしまったと思われる脳細胞が回復する可能性が出てきたりと、実は想像以上に強い回復力があることがわかってきています。ぜひ研究がすすんで、これまで苦しんでいた患者さんたちが救われることを願います。