【NEWS】258グラムで誕生 世界最小の赤ちゃん無事退院(医師コメント3件) 更新日:2023/03/27 昨年10月に体重258グラムで誕生した関野竜佑さんが4月20日、生まれた長野県立こども病院から元気な姿で退院。同病院によると、異常なく退院できた男児としては世界最小とのこと。 生まれたときの体重が1000グラム未満の赤ちゃんは超低出生体重児とよばれるが、300グラム未満になると救命率が低くなるといわれている。身体機能が未熟な為、関野さんは当初から新生児集中治療室(NICU)で厳重に管理された。時には便の詰まりから腸が破れそうになる危機もあったが、手術なしで乗り越えるなど、順調に成長。19日時点で3374グラムまで成長し、無事に退院することができた。 医師のコメント 加藤 智子(産婦人科医) 近年、高度不妊治療の技術も向上し、リスクの高い背景がある方も妊娠に至られます。そうではなくとも妊娠中は急に起こる妊娠性疾患もあり、いつ妊娠が中断してしまってもおかしくありません。可能な限り満期に達することが重要ですが、生命第一ですので、早産となる可能性もあります。なるべく後遺症のないように児を救命すべく今日も小児科医や婦人科医は闘っています。 松浦 恵(小児科医) 日本の新生児医療は紛れもなく世界トップクラスであり、今回のニュースは新生児医療に関わるスタッフの努力や医療システムの成果のあらわれだと思います。こうした医療を行う背景には高額な医療費、24時間体制で管理を行う医師やコメディカルの労働力というものが必須です。医師の働き方改革を進めていく中でも必要なところに必要な労働力がいきわたるようなシステムの構築が大切だと思います。 田嶋 美裕(内科医) 出生体重258gで生まれた赤ちゃんが、無事に退院できたとのこと、本当に良かったです。生存率がきわめて低い状態で生まれて、ご家族や医療スタッフも日々のケアにご苦労されたことと思われます。この赤ちゃんを救えたことで、日本の新生児医療のレベルがとても高いことが世界中に知られたのではないでしょうか。 この記事をシェアする