【NEWS】人工透析中止の「撤回」求めるも再開されず 公立病院で女性死亡(医師コメント2件) 更新日:2023/03/27 公立福生病院(東京都福生市)で昨年8月、腎臓病で人工透析を受けていた患者の女性(当時44歳)に対し透析中止の選択肢を提示し、患者側が同意、およそ1週間後に中止撤回を希望したが担当医は再開せず、翌日に女性は死亡していたことがわかった。 病院によると女性は「末期腎不全」と診断されていたが、透析を継続していれば4年前後生きられた可能性があったという。 日本透析医学会のガイドラインでは、人工透析を見合わせた患者またはその家族が透析の再開を希望した場合、その意志を尊重し病院は透析を再開するとされている。 また、病院は他に20人の透析中止を選択した患者がいると説明しており、都は今後、事実関係の調査と一連の医療行為が適切だったかの調査をおこなうとしている。 医師のコメント 田中 千陽(心臓血管外科専門医) 旭川医科大学心臓外科 助教 本件では、学会が提唱する維持透析見合わせの意思決定プロセスをきちんと踏んでいるか疑問である。 維持透析中止は死に直結することを判断能力のある患者、家族が完全に受け入れ、慎重に意思決定することが求められる。 決定には時間がかかると思われるが、その中で20人強の透析中止は非常に多いという印象ではある。 そもそも患者の状況が悪く本人が強く透析中止を求めたとしても、維持透析を中止することは医療従事者にとって非常に辛い決断であり、現場でどのようなプロセスで意思決定がなされ、また透析再開をしないという決断を下されたのかを知りたい。 竹中 美恵子 女医によるファミリークリニック 患者様側の主張ばかり正しいように感じられるが透析は右から左にすぐできるというものではなくて中断していたらそれだけやるリスクも高い。 やりたいと再開したいと言われてできるようになるまで時間を要するので、急いでいても間に合わなかった可能性も十分に考えられる。 医者側だけが非難される事件なのかは疑問である。 この記事をシェアする