愛知・東京で「麻疹の感染者」を相次いで確認 知っておきたい予防・感染対策のポイントとは【医師監修】

愛知県豊橋市と東京都で麻疹(はしか)の感染が相次いで確認され、公共施設や駅の利用歴から感染拡大が懸念されています。麻疹は極めて強い感染力を持ち、空気感染するため手洗いやマスクだけでは完全な予防が困難です。重篤な合併症を招く恐れもあり、一人ひとりがワクチン接種歴の確認など適切な対策を講じることが重要です。今回、麻疹の特性や疑わしい症状が出た際の正しい行動について、増田先生に詳しく伺いました。
※2026年2月取材。

監修医師:
増田 道明(医師)
目次 -INDEX-
愛知・東京で麻疹(はしか)の感染者が相次ぐ。発表された詳細な状況は?
編集部
愛知県と東京都が発表した内容を教えてください。
増田先生
さらに、東京都においては、30歳代の男性患者さんが感染者として確認されています。この患者さんは2月1日に発症しており、主な症状として発熱、発疹、咳、のどの痛み、そして麻疹に特徴的なコプリック斑が認められています。渡航歴はなく、ワクチンの接種歴については現時点で不明とされています。この患者さんは感染させるおそれがある時期に不特定多数の方と接触した可能性があり、1月31日に、東京駅内の施設を利用していたことが分かっています。
ウイルス界最強の感染力。「麻疹」の諸症状と合併症の恐ろしさ
編集部
今回の発表に関連する麻しんについて教えてください。
増田先生
感染経路は、感染者への直接接触のほか、咳や息に含まれるウイルスが空気を介してうつることもあります。感染後は10〜12日間の潜伏期間を経て、高熱・咳・鼻水が数日続き、口の中に白い小さな発疹(コプリック斑)が現れます。その後、熱は一時的に下がりますが再び上昇し、首や顔、そして全身に赤い発疹が広がります。通常は7〜10日で回復しますが、中耳炎や肺炎などの合併症を引き起こすこともあり、まれに脳炎や肺炎で死亡するケースもあります。
治療は症状を和らげる対症療法が中心となります。予防には予防接種が最も有効であり、確実な予防効果のためには2回の接種が必要です。麻疹は手洗いやマスクでは防げないこともあるので、未接種の方はぜひワクチンを接種しましょう。
「正しく恐れる」ことが大切。二次感染防止とワクチンの重要性とは
編集部
愛知県と東京都が発表した内容への受け止めを教えてください。
増田先生
麻疹は、通常は発疹が出てから1週間〜10日ほどで治る病気ですが、1000人に1人ぐらいは合併症などで亡くなる場合があります。また、10万人に1人ぐらいは麻疹が治ってから数年後に亜急性硬化性全脳炎という続発症で命を落とすこともあります。日本では、1歳児と小学校入学前年の児童に定期予防接種をおこなっています。「たかが、はしか」と油断せずに予防接種を受けるようにしましょう。
編集部まとめ
今回、愛知県と東京都で麻疹の感染者が相次いで確認されたことは、決して遠い話ではありません。麻疹は感染力が非常に強く、同じ空間にいるだけで感染するリスクがあります。過度に恐れる必要はありませんが、体調に異変を感じたら、まず医療機関に電話で相談し、感染拡大を防ぐ行動を心がけましょう。また、予防接種も有効です。

