「認知症」の約40%は予防できる可能性が? 改善可能なリスク要因を検証した結果を医師が解説

東海大学医学部の研究員らは、改善可能な14のリスク要因が「認知症」にどの程度関与するか、日本のデータをもとに調査しました。全体では38.9%がこれらの要因に関連するとされ、予防の余地がある可能性が示されています。特に難聴、身体活動不足、高LDLコレステロールの影響が大きいと報告されています。この結果について、勝木先生にお話を伺いました。
※2026年1月取材。

監修医師:
勝木 将人(医師)
研究グループが発表した内容とは?
編集部
東海大学医学部の研究員らが発表した内容を教えてください。
勝木先生
その結果、14要因の加重平均PAFは38.9%となり、日本の認知症は約10例中4例が予防可能である可能性が示されました。寄与が大きい要因は「難聴(6.7%)」「身体活動不足(6.0%)」「高LDLコレステロール(4.5%)」でした。全要因を10%削減できれば約20万8000例、20%削減できれば約40万7000例の認知症を将来的に予防できる可能性があり、今後は聴覚ケアや身体活動、脂質代謝の健康を優先した取り組みが重要だと解釈されています。
研究テーマになった“認知症”とは?
編集部
今回の研究テーマに関連する認知症について教えてください。
勝木先生
研究内容への受け止めは?
編集部
東海大学医学部の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。
勝木先生
まず、会話が聞き取りにくい・テレビの音量が上がったと感じたら聴力検査を受け、必要に応じて補聴器や聴覚リハビリにつなげコミュニケーション維持ができるようにすること。運動は激しいものである必要はなく、歩く時間を増やすなど「続けられる形」を作ることが大切です。さらに健診でLDLや血圧、血糖が高めと言われた場合は、主治医と相談し、生活習慣の見直しと必要な治療で整えていきましょう。
認知症は進行すると元に戻すのが難しいことも多いため、症状が出てから慌てるのではなく、若い世代から“できること”を積み重ねる姿勢が重要です。将来のリスクを少しでも下げるために、家族ぐるみで健康につながる日常を続けることが近道だと思います。
編集部まとめ
東海大学医学部の研究グループは、日本のデータを用いて、認知症に関わる改善可能なリスク要因の影響を推定しました。結果として、認知症の約4割は予防の余地がある可能性が示されました。聞こえにくさの違和感を放置せず、体を動かす習慣と健康状態のチェックを意識しましょう。




