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「ラーメン」の食べ過ぎは命に関わる? “週3回以上”で死亡リスク増加 最新研究が関連を示唆

 公開日:2025/09/05

山形県立米沢栄養大学の研究員らによる報告で、ラーメンを週3回以上食べる人は、そうでない人に比べて死亡リスクが高い傾向を示すことが明らかになりました。特に男性や70歳未満の人、またスープやアルコールを多く摂取する人では、リスクの上昇が目立ちました。この内容について松澤医師に伺いました。

松澤 宗範

監修医師
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)

プロフィールをもっと見る
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会

ラーメンに関する最新の研究内容

山形県立米沢栄養大学の研究員らが発表したラーメンに関する研究内容を教えてください。

松澤 宗範 医師松澤先生

山形県立米沢栄養大学の研究員らは、ラーメンの摂取頻度と死亡リスクの関連についての調査を実施しました。対象は40歳以上の6725名で、摂取頻度を「月1回未満」「月1〜3回」「週1〜2回」「週3回以上」の4群に分類し、Cox比例ハザード分析を用いて解析がおこなわれました。 研究の結果、ラーメンの摂取頻度が高い人は、BMIが高く、比較的若年層で男性が多く、喫煙や飲酒の習慣があり、糖尿病や高血圧を有する割合が高いことが示されました。多変量解析では「週3回以上」群は「週1~2回」群に比べて死亡リスクが高い傾向を示しましたが、統計学的に有意ではありませんでした(ハザード比1.52、95%信頼区間0.84~2.75)。しかし、サブグループ解析では、男性や70歳未満の人、また麺類のスープやアルコールを半分以上摂取する人において、死亡リスクの上昇がみられました。 これらの結果から、ラーメンの頻繁な摂取は特定の層において健康リスクと関連する可能性が示唆されました。本研究は、日本の地域住民を対象にしたものであり、ラーメン摂取と生活習慣病や死亡リスクとの関連を明らかにする上で重要な知見を提供しています。

ラーメンを食べる適切な頻度や食べ過ぎリスク、毎日食べるとどうなる?

ラーメンを食べる適切な頻度や食べ過ぎのリスクについて教えてください。毎日食べるとどうなりますか?

松澤 宗範 医師松澤先生

ラーメンは手軽で美味しい料理ですが、炭水化物や脂質、塩分が多く含まれており、栄養バランスが偏りやすいメニューです。さらに、麺類は噛まずに飲み込みやすいため、早食いにつながり、食べ過ぎや血糖値の急上昇、体重増加の原因になることがあります。そのため、ラーメンは毎日食べるのではなく、理想的には週に1〜2回程度にとどめるのが望ましいとされています。 ラーメンを毎日食べ続けると、塩分やエネルギーの過剰摂取となり、高血圧や生活習慣病などのリスクが高まる可能性があります。ラーメンを楽しむときには、スープを飲み干さないようにしたり、野菜やタンパク質を加えたりして栄養バランスを整える工夫も大切です。

ラーメンは体に良い?悪い?

結局のところ、ラーメンは体に良いのでしょうか? 悪いのでしょうか?

松澤 宗範 医師松澤先生

今回の研究結果から判断すると、「ラーメン=体に悪い」と単純に言い切ることはできません。ただし、摂取の仕方や頻度によって健康への影響が変わる可能性があると考えられます。 今回の研究では、ラーメンを週に3回以上食べる人は、そうでない人と比べて死亡リスクがやや高い傾向を示しました。特に男性や70歳未満の人、スープを多く飲む人やアルコール摂取の多い人では、そのリスクが顕著にみられています。一方で、ラーメンそのものが必ずしも「悪い食べ物」というわけではありません。頻度を週1〜2回程度に抑え、スープを残す、野菜やタンパク質を加えるなどの工夫をすれば、楽しみながら健康リスクを軽減することができます。 つまり、ラーメンは「体に悪い」わけではなく、「食べ方や頻度次第でリスクになる食べ物」と言えます。バランスを意識した食べ方を心がけましょう。

編集部まとめ

ラーメンは手軽で美味しい料理である一方、食べ過ぎると肥満や高血圧、糖尿病のリスクが高まることが示されています。野菜やタンパク質を加える工夫をすれば、健康的に楽しむことも可能です。美味しさを大切にしつつ、無理なくバランスを意識して取り入れましょう。

この記事の監修医師