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忘年会は「不参加」が吉? 体調不良の引き金になる“5つのシチュエーション”を医師が解説

 公開日:2024/12/04
忘年会シーズンを乗り切る体調管理

世間では忘年会シーズンに入りはじめ、街は賑わいを見せています。そうした中、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症のニュースも、連日報じられています。忘年会シーズンを健康に乗り切るためには、どのようなことが必要なのでしょうか? 現在の感染症の状況や対策について、中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染状況は?

忘年会シーズンを迎えて会食の機会が増えていますが、感染症にはしっかりと気をつけたいところです。現在の感染症の状況について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

感染症の現状については、2024年11月18日〜11月24日までの1週間に、集計された各疾患の患者数を元に紹介します。

新型コロナウイルスの1医療機関あたりの平均患者数は1.81人でした。都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、秋田県が7.96人と最も多く、岩手県の6.37人、北海道の5.50人と続いています。

インフルエンザの1医療機関あたりの平均患者数は2.36人でした。都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、福岡県が5.79人と最も多く、山形県の5.65人、沖縄県の5.52人と続いています。

手足口病の1医療機関あたりの平均患者数は3.37人でした。都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、鹿児島県が8.80人と最も多く、沖縄県の7.34人、岩手県の6.78人と続いています。手足口病の感染者は2024年には2回ピークを迎えており、7月8日〜7月14日の1医療機関あたりの平均の患者数は13.34人、10月7日〜10月13日は1医療機関あたりの平均の患者数は10.78人でした。現在の報告患者数も例年と比べると多くなっていますが、今年経験した二度のピークと比べると減少傾向が見られます。

忘年会シーズンで気をつけるべきことは?

忘年会シーズンは、体調不良を引き起こす要素が複数ありますが、気をつけるべきことを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

まず前年度の忘年会の状況について、2023年の忘年会と2024年の新年会を「開催する」と回答した企業は、半数以上あったそうです。忘年会などの人の集まりで注意すべきことは、やはり「基本的な感染対策」となります。長時間におよぶ大人数での飲食や複数の飲食店を「はしご」することは、少人数の短時間の食事と比べて、感染のリスクが高まります。

具体的に、注意すべきシチュエーションは以下のとおりです。

  • ビュッフェ形式の食事:料理の飛沫汚染のリスクが伴います。アクリルケースで料理を覆って飛沫から料理を保護し、小皿に取り分けた状態で料理を提供することや、スタッフがサーブすることで直接接触を減らすデリショーケース方式の導入が望まれます。
  • 会食:長時間の会食は避け、小まめな部屋の換気と人との距離の確保を心がけましょう。また、会食の場でも小まめな手洗いと消毒を忘れないようにしましょう。
  • 他人との食器の共用:回し飲みや箸などの共用は避けましょう。
  • カラオケ:大声を出すカラオケでは、飛沫が飛びやすくなるため、感染のリスクが高まります。
  • 体調不良:忘年会当日に体調が優れない人は、けっして無理せず参加を見送りましょう。

感染症が流行っている中、おこなうべき体調管理方法は?

感染症が流行っている中で、実践した方がいい体調管理方法はありますか?

中路 幸之助 医師中路先生

今年から来年にかけての冬の体調管理として重要なのは、寒暖差に注意して体調を崩さないようにすることや、睡眠を十分にとり、免疫力の低下を防ぐことなどが挙げられます。ストールや帽子を使用して温度差を緩和し、外出前に室温を調整してみましょう。また、毎日同じ時間に起床・就寝することを心がけ、自律神経のバランスを整えることも大切です。忘年会・新年会などの会食では、遅くまで飲むことを避け、適度な時間で切り上げることが体調管理のポイントとなるでしょう。

編集部まとめ

今回の記事では、忘年会シーズンの感染症の状況や忘年会シーズンを健康に乗り切るポイントを伺いました。良い年の瀬と新年を迎えるためにも、忘年会シーズンに体調を崩さないよう、羽目を外し過ぎずにしっかりケアしていきましょう。

この記事の監修医師