【新型コロナウイルスワクチン】4回目接種、5月にも開始
厚生労働省の専門部会は、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種の実施を決定しました。このニュースについて中路先生にお話を伺います。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
厚生労働省の専門部会が決定した内容とは?
厚生労働省の専門家部会が4回目接種について決定した内容を教えてください。
中路先生
厚生労働省は4月25日に開かれた専門部会で、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種の実施を決定しました。3回目からの接種間隔は5カ月以上とし、当面は60歳以上と基礎疾患のある人が対象になる見通しで、5月中にも接種が始まる見込みです。2回目の接種から3回目までの間隔は6カ月以上としていましたが、重症化の予防効果が6カ月程度で落ちることなどを踏まえ、効果が切れるより前に追加接種することとしています。ワクチンはファイザー製とモデルナ製を用いることになります。
各国の4回目接種の対象は?
日本以外の4回目ワクチン接種が実施されている国で、対象になっている年齢など教えてください。
中路先生
新型コロナウイルスワクチンの4回目接種をめぐって、アメリカでは先月末から50歳以上の人や免疫不全の状態にある人を対象に4カ月の間隔で緊急使用が許可されています。
2021年12月末に世界で最も早く開始したイスラエルでは、60歳以上か18歳以上の重症化リスクのある人、医療従事者などを対象にしており、3回目からの接種間隔は4カ月です。
ドイツでは2022年2月から接種が始まりました。70歳以上か5歳以上の免疫不全のある人、介護施設の入所者、医療従事者などが対象となっています。医療従事者などは接種間隔が6カ月、それ以外の対象者は3カ月とされています。
フランスでは80歳以上の人や免疫不全ある人を対象に接種間隔は3カ月に設定しているほか、イギリスでは75歳以上、介護施設で暮らす高齢者、12歳以上の免疫不全のある人を対象に、接種期間はおよそ6カ月となっています。
4回目接種に際して留意すべき点は?
日本で4回目接種を受けるにあたり、留意すべき点について教えてください。
中路先生
4回目のワクチン接種は重症化を抑制する目的で対象を高齢者などに対象を限定することは理解されます。しかし、4回目の接種については、先行の欧米でも具体的な対象や接種間隔などにバラつきがあります。今後、日本における臨床試験での対象と接種間隔のエビデンスの構築が望まれます。また、メディアを介して科学的な根拠の分かりやすい解説が重要となり、最終的には一人ひとりがリスクとベネフィットを十分理解したうえで接種の判断をする必要があると考えます。
まとめ
厚生労働省の専門部会は、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種の実施を決定しました。今後もワクチン接種をめぐった動きには注目です。