FDAが新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を許可
FDA(アメリカ食品医薬品局)は、ファイザー製とモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、50歳以上や一部の免疫不全症の人を対象に4回目の接種を許可すると発表しました。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
FDAの発表内容とは?
今回、FDAが発表した内容について教えてください。
中路先生
今回の発表は 3月29日にFDAがおこなったものです。50歳以上と特定の免疫障害がある人を対象に、ファイザー製またはモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種を承認すると発表しました。
50歳以上であれば3回目の接種から4カ月以上が経過すれば、4回目の接種をおこなうことができるようになります。また、臓器移植を受けた人や、それと同じレベルの免疫障害がある人に対しても3回目接種から4カ月以上が経過していれば4回目の接種をおこなうことを可能としています。ただし、この場合は、ファイザー製は12歳以上、モデルナ製は18歳以上が対象になります。
FDA生物製剤評価・研究センターのピーター・マークス所長は「現在のエビデンスでは、高齢者や免疫不全者において、新型コロナウイルスによる重篤な結果に対する予防効果が時間の経過とともに弱まっていることが示唆されています。新たなデータの分析に基づき、ファイザー製またはモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの2回目のブースター投与(4回目接種)は、これらの高リスク者の保護レベルの向上に役立つ可能性があります。」とコメントしています。
アメリカでの4回目接種許可への受け止めは?
今回FDAが50歳以上や一部の免疫不全症の人を対象に4回目の接種を許可すると発表しましたが、この受け止めについて教えてください。
中路先生
4回目の接種は英国を含め開始されていますが、対象者は高齢者や免疫不全患者などに限られているようです。FDAは、4回目接種を実施しているイスラエルのデータなどを基に、「高齢者や免疫不全患者は時間経過とともに重症化を防ぐ効果が弱まる」との判断で4回目の追加接種を許可しました。
FDAの決定が日本の新型コロナウイルス対策に与える影響は?
FDAの決定が日本の新型コロナウイルス対策に与える影響は、どの程度あると考えられますか?
中路先生
日本でもオミクロン株「BA.2」の割合が増加し、感染者が増加傾向に転じつつある状況を鑑みると、いずれ同様の対策がとられると考えられます。
まとめ
FDA がファイザー製とモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、50歳以上や一部の免疫不全症の人を対象に4回目の接種を許可したことが今回のニュースで明らかになりました。4回目接種をめぐっては日本でも開始が検討されており、注目が集まります。