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【新型コロナウイルスワクチン】3回目接種の発症予防効果は68.7%

 更新日:2023/03/27

長崎大学などの研究チームは新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の発症予防効果は68.7%だったとの推定結果を発表しました。このニュースについて工藤医師に伺いました。

工藤 孝文 医師

監修医師
工藤 孝文(医師)

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みやま市工藤内科 院長・糖尿病内科医・漢方医・統合医療医。福岡大学医学部を卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、福岡県みやま市の工藤内科にて、糖尿病内科・ダイエット外来・漢方治療を専門に、地域診療を行っている。NHK「ガッテン!」「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビ出演多数。著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。YouTube「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」が現在人気を集めている。 
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

長崎大学らが発表した内容とは?

今回、長崎大学らが発表した研究内容について教えてください。

工藤 孝文 医師工藤先生

今回の調査は長崎大学らの研究グループによるもので、全国10都県計13カ所の医療機関で、2022年1月1日から2月28日までに新型コロナウイルス感染症が疑われる症状があり、検査を受けた16歳から64歳までの2000人が解析対象になりました。その結果、ファイザー製あるいはモデルナ製いずれかのワクチンの2回接種が完了している場合の発症予防における有効性を42.8%、3回接種完了している場合の有効性を68.7%と推定できたということです。

2回接種が完了しているグループで、ワクチン接種からの時間経過でわけて解析したところ、接種完了後から90日以内の有効性は41.4%、91~180日では43.0%、181日以降では31.7%という結果となり、時間経過とともにワクチンの有効性が減弱している可能性があると考えられたということです。また、デルタ株が流行した2021年7月1日から9月30日における発症予防における有効性と比較したところ、接種からの時間経過を加味しても新型コロナワクチンの有効性は低下していると考えられるということで、研究グループはオミクロン株への置き換わりによる有効性の低下と指摘しています。

今回の調査結果の受け止めは?

今回の長崎大学らの研究内容について受け止めを教えてください。

工藤 孝文 医師工藤先生

時間経過によりワクチンの効果が減衰していくことは知られていました。今回、ウイルスの変異によってもその効果が変化することが示されました。これ自体は医学的に当たり前の話ではあるのですが、実際のデータで示されたことに意義があることだと考えています。

今回の内容は新型コロナウイルス対策にどう活かせる?

今回発表された研究内容は、新型コロナウイルス対策にどう活かせると考えていますか?

工藤 孝文 医師工藤先生

これまで、ワクチンは同じものを複数回打つことが多かったのですが、今回の結果から変異に対応できるワクチンが重要だということがわかりました。今後、スムーズなワクチン開発、柔軟な承認申請の手順が整えば、突発的な変異にも柔軟に対応できるようになると考えます。今すぐには難しいですが国においても制度が整い、今後感染症が発生した場合すぐに対応できるようになることが望まれます。

まとめ

長崎大学などの研究チームは新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の発症予防効果は68.7%だったとの推定結果を発表しました。2回目接種完了による発症予防効果から大きく数字が上がっており、今後のワクチン接種において重要なデータとなりそうです。

この記事の監修医師