【新型コロナウイルスワクチン】5~11歳の副反応の疑いは2件
厚生労働省の専門家部会は5~11歳への新型コロナウイルスのワクチン接種について、副反応の疑いがある症状が2例あったことを明らかにしました。このニュースについて工藤医師に伺いました。
監修医師:
工藤 孝文(医師)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
厚生労働省が明らかにした内容とは?
厚生労働省の専門家部会が報告した内容について教えてください。
工藤先生
今回の報告は3月18日に開かれた厚生労働省の専門家部会でおこなわれたものです。専門家部会によると、3月5~6日にファイザー製の新型コロナワクチンの1回目接種を受けた女児2人に副反応がみられたとのことです。女児2人のうち、1人は10歳で胸の痛みやけいれんなどが接種当日にありました。また、もう1人は5歳で嘔吐症状があったということです。2人とも入院することなく快方に向かったそうです。ワクチン接種との因果関係については、情報不足などにより「評価できない」としています。
5~11歳へのワクチン接種について
5~11歳へのワクチン接種について教えてください。
工藤先生
5~11歳へのワクチン接種は、3月から本格的に始まっています。対象となる人数は700~800万人ほどで、12歳以上を対象にしたワクチンに比べると1回に接種する有効成分の量は3分の1になります。3週間の間隔で2回目の接種を受けることになります。ワクチンはファイザー製を使用することになり、費用は臨時接種に位置付けられているため公費で無料になります。なお、保護者に対する予防接種法に基づく接種の努力義務は、現時点では課されていません。
厚生労働省が報告した副反応例の疑いについての受け止めは?
今回、厚生労働省が発表した2件の副反応例の疑いについて受け止めを教えてください。
工藤先生
今回の副反応はいずれも成人でも認められている反応です。そのため、小児でも成人と同様の対応を、より注意深くおこなう必要があると考えます。お子さんの接種を検討中の方にとって、有意義な情報だと考えられます。
まとめ
5~11歳への新型コロナウイルスワクチン接種について、副反応の疑いがある症状が2例あったことが、今回のニュースで明らかになりました。厚生労働省の専門家会議は因果関係について「評価できない」という立場ですが、今後もこうした副反応例の疑いについては注目が集まりそうです。