【新型コロナウイルスワクチン】3回目接種の対象を12歳以上へ
厚生労働省は新型コロナワクチンの3回目接種をめぐり、早ければ4月にも12~17歳に接種対象が拡大する可能性があるとして、全国の自治体に通知を出しました。このニュースについて工藤医師に伺いました。
監修医師:
工藤 孝文(医師)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
厚生労働省が自治体に通知した内容とは?
厚生労働省が自治体に通知した内容について教えてください。
工藤先生
今回出された通知は、「12歳以上17歳以下の者への新型コロナウイルスワクチンの3回目接種に向けた接種体制の準備について」というタイトルで発出されたものです。通知では、12~17歳への3回目接種をFDA(アメリカ食品医薬品局)とEMA(欧州医薬品庁)がファイザー製ワクチンでの実施を可能としたことに触れ、日本でも早ければ4月から12~17歳への3回目接種が予防接種法に基づく予防接種としての対象になる可能性があると書かれています。使用されるワクチンは現時点ではファイザー製になる見込みであることから、各自治体に対して準備を進めるように求めています。また、通知では接種体制の確認、接種券の発送準備、必要なワクチンの確保の3つのポイントで準備を求めています。
12~17歳への3回目接種の意義は?
12~17歳への3回目接種の意義について教えてください。
工藤先生
現在、とくに問題となっているのは家庭内の感染です。そのため、18歳以上の対策だけでは家庭内で広がることを十分に抑制できません。今後、12~17歳の感染予防をおこなえるようになれば、そういった家庭内感染を防ぐことができるようになると考えられます。
ワクチン接種をスムーズに実施するために重要なことは?
厚生労働省による通知では、接種券を持たない対象者への接種実施についても柔軟な対応を検討するように求めていますが、ワクチン接種をスムーズに実施するために重要なポイントを教えてください。
工藤先生
小児のワクチン接種は原則として保護者が決定することになるかと思います。そのため、小児での安全性や、副反応に対する対策に関して情報をわかりやすく保護者に伝達する必要があります。また、教育機関でも接種後の副反応を見越して公休として休む制度を作るといった施策があればより良いと考えます。
まとめ
厚生労働省が新型コロナウイルスワクチンの3回目接種をめぐり、早ければ4月にも12~17歳に接種対象が拡大する可能性があるとして全国の自治体に通知を出したことが今回のニュースで明らかになりました。今回の通知によってワクチン接種が円滑に行われることが期待されます。