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オミクロン株流行期 小児感染で発熱や咽頭痛など増加傾向

 更新日:2023/03/27

日本小児科学会は、新型コロナウイルスに感染した15歳以下の小児患者を解析した結果、流行初期は41.0%だった発熱の割合が、オミクロン株流行期では80.6%に上昇したと公表しました。このニュースについて武井医師に伺いました。

武井 智昭 医師

監修医師
武井 智昭(医師)

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平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

日本小児科学会が公表した内容とは?

日本小児科学会が公表した内容について教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

3月7日に日本小児科学会が公表した今回の調査結果は、2020年2月1日~2022年2月20日に登録された0~15歳の新型コロナウイルス感染者5129例を対象にして実施されたものです。2020年2月~2021年7月を流行初期、2021年8~12月をデルタ株流行期、2022年1~2月20日をオミクロン株流行期という3つの時期に分けて解析がおこなわれました。年齢層も1歳未満、1~4歳、5~11 歳、12~15歳に4階層に分けて比較しています。

調査の結果、発熱があった割合は流行初期で41.0%、デルタ株流行期で58.7%でしたが、オミクロン株流行期では80.6%と大きく増加しました。また、咽頭痛は流行初期で8.6%、デルタ株流行期で13.1%でしたがオミクロン株流行期では26.1%に増加していました。嘔吐の割合もオミクロン株流行期では9.9%と流行初期の4.2%、デルタ株流行期の5.6%より高い値になり、とくに5~11歳で14.5%という割合だったということです。一方、味覚障害や嗅覚障害はオミクロン株の流行期ではほとんど認められなかったそうです。

公表内容への受け止めは?

日本小児科学会が公表した内容についての受け止めを教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

小児においても、流行期に発熱を認めた場合には新型コロナウイルスである可能性が高いと考えられます。咽頭痛を訴える場合にはより高い確率となります。これに反して、嘔吐を認めた場合ではウイルス性胃腸炎などの他疾患を考えますが、新型コロナウイルス流行期においては、コロナウイルス感染も鑑別を要します。

子どもへの感染対策のポイントは?

改めて、子どもへの新型コロナ感染対策のポイントを教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

新型コロナウイルスのオミクロン株の症状は、一般の風邪の初期症状と見分けがつかないことが多い傾向にあります。また、ほとんどは小児のケースでは軽症ですが、基礎疾患がある場合には重症化することがあります。そのため、基本的な感染予防策を徹底させ、睡眠時間や食生活を規則正しく実施することが、免疫機能維持による感染予防としても重要です。

まとめ

日本小児科学会の調査で流行初期は41.0%だった発熱の割合が、オミクロン株流行期では80.6%に上昇した結果が出たことが今回のニュースで明らかになりました。子どもへの感染者数が増えている中で、こうした子どもの症状についての調査は注目を集めそうです。

この記事の監修医師