【厚生労働省が発表】新型コロナウイルス飲み薬を特例承認
厚生労働省はアメリカの製薬大手であるメルク社が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬、「モルヌピラビル」を特例承認しました。このニュースについて上医師に伺いました。
監修医師:
上 昌広(医師)
特例承認されたモルヌピラビルとは?
特例承認されたモルヌピラビルについて教えてください。
上先生
アメリカのメルク社が同じくアメリカの生物医薬品企業リッジバック・バイオセラピューティクス社と共同で開発した薬で、12月24日に厚生労働省が特例承認しました。医師の処方が必要な薬で、対象になるのは18歳以上の重症化リスクのある軽症・中等症の患者となります。
ウイルスの増殖を早期に抑えるために1回4錠を1日2回・5日間、発症5日目までに飲み始める必要があります。海外の臨床試験では、入院や死亡のリスクを約30%下げる効果が確認されています。
日本の確保分はどれくらい?
今回特例承認されたモルヌピラビルを、日本はどれくらい確保しているのでしょうか?
上先生
政府はすでに160万回分のモルヌピラビルを約1370億円で確保しています。また、メルク社とは違う飲み薬をファイザー社が開発していますが、この飲み薬についても200万回分を確保する基本合意もおこなわれており、ファイザー社の飲み薬が承認されればこちらも医療現場に届けられることになります。
実際に使用された例は?
日本国内でモルヌピラビルが実際に使用された事例はあるのでしょうか?
上先生
実際に使用されたケースが報告されています。12月27日に京都府内の医療機関で20代の男性に対して投与されたと京都府が発表しています。男性の容体を確認しながら1日2回、5日間服用する予定だということです。
まとめ
アメリカの製薬大手であるメルク社が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬モルヌピラビルが、厚生労働省に特例承認されたことが今回のニュースで明らかになりました。早くも投与された事例が報告されるなど、引き続き注目を集めそうです。