【地域連携薬局の認定制度がスタート】高齢者の薬の重複や飲み忘れ防止対策
地域連携薬局の認定制度が8月1日に始まりました。これには、かかりつけ薬局の普及と複数の医療機関を利用する高齢者の薬の過剰使用を防ぐ狙いがあります。今回は、地域連携薬局の認定制度について中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
目次 -INDEX-
今回の発表の詳細は?
地域連携薬局の認定制度とは、どのような制度なのでしょうか?
中島先生
地域連携薬局の認定制度とは、次のような要件を満たす薬局を地域連携薬局として、都道府県が認定する制度です。
・地域の医療機関と連携し、入退院の際に情報を共有しあう
・地域の医療関係者や介護関係者が集まる会議に参加する
・在宅療養している高齢者の元へ行き服薬指導をする
地域連携薬局は、都道府県のウェブサイトで公開されます。ただし、まだスタートしたばかりのため、現時点ではそれほど多くの薬局は公開されていないですが、近くに地域連携薬局があるかどうかチェックしておくことをお勧めします。
地域連携薬局に求められていることは?
地域連携薬局には、どのようなことが求められているのでしょうか?
中島先生
多くの持病を抱える高齢者は、複数の医療機関を受診し、必要以上の薬を処方される場合があります。そのため、薬の相互作用によって副作用が起きたり、薬の作用を弱めたりする恐れがあり、結果的に健康被害につながりやすいという問題を抱えています。
地域連携薬局に認定された薬局の役割は、患者の許可を得て服薬情報を管理し、使用する薬の量や相性などに問題があれば医療機関に連絡することです。つまり、複数の医療機関と患者をつなげ、適切な薬物療法を受けられるようにサポートすることが求められています。
また、飲み忘れが多い患者には、飲み忘れを防げるような管理方法を助言するなど、患者のサポートも地域連携薬局の役割です。さらに、夜間休日にも調剤をおこない、いつでも必要な薬を入手できる薬局であることも求められています。
このような利用しやすい薬局が増えることで、治療がスムーズに進むようになる可能性があります。
まとめ
地域連携薬局が増えれば、薬の飲み忘れや過剰摂取、相性が悪い薬の使用などで健康被害を受ける高齢者が減ることが期待できます。また、夜間休日の調剤が可能になれば、仕事や家庭の事情で日中に処方せんを薬局へ持って行けなかった人も、比較的早く薬の服用ができるようになるでしょう。地域連携薬局に認定された薬局が近くにあるかどうか、随時チェックしておくことをおすすめします。