コロナ感染拡大で日本人の「うつ」が急増! ほかの先進国でも2~3倍に
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、うつ病、うつ状態の日本人が2倍以上に増加したことが経済協力開発機構(OECD)の調査で判明しました。今回は、コロナで日本人のうつが増えている件について、中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
コロナの感染拡大とうつについて
今回の経済協力開発機構の発表について、詳しく教えください。
中島先生
経済協力開発機構が実施したメンタルヘルスに関する国際調査の結果、新型コロナウイルス感染拡大以降、日本人をはじめとした先進国において、うつ病、うつ状態の人が2倍以上に増えていることがわかりました。
調査によると、新型コロナウイルス感染拡大前の2013年度は日本でうつ病またはうつ状態の人の割合が7.9%でしたが、2020年には17.3%と約2.2倍に増えています。また、アメリカは2019年度6.6%から2020年は23.5%と約3.6倍に急増、イギリスも2013年度9.7%から2020年は19.2%の約2倍と増加しており、日本と同じく新型コロナウイルス感染拡大が関連していると考えられています。
中でも、若年層や経済的に不安定な人、失業者にうつ病、うつ状態が多く見られます。
うつの増加による影響は?
新型コロナウイルス感染拡大の影響でうつが増えると、どのような問題が起きるのでしょうか。
中島先生
経済協力開発機構は、うつ病、うつ状態の影響による日本国内の経済損失が2015年の時点で約79兆円以上になっていると試算しており、新型コロナウイルス感染拡大の影響でさらに増加することが予想されています。
コロナでうつになる理由は?
新型コロナウイルス感染拡大で、なぜうつの人が増えるのでしょうか。
中島先生
新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークへの移行、感染に対する不安、テレビの報道に対する不安などが原因で、気分が落ち込んだりやる気が出なくなったりすることをコロナうつと呼んでいます。
コロナ感染に対する恐怖、リモートワークによる人とのコミュニケーション量の低下、運動不足など、様々な要因が重なることで、うつ病やうつ状態になる可能性があります。
まとめ
新型コロナウイルス感染症に対する不安感や人とのコミュニケーション不足などが要因で、うつ病またはうつ状態になる方が増えています。依然として新型コロナウイルスは収束していないため、今後もうつ病、うつ状態になる方が増えることが予想されています。うつ病、うつ状態を疑った際は、できるだけ早く医療機関を受診して、適切な治療を受けましょう。
うつに関してもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。