ファイザー社製のワクチンは2回接種で抗体量が上昇!
千葉大学医学部附属病院は、ファイザー社製の新型コロナワクチンの有効性を調査した結果、2回接種でほぼ全ての人に抗体価の上昇がみられたことを発表しました。また、抗体価の上がりやすさに関係する要因も判明しました。今回は、本研究の詳細と抗体価について中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
目次 -INDEX-
今回の発表の詳細は?
今回の発表の詳細について、詳しく教えください。
中島先生
千葉大学医学部附属病院は、同職員を対象にファイザー社製の新型コロナワクチンの有効性を調査しました。対象者は、新型コロナウイルス感染症に罹患したことがある10人を含む1744人で、年齢は21~72歳です。調査では、ワクチンの接種前と2回目の接種から14~32日後の抗体価(抗体の量や強さ)を調べました。
その結果、2回接種した1774人の中で1人を除く1773人(99.9%)の人に抗体価の上昇を確認できました。これは、2回の接種でほぼ全ての人に新型コロナワクチンの効果が現れたことを意味します。
また、同院はファイザー社製の新型コロナワクチンを接種した人の抗体価の上がりやすさも調査しています。
抗体価の上がりやすさには何が関係している!?
抗体価の上がりやすさに関係する要因について、詳しく教えください。
中島先生
今回の千葉大学医学部附属病院の研究では、コロナ罹患歴がある人と抗アレルギー薬を内服している人に加え、女性は抗体価が上がりやすい結果となりました。また、1回目と2回目の接種の間隔を22日以上空けた方が、抗体価が上昇しやすいこともわかっています。
一方、頻繁に飲酒している人、副腎皮質ステロイドを内服している人は、抗体価が上がりにくい結果となりました。ただし、同院は「抗体価が上がりにくい場合でも、十分な量の抗体ができている」との見方を示しています。
同院は、研究に協力した同職員に対し、新型コロナウイルスの発症の有無を調査する予定です。
まとめ
千葉大学医学部附属病院の研究では、ファイザー社製の新型コロナワクチンの2回接種後、ほぼ全ての人の抗体価が上昇しました。また、抗体価の上昇のしやすさに、新型コロナウイルス感染症の罹患の有無、性別、抗アレルギー薬や副腎皮質ステロイドの内服の有無、飲酒の頻度が関係していることも判明しました。抗体価が上昇しにくい場合でも十分な抗体ができているとの見方を示していますが、今後も抗体価の上昇のしやすさについては最新情報をチェックしていきたいところですね。