【厚生労働省発表】新型コロナワクチン接種でアナフィラキシー、国内25例目
厚生労働省は3月10日、新型コロナウイルスワクチンを接種した20代~50代の男女8人がアナフィラキシーを発症し、国内でこの症状の報告は計25人となったことを発表しました。今回は、新型コロナウイルスワクチンによるアナフィラキシーについて中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
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今回の発表の詳細は?
厚生労働省の今回の発表について、詳しく教えください。
中島先生
新型コロナウイルスワクチンのアナフィラキシーを発症した人物、症状、その後の状態については、次のとおりです。
・発症者……医療従事者の20代~50代男女
・症状……アナフィラキシーによるかゆみ、めまい、息苦しさ、吐き気、低血圧症状など
・その後……投薬により全員改善、うち40歳代の女性は、入院して症状が治まった後、再び発症
新型コロナウイルスワクチンの接種後にアナフィラキシーの症状が現れたため、症例を報告した医療機関は「ワクチン接種との因果関係あり」としています。今後、ワクチン接種と諸症状の関連を厚生労働省が詳しく調べる予定です。
なお、国内での新型コロナウイルスワクチン接種によるアナフィラキシーは、3月10日時点で25例目です。
アナフィラキシーが起きたときの状態は?
今回の事例において、新型コロナウイルスワクチンの接種からアナフィラキシーを発症するまでにかかった時間、基礎疾患の有無などについて、詳しく教えください。
中島先生
厚生労働省によると、20代女性の基礎疾患については不明です。3月5日に新型コロナウイルスワクチンを接種し、約25分後にじんましんが出ました。続いて、発熱や血圧低下、息苦しさなどの症状が現れたとのことです。
30代女性は、過去に食物アレルギーなどによるアナフィラキシーを発症しています。3月7日に新型コロナウイルスワクチンを接種し、約5分後に喉の違和感や息苦しさなどの症状が現れました。
今回の事例では、新型コロナウイルスワクチンの接種から約5~25分でアナフィラキシーの症状が現れていますが、数時間後に現れる可能性もあります。そのため、新型コロナウイルスワクチンの接種後しばらくは、体調の変化に注意が必要といえるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルスワクチンの接種後に、息苦しさやじんましん、発熱、血圧低下などの症状が現れた場合、アナフィラキシーの可能性が考えられます。ワクチン接種後、帰宅してから発症する恐れもあるため、しばらくは体調の変化に注意が必要です。今後も、新型コロナウイルスワクチン接種によるアナフィラキシーについて、厚生労働省からの報告から目が離せません。