65歳未満の一般市民の職場での集団接種を検討 – 新型コロナワクチン
新型コロナウイルス感染症の死亡者や重症者を減らし、感染拡大の防止を図るべく、ワクチン開発が進められています。厚生労働省は2月1日、新型コロナウイルスのワクチン接種について、職場での集団接種を検討する旨を発表しました。ここでは、新型コロナウイルスワクチンを職場で集団接種できる場合のメリットや懸念点などを中島先生にお伺いしました。
監修医師:
中島 由美 医師
今回の発表の詳細は?
中島先生、今回の発表について、詳しく教えください。
中島先生
厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けられる場所・方法について、自治体だけではなく職場での集団接種も検討することを発表しました。この発表には、ワクチン接種を迅速かつ効率的に進め、新型コロナウイルス感染症の死亡者や重症者を早期に減らす狙いがあります。
ワクチン接種は、大規模会場での集団接種、地域の診療所や病院での個別接種など、地域の事情に合わせた形で実施される予定です。
職場での集団接種が可能になるメリットは?
新型コロナウイルスのワクチンを職場で集団接種できるメリットを教えください。
中島先生
日本では、多くの企業が土日休みを採用しています。そのため、平日に接種会場へ行くことが難しい現役世代が土日に集中することが予想されます。そうなれば、集団感染やワクチン接種を受ける時期が遅れるリスクが高まるでしょう。
職場での集団接種が可能になると、現役世代の人も速やかにワクチン接種を受けられるうえに、集団感染のリスクを低減できます。
ワクチン接種の迅速化・効率化の施策は他にありますか?
政府がワクチン接種の迅速化・効率化を目的に検討している施策を教えください。
中島先生
政府は、次の機能を備えたシステムの導入を目指しています。
・接種状況のリアルタイムでの把握
・接種状況や履歴の管理
ワクチン接種を受けた国民の人数がわかれば、感染者数や重症者数、死亡者数などからワクチンの効果を測定できる可能性もあります。なお、システムの導入時期や開発状況などは公表されていません。
まとめ
職場での集団接種が可能になると、現役世代も速やかにワクチン接種ができるようになります。「仕事が忙しい」、「会場に行くことが面倒」などの理由でワクチン接種を受けない国民が続出する事態を防ぐことで、新型コロナウイルスの感染拡大や重症者、死亡者の抑制の効果が高まるでしょう。今後も、迅速かつ効率的にワクチン接種を進めるための施策や制度の登場が期待されます。