【厚生労働省発表】2歳未満のマスクは非推奨
新型コロナウイルスの感染防止の観点から、今では多くの方がマスクをつけて外出しています。そこで不安視されているのが、マスクの着用による子どもの窒息や熱中症です。厚生労働省は、2歳未満のマスク着用を推奨しないとの見解を発表しました。今回は、子どものマスク着用のリスクについて中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
今回の発表の詳細は?
今回の発表について、詳細を教えください。
中島先生
厚生労働省は8月31日に、2歳未満のマスクの着用を推奨しない見解をホームページで公開しました。
マスクの着用は感染予防に役立つとされていますが、着用による窒息や熱中症のリスクが懸念されていました。日本小児科医会も、2歳未満のマスクの着用を推奨しない見解を示しています。
2歳未満がマスクを着用するリスクとは?
2歳未満の子どもがマスクを着用することの何が問題なのか詳しく教えください。
中島先生
2歳未満の子どもがマスクを着用することには、次の問題があります。
・口や鼻などの空気の通り道が狭いため、マスクを着用すると呼吸をしづらくなり、心臓に負担がかかる
・身体に熱がこもって熱中症のリスクが高まる
・顔色や表情などの変化がわかりにくくなることで体調の変化に気づきにくい
2歳未満の子どもは新型コロナに感染しにくい?
マスクを着用しない場合、新型コロナへの感染を心配する方もいるかと思います。2歳未満の新型コロナの感染リスクについて詳しく教えください。
中島先生
2歳未満の子どもにマスクの着用を推奨しないのは、装着時のリスク以外に新型コロナウイルス感染症について次のことがわかってきたためです。
・子どもの感染例が少ない
・子どもの感染例のほとんどが同居家族からの感染
・子どもの重症例が非常に少ない
・幼稚園や保育所での集団感染例が多くない
・感染した母親が妊娠、出産した場合に子どもが重症化した報告がない、母子感染も稀であること
このように、2歳未満の子どもは新型コロナ感染のリスクが低いとされているのです。
まとめ
2歳未満がマスクを着用すると、窒息や熱中症のリスクが高まるため、避けた方がよいとされています。ただし、感染予防のために、手洗いうがいや部屋の換気などは必要です。また、同居家族から子どもに感染する例があるため、2歳未満の子どもにマスクをつけさせないようにしつつも、家の中の消毒や可能な範囲で距離をとるなどの対策を続けましょう。