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無症状でもPCR・抗原検査の唾液診断が可能に

 更新日:2023/03/27

厚生労働省は7月17日、抗原検査とPCR検査において、唾液を使った診断を無症状の場合でも適用することを発表しました。ここでは、唾液を用いた検査を無症状の場合にも適用するメリットや従来の検査との違いなどについて、中島先生に詳しくお伺いしました。

中島 由美 医師

監修医師
中島 由美 医師

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金沢医科大学医学部卒業後、同大学病院にて小児科・内科として研修を積む。その後は複数の病院で内科医や皮膚科医として勤務。2018年より福岡市中央区に「国を超えた新しい形の医療を提供」をコンセプトに、クリスタル医科歯科クリニックを歯科医師である夫と開院。

今回の発表の詳細は?

今回の発表について、具体的な内容を教えください。

中島 由美 医師中島先生

厚生労働省は、PCR検査と抗原検査において、唾液を用いた診断を無症状の場合でも認めることを発表しました。対象は「空港での検疫や感染者の濃厚接触者など」です。

新型コロナウイルスに感染した場合、必ず症状が現れるとは限りません。中には、咳や発熱などの症状が一切現れない無症状の方もいます。そのため、感染している自覚がなく、検査を受けるに至らないケースがあるからです。

シンプルな検査方法と、短時間で検査結果を確認できることはメリットですが、ここで気になるのが唾液を用いた検査の精度について。そこで、都内の無症状患者を対象に、従来の検査と唾液を用いた検査の精度の違いを調べたところ、同程度の精度であることが認められました。

無症状の場合でも診断を受けるメリットとは?

唾液を用いた検査を無症状の場合にも適用することには、どのようなメリットがあるのか詳しく教えください。

中島 由美 医師中島先生

従来、無症状の場合は、鼻の奥の粘液を綿棒で採取して調べるタイプの検査を受ける必要がありました。そのため、綿棒の刺激でくしゃみを誘発することで、ウイルスを周囲に飛散させる心配があったのです。

一方で、無症状の場合でも唾液を用いた検査を受けられることにより、下記2パターンの患者を早期に発見できるようになります。

感染から時間が経っても症状が現れない人
症状がまだ現れていない人

このように、検査時の飛沫による感染リスクを減らすことが可能です。また、患者が自ら唾液を採取できることで、医療現場への負担の軽減も期待できるでしょう。

まとめ

唾液を用いた検査がより広い範囲で用いられるようになれば、医療現場へのさらなる負担の軽減や、無症状患者による感染拡大の防止効果が期待できます。そして、唾液を用いた検査は従来の検査と同程度の精度が認められているため、国民としても安心して受けられるでしょう。

この記事の監修医師