新型コロナウイルスは発声だけでも放出 米国の研究グループ発表
新型コロナウイルスは、咳やくしゃみによる「飛沫感染」か、ウイルスが付着した物に触れることによる「接触感染」のいずれかで感染することがわかっています。
米国の研究グループは、発声でも飛沫が放出されることを発表しました。これは、感染者と会話をするだけで、新型コロナウイルスに感染する可能性があることを示唆しています。ここでは、発声による飛沫の放出について、中島先生に詳しくお伺いしました。
監修医師:
中島 由美 医師
新型コロナウイルスは単なる発声でも放出される?
今回、発表された研究内容について教えください。
中島先生
米国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK)の研究グループは、密閉空間で「健康でいよう」という言葉を大声で25秒間、何度も繰り返した場合の飛沫の放出量を調べました。
その結果、1秒間に数千個の唾液粒子が放出され、閉鎖空間において8~14分滞留することが確認されました。これは、感染者と会話を交わすときに距離をとっても、同じ空間にいることで感染する可能性があることを示しています。
感染者と会話を交わすだけで感染する可能性がある?
感染者と会話を交わすだけで、新型コロナに感染する可能性はあるのでしょうか。
中島先生
新型コロナウイルス感染者の飛沫には、ウイルスが含まれます。そのため、発声によって飛沫が放出される以上は、会話を交わすだけで感染する可能性があるでしょう。
会話のときに距離をとることで、感染リスクを抑えられます。ただし、空気中に漂うウイルスを吸い込むことでも、感染する恐れがあります。
新型コロナウイルスの感染を防ぐには?
新型コロナウイルスの飛沫感染を防ぐ方法を教えください。
中島先生
発声によって放出された飛沫を吸い込まないようにしましょう。そのためには、マスクの着用や咳エチケットが必要です。そのうえで、会話をするときは2メートル以上のソーシャルディスタンスを心がけてください。また、発声をしていなくても、人とは1メートル以上の距離をとることが推奨されています。
そのほか、空気中に漂うウイルスを部屋から追い出すために、1時間に2回程度の換気をすることも重要です。
まとめ
咳やくしゃみをしていなくても、発声によって飛沫が放出されることがわかりました。咳やくしゃみが出ていなくても、人と接するときはマスクを着用することが大切です。また、空気中にはウイルスが滞留することがわかっているため、こまめな換気も推奨されています。今回の結果を踏まえ、新型コロナウイルスへの感染リスクを抑えるために正しく対策しましょう。