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介護職員初任者研修とは?介護サービスを受ける側が知っておきたいポイントを解説

 公開日:2026/04/28
介護職員初任者研修とは?介護サービスを受ける側が知っておきたいポイントを解説

高齢化が進む日本では、介護サービスを利用する機会が今後ますます増えていくと考えられています。介護施設や訪問介護などの現場では、さまざまなスタッフが利用者の生活を支えていますが、そのなかで介護の基礎知識や技術を身につけた人材を育成する資格として位置づけられているのが“介護職員初任者研修”です。

介護を受ける立場にとっても、介護職員初任者研修の内容や役割を知っておくことで、サービスの特徴や介護スタッフの役割を理解しやすくなります。

本記事では介護職員初任者研修について以下の点を中心にご紹介します。

  • 介護職員初任者研修とは
  • 訪問介護では初任者研修の資格が必要なのか
  • 介護職員の資格はサービスの質に関係するのか
介護職員初任者研修について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
高山 哲朗

監修医師
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

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【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

介護職員初任者研修とはどのような資格?

介護職員初任者研修とはどのような資格?

介護職員初任者研修とはどのような資格ですか?

介護職員初任者研修とは、介護の基礎知識や基本的な介助技術を学べる入門的な資格で、介護職として働くうえでの第一歩となる研修です。2013年に制度が創設され、介護の仕事に必要な基本的な考え方や知識、技術を身につけることを目的としています。年齢や学歴などの特別な条件はなく、誰でも受講できる資格とされています。 介護の仕事には、掃除や洗濯、食事の準備など利用者の日常生活を支える生活援助と、入浴や排せつ、移動のサポートなど身体に直接触れて行う身体介護があります。訪問介護は、身体介護を行うために資格が必要とされており、介護職員初任者研修はその基礎となる資格のひとつとされています。

介護職員初任者研修ではどのような知識や技術を学びますか?

介護職員初任者研修は、介護の基本的な考え方から実際の介助方法まで、現場で役立つ知識と技術を体系的に学びます。研修は講義と演習で構成されており、合計約130時間のカリキュラムを通して、介護の基礎を段階的に理解していきます。

まず、介護職の役割やサービスの種類など、仕事の概要を学ぶ職務の理解から始まり、利用者の尊厳を守りながら自立を支援するという介護の基本理念を学習します。そのほか、介護保険制度や障害福祉サービスの仕組み、医療やリハビリテーションとの連携など、介護を取り巻く制度や支援体制も理解を深めます。

さらに、利用者や家族との信頼関係を築くためのコミュニケーション方法、高齢の方の身体や心理の変化、認知症の特徴や支援のポイント、障害に関する基礎知識など、介護を行ううえで欠かせない知識も幅広く学びます。

実技の分野は、人体の仕組み安全な介助方法を理解したうえで、車いすの移動介助、入浴や着替えの介助、体位変換などの基本的な介護技術を演習形式で習得します。実際に身体を動かしながら学ぶことで、利用者の負担を減らしつつ安全に介助する方法を身につけていきます。

旧ホームヘルパー2級との違いを教えてください

介護職員初任者研修は、以前のホームヘルパー2級に代わる位置づけの資格です。どちらも身体介護を行うための基礎資格という点は共通しており、すでにホームヘルパー2級を取得している場合は、新たに初任者研修を取得し直す必要はありません。

制度の見直しにより、具体的には次のような違いがあります。

1.修了試験がある
介護職員初任者研修では、すべてのカリキュラムを修了した後に理解度を確認するための修了試験が行われます。ホームヘルパー2級では試験はなく、講習を受けることで資格を取得できる仕組みでした。

2.実習がなくなった
ホームヘルパー2級では訪問介護やデイサービスなどの現場実習が含まれていましたが、初任者研修では原則として実習はなく、講義や演習を中心に学ぶ形式です。

3.認知症に関する科目が追加された
初任者研修では“認知症の理解”という科目が新たに設けられ、高齢化社会で重要性が高まっている認知症ケアを基礎から学べるようになりました。

介護職員実務者研修との違いを教えてください

介護職員初任者研修と実務者研修の違いには、学習内容や資格の位置づけがあります。まず、受講時間と科目数が異なり、初任者研修は9科目、130時間程度で介護の基礎を学ぶ入門資格です。一方、実務者研修は20科目、450時間と学習内容がより専門的で、介護課程の理解など実践的な知識を学びます。

また、実務者研修を修了すると介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができますが、初任者研修だけでは受験資格にはなりません。さらに、実務者研修ではたん吸引や経管栄養といった医療的ケアの基礎も学ぶ点が特徴です。

介護職員初任者研修を修了した介護職員はどのような仕事をする?

介護職員初任者研修を修了した介護職員はどのような仕事をする?

介護職員初任者研修を修了した人はどのような介護サービスを担当しますか?

介護職員初任者研修を修了すると、介護の基礎知識と技術を活かし、さまざまな介護サービスに携わることができます。主な業務は、食事や入浴、排泄の介助といった身体介護や、掃除や洗濯、買い物などの日常生活を支援する生活援助です。

訪問介護では利用者の自宅を訪問し、一対一で生活支援を行います。また、特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設でも、利用者の日常生活をサポートする介護業務に従事できるとされています。さらに、身につけた知識や技術は、家族の介護や地域のボランティア活動などにも役立てられます。

訪問介護では初任者研修の資格が必要ですか?

訪問介護(ホームヘルパー)として働く場合、基本的に介護職員初任者研修などの介護資格が必要です。訪問介護は利用者の自宅で介護サービスを提供するため、専門的な知識や技術を持つ方が担当することが求められています。

特に、食事や入浴、排泄の介助など利用者の身体に直接触れる身体介護を行うには、初任者研修以上の資格が必須とされています。

そのため、訪問介護員を目指す場合は、まず介護の基礎を学べる資格である介護職員初任者研修の取得が大切です。

介護施設でこの資格を持つ職員は多いのでしょうか?

介護職員初任者研修は、介護の仕事を始める際の基礎資格として位置づけられており、さまざまな介護施設では、介護職員初任者研修を取得した職員が働いています。介護の基本的な知識や技術を学ぶ研修であるため、未経験から介護業界に入る方が最初に取得する資格として位置づけられているためです。

また、介護施設では利用者の身体介護や生活支援を行う場面が多いとされており、基礎的な介護技術を身につけていることが求められるため、初任者研修の資格を持つ職員は珍しくありません。無資格で働き始めた場合でも、就職後に資格取得を勧められる場合もあります。

介護サービスを利用する際に知っておきたいポイント

介護サービスを利用する際に知っておきたいポイント

介護職員初任者研修を修了した職員がいるとどのようなメリットがありますか?

介護職員初任者研修を修了した職員がいると、介護の基礎知識や技術に基づいた適切なケアを行いやすくなります。身体介護や生活援助の方法を体系的に学んでいるため、安全性に配慮した介助が期待できます。

また、資格を持つことで身体介護を含む幅広い業務に対応できるため、訪問介護や施設介護などさまざまな場面で活躍しやすくなります。結果として、安定した介護サービスの提供につながるといえるでしょう。

介護職員の資格はサービスの質に関係しますか?

介護職員が資格を取得しているかどうかは、介護サービスの質にも関係するといえます。資格取得の過程では、介護に関する正しい知識や技術を体系的に学ぶため、利用者の状態に合わせた適切なケアを行いやすくなるためです。

また、専門的な知識を身につけた職員が対応することで、安全性に配慮した介助やきめ細かな支援が期待できます。その結果、利用者が安心感を持ってサービスを受けられる環境づくりや、生活の質の向上にもつながると考えられています。

介護施設や事業所を選ぶときに職員の資格は確認できますか?

介護施設や事業所を選ぶ際には、職員がどのような資格を持っているかを確認することも大切です。一部の施設では、介護福祉士や介護職員初任者研修などの資格を持つ職員の人数や配置状況を公開している場合があります。 こうした情報は、施設のホームページパンフレット見学時の説明などで確認できることがあります。また、介護サービス情報公表システムなどを利用すると、資格を持つ職員の人数や割合を調べられる場合もあります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで介護職員初任者研修についてお伝えしてきました。介護職員初任者研修についての要点をまとめると以下のとおりです。

  • 介護職員初任者研修とは、介護の基礎知識や基本的な介助技術を学べる入門的な資格のことで、介護職として働くうえでの第一歩となる研修である
  • 訪問介護(ホームヘルパー)として働く場合、基本的に介護職員初任者研修などの介護資格が必要である
  • 資格取得の過程では、介護に関する正しい知識や技術を体系的に学ぶため、利用者の状態に合わせた適切なケアを行いやすくなる。介護職員が資格を取得しているかどうかは、介護サービスの質にも関係する
介護職員初任者研修は、介護の基礎知識や介助技術を身につけるための入門的な研修です。介護サービスを利用する側にとっても、職員の資格や役割を知ることでより安心してサービスを選ぶ判断材料になるでしょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師