介護報酬とは?制度の仕組みや介護費用との関係をわかりやすく解説!

「介護サービスの費用はどのように決まるの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。介護サービスの費用は、国が定めた介護報酬という基準をもとに計算されています。
介護報酬は、介護保険制度のなかでサービスの価格を決める重要な仕組みであり、利用者が支払う介護費用にも関係しています。
本記事では、介護報酬について理解するために、以下のポイントを中心に解説します。
- 介護報酬の仕組みと介護保険制度との関係
- 介護報酬と利用者が支払う介護費用の関係
- 介護報酬の対象となるサービスや改定の仕組み

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
介護報酬の基礎知識

介護報酬とはどのような制度ですか?
料金は単位と呼ばれる数値で設定されており、サービスの種類や提供時間、要介護度などに応じて細かく区分されています。1単位は10円を基準として金額に換算されますが、地域による人件費などの違いを考慮し、地域区分によって単価(約10〜11.40円程度)が調整される仕組みになっています。
また、介護報酬は社会状況や介護ニーズの変化に対応するため、原則として3年ごとに見直しが行われています。
介護報酬は誰に支払われるお金ですか?
利用者が介護サービスを利用すると、事業者は提供したサービス内容をもとに介護報酬を請求します。この請求は国民健康保険団体連合会(国保連)を通して審査され、その後事業者へ支払いが行われます。
なお、介護報酬はサービスごとに設定された基本報酬に加え、サービス内容や事業所の体制などに応じて加算や減算が適用される仕組みになっています。これらを合計した金額が介護サービスの費用として算出されます。
介護報酬はどこから支払われているのですか?
介護保険の財源は主に次の3つで構成されています。
●65歳以上の方が支払う保険料
●40〜64歳の医療保険加入者が支払う保険料
●国・都道府県・市町村が負担する公費
これらの財源を組み合わせることで介護サービスの費用が支えられています。
介護報酬と介護保険制度の関係を教えてください
そのなかで、訪問介護やデイサービスなど各サービスの料金基準として設定されているのが介護報酬です。サービスごとに報酬の単位数が決められており、その基準をもとにサービス費用が算出されます。
利用者はその費用の一部を自己負担し、残りは介護保険から支払われます。つまり、介護保険制度が費用を支える仕組みであり、介護報酬はサービスの価格基準を示す制度といえます。介護報酬と利用者の費用負担の関係

介護報酬と利用者が支払う介護費用にはどのような関係がありますか?
利用者は原則として1〜3割を自己負担として事業者へ支払い、残りの7〜9割は介護保険から給付されます。つまり、事業者に支払われる介護報酬は、利用者負担分と介護保険からの給付分を合わせた金額です。
なお、要介護度ごとに定められた支給限度額を超えてサービスを利用した場合、その超過分は介護保険の対象外となり、全額を利用者が負担することになります。
利用者の自己負担割合はどのように決まりますか?
自己負担割合は次のように区分されています。
【1割負担】
合計所得金額が1,600,000円未満の方など
【2割負担】
本人の合計所得金額が1,600,000円以上で、一定以上の所得がある方
単身世帯:2,800,000円以上
夫婦世帯:3,460,000円以上
【3割負担】
本人の合計所得金額が2,200,000円以上で、一定以上の所得がある方
単身世帯:3,400,000円以上
夫婦世帯:4,630,000円以上
判定結果は自治体から送付される介護保険負担割合証に記載され、前年の所得情報をもとに毎年見直されます。
なお、40〜64歳の第2号被保険者については、原則として1割負担となっています。
参照:『介護サービスの利用者負担と負担割合証』(北区ホームページ)介護サービスの費用はどのように計算されますか?
1単位あたりの単価は地域の人件費などを反映しており、おおよそ10〜11.40円程度です。
基本的な計算の流れは次のとおりです。
1. サービスごとの単位数を確認する
2. 単位数×地域ごとの単価で総費用を算出する
3. 総費用×自己負担割合(1〜3割)で利用者負担額を計算する
介護サービスを利用する際は、サービス内容や利用時間によって費用が変わるため、事前にケアマネジャーや事業所に確認しておくとよいでしょう。
参照:『地域区分について(参考資料)』(厚生労働省)介護報酬の対象となる介護サービス

介護報酬の対象となる介護サービスの種類を教えてください
代表的なサービスは以下のとおりです。
●訪問介護(ホームヘルプ):自宅を訪問して身体介護や生活援助を行う
●通所介護(デイサービス):施設に通い、食事・入浴・機能訓練などを受ける
●訪問看護:看護師が自宅を訪問し医療的ケアを行う
●短期入所生活介護(ショートステイ):短期間施設に宿泊して介護を受ける
●介護老人福祉施設などの施設サービス
これらのサービスは、利用者の要介護度やサービス内容に応じて介護報酬が設定され、事業者へ支払われる仕組みです。
参照:『介護保険制度の概要』(厚生労働省)ケアプラン作成や相談支援も介護報酬の対象になりますか?
ケアマネジャーは利用者や家族の状況を確認し、必要な介護サービスを組み合わせたケアプランを作成します。また、サービス事業者との連絡調整や利用状況の確認なども行います。
居宅介護支援の費用は介護保険から支払われるため、利用者が直接費用を負担することは基本的にありません。
介護報酬の改定とは

介護報酬が定期的に改定されるのはなぜですか?
改定では、高齢化の進行や介護ニーズの変化、介護人材の確保、サービスの質の向上など、さまざまな要素が検討されます。また、物価や人件費の変動なども考慮されます。
これらの状況を踏まえ、厚生労働省の審議会などで議論が行われ、制度全体のバランスを考慮して報酬の見直しが行われます。
介護報酬の改定は利用者にどのような影響がありますか?
介護サービスの費用は介護報酬を基準に計算されるため、報酬が引き上げられた場合、サービスの利用状況によっては自己負担額がわずかに増えることがあります。
一方で、改定ではサービス内容の見直しや新しい加算の導入などが行われる場合もあります。その結果、介護サービスの質の向上や支援体制の整備につながることもあります。
編集部まとめ

ここまで介護報酬について解説してきました。介護報酬の要点をまとめると以下のとおりです。
- 介護報酬とは、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを提供した事業者に支払われる報酬であり、介護保険制度のなかでサービスの料金基準となる仕組み
- 介護サービスの費用は介護報酬をもとに計算され、利用者は原則として費用の1〜3割を自己負担し、残りは介護保険から給付される
- 介護報酬は社会状況や介護ニーズの変化に合わせて原則3年ごとに見直され、サービス内容や支援体制にも影響する制度
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献



