床ずれではどのような薬が使用される?予防方法も併せて解説します!

寝たきりや長時間同じ姿勢で過ごす方にとって、床ずれ(褥瘡)は避けたいトラブルの一つです。皮膚が圧迫されることで血流が悪化し、放置すると重い感染症へと進行する場合もあります。正しい知識を持ち、日常的なケアで床ずれを防ぐことが重要です。
本記事では、床ずれの治療に使用される薬について、以下の点を中心に紹介します。
- 床ずれとは
- 床ずれの治療方法
- 床ずれの予防方法
床ずれの治療に使用される薬について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科
目次 -INDEX-
床ずれとは

床ずれの具体的な症状を教えてください
悪化すると皮膚の色が紫や黒に変化し、水ぶくれやただれが現れます。さらに進行すると皮膚が破れ、脂肪や筋肉の層まで損傷が及ぶことがあります。
重度の床ずれでは、傷口から膿や滲出液が出る場合や、強いにおいが生じる場合もあります。感染が広がると発熱を伴うこともあるため、早期の発見が重要です。
軽い赤みでも放置せず、皮膚の変化を感じたらクリニックに相談し、正しいケアを受けることが回復への第一歩となるでしょう。
床ずれはどのような原因で起こりますか?
また、湿気や摩擦、ずれも床ずれを悪化させる要因です。例えば汗や尿で皮膚が湿った状態が続くと、皮膚がふやけて弱くなり、わずかな刺激でも傷つきやすくなります。
さらに、低栄養状態や脱水、糖尿病、貧血などの影響で皮膚の修復力が低下している場合も、床ずれができやすくなります。つまり、圧迫だけでなく血流や、栄養、皮膚の健康状態、清潔保持などのバランスが崩れることが、発症につながります。
床ずれが起きやすい部位を教えてください
横向きで寝ている場合は、耳や頬、肘、太ももの外側、くるぶしなどにも発生しやすくなります。これらの箇所は皮下脂肪や筋肉が薄く、圧力を分散しにくいため注意が必要です。
また、車いすを使用する方は、尾てい骨や坐骨のあたりが長時間圧迫されることで血流が悪化し、床ずれのリスクが高まります。
床ずれの治療方法

床ずれはどのように治療されますか?
専用のマットレスやクッションを使って体圧を分散させることで、患部への負担を減らすことも効果が期待できます。
傷ができてしまった場合には、状態に応じた処置を行います。壊死した部分があれば清潔に取り除き、細菌の繁殖を防ぐための洗浄も欠かせません。そのうえで、傷口を乾燥させないよう保護材を用いて皮膚の修復を助けます。
また、十分な栄養摂取も皮膚の回復には欠かせない要素です。主治医や、看護師、管理栄養士などが協力し、生活環境や食事内容も含めて総合的に治療を進めることが求められます。
床ずれに使用される治療薬を教えてください
軽度の床ずれでは、炎症を抑える軟膏や、細菌の繁殖を防ぐ抗菌作用のある外用薬が使われます。皮膚が乾燥している場合は、保湿効果のあるワセリン系の薬を使用し、皮膚の修復を助けます。
一方で、傷口から滲出液が出ている場合には、吸収性の高いゲル状の薬剤やパッドを使い、患部を適度な湿潤状態に保つことで治癒を促します。感染が疑われる場合や症状が進行しているときは、主治医の判断のもとで抗生物質の内服や点滴が行われることもあります。
さらに、壊死した組織をやわらかくして取り除きやすくする酵素配合の軟膏や、皮膚の修復を促す成分を含む薬が使用されるケースもあります。いずれの場合も、自己判断で薬を使用せず、主治医や看護師の指導のもとで正しい処置を行うことが大切です。
床ずれの治療中に注意すべきことはありますか?
滲出液やにおい、発熱などがみられる場合は、感染が進行している可能性があるため、早めにクリニックへ相談しましょう。
また、体位を変える際には、患部をこすったり、引っ張ったりしないよう注意し、クッションなどを活用して圧力を分散させましょう。自己判断で薬を中止したり、変更したりすると悪化するおそれがあるため、主治医や看護師の指示に従い、正しいケアを続けることが回復への近道です。
床ずれの予防方法

床ずれを予防するためにできることはありますか?
長時間同じ姿勢でいると、骨の出っ張った部分に体重が集中し、皮膚や筋肉に負担がかかってしまいます。そのため、定期的に姿勢を変える(体位変換)ことが第一歩です。目安は2時間ごとに向きを変え、背中やお尻など圧力がかかりやすい部分を休ませましょう。
寝具や衣服も床ずれ予防に影響します。シーツにしわがあると摩擦が起こりやすくなるため、常に整った状態を保つことが大切です。衣服はやわらかく通気性のある素材を選ぶと、蒸れを防げます。
また、皮膚を清潔に保ち、乾燥しすぎないよう保湿を行うことも欠かせません。排泄や汗で皮膚が湿ったままだと炎症を起こしやすくなるため、こまめなケアを心がけましょう。
さらに、栄養バランスも床ずれの発生に関わります。たんぱく質やビタミン、ミネラルをしっかり摂ることで皮膚の修復力が高まり、傷つきにくい状態を保てます。
必要に応じて、主治医や管理栄養士に相談しながら日々の食事を見直すとよいでしょう。
床ずれの予防に役立つグッズがあれば教えてください
なかでもエアマットタイプは自動で空気が入れ替わり、寝ている間に圧力を周期的に変えるため、介護者の負担も軽くなります。
そのほか、体位変換クッションやポジショニングピローを使うことで、自然な姿勢を保ちながら楽に向きを変えられます。肘やかかとなど、骨が出ている部分には部分用保護パッドを使うと摩擦や圧迫を防げます。
また、通気性のよいシーツや吸湿速乾タイプの寝具を取り入れると、皮膚が蒸れにくくなり、皮膚トラブルの予防にもつながります。
これらのグッズを組み合わせて使うことで、介護を受ける方がより快適に過ごせる環境を整えられるでしょう。
編集部まとめ

ここまで、床ずれの治療に使用される薬について解説してきました。床ずれの治療に使用される薬の要点をまとめると、以下のとおりです。
- 床ずれは、皮膚や筋肉が長時間圧迫され、血流の悪化で起こる損傷で、早期発見と正しいケアが重要
- 治療は、圧力の軽減と感染予防を中心に、傷の状態に応じて外用薬や被覆材を使用する
- 予防は、定期的な体位変換や体圧分散マットレスの利用、皮膚の清潔保持、栄養バランスの見直しなど、日常的なケアが重要
床ずれは、正しい知識と日々の工夫で防げます。介護や在宅ケアに携わる方が、本記事を通じて実践できる対処法を身につけられれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




