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介護タクシーは介護保険で使える?利用条件や使えないケースを解説します

 公開日:2026/03/03
介護タクシーは介護保険で使える?利用条件や使えないケースを解説します

介護などの支援が必要になったとき、病院受診や外出のための移動手段として”介護タクシー”の利用を検討する方は少なくありません。その際、「介護保険を使って、介護タクシーは利用できるの?」「どこまでが保険の対象になるのか」と疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、介護保険を利用した介護タクシーの仕組みについて、以下の点を中心に解説します。

  • 介護タクシーの基本的な役割と福祉タクシーとの違い
  • 介護保険で介護タクシーを利用できる条件
  • 介護保険を使う際の具体的な利用方法と注意点
介護タクシーの利用を検討している方や、ご家族の移動支援に悩んでいる方が、制度を正しく理解するための参考にしていただければ幸いです。ぜひ最後までお読みください。
小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

介護タクシーの基礎知識

介護タクシーの基礎知識

介護タクシーとはどのようなサービスですか?

介護タクシーとは、高齢や障害などにより、自力での移動や公共交通機関の利用が難しい方を対象とした移動支援サービスです。車いすのまま乗車できる車両や、ストレッチャー対応の車両を使用し、乗車時や降車時には身体状況に応じた介助が行われます。

公的制度上、介護タクシーは介護保険における訪問介護の一形態として整理されており、通院時の乗降を支援するサービスとして位置づけられています。運転者は介護職員初任者研修修了者など、一定の介護資格を有していることが求められ、単なる移動手段ではなく、介助を伴う点が通常のタクシーとの大きな違いです。

医療機関への移動など、安全性と配慮が必要な場面で利用されるサービスだといえるでしょう。

介護タクシーと福祉タクシーの違いは何ですか?

介護タクシーと福祉タクシーの違いは、制度上の位置づけにあります。介護タクシーは介護保険制度に基づくサービスであり、訪問介護の枠組みのなかで整理されています。

一方、福祉タクシーは介護保険制度とは別に、自治体や民間事業者が独自に提供している移動支援サービスの総称です。福祉タクシーは、高齢の方や障害のある方を対象としている点では共通していますが、運営主体や支援内容は地域や事業者によって異なります。

また、運転者に介護資格が必須でない場合もあり、提供される介助の範囲には差が生じることがあります。両者は目的が似ているものの、制度や役割が異なるサービスである点を理解しておくことが重要です。

介護保険で介護タクシーを利用できる条件

介護保険で介護タクシーを利用できる条件

介護タクシーの運賃は介護保険の対象になりますか?

介護タクシーの運賃そのものは、原則として介護保険の給付対象外です。介護保険で対象となるのは、あくまで訪問介護に位置づけられる通院等乗降介助であり、移動中の介助や乗り降りの支援といった人的サービス部分に限られます。

そのため、タクシー料金やガソリン代、待機時間にかかる費用は、利用者の自己負担とされています。この考え方は、厚生労働省が示す介護保険制度の基本的な枠組みに基づいており、自治体が作成する手引きでも同様の説明がなされています。

介護保険を使う場合でも、運賃は実費介助は保険対象という区分を理解しておくことが、費用トラブルを避けるうえで重要だと考えられます。

参照:『みんなで支えよう ~介護保険~ 第6回 通院等乗降介助(介護タクシー)』(吉野川市)

介護保険で介護タクシーを利用できるのはどのような人か教えてください

介護保険で介護タクシーを利用できるのは、要介護認定を受けた方で、かつ一人で公共交通機関を利用することが難しいと判断される場合です。

具体的には、歩行が不安定で見守りや支えが必要な方、車いすを使用しており単独での乗降が困難な方などが想定されています。

さらに重要なのは、ケアプランに通院等乗降介助が位置づけられていることです。これは、ケアマネジャーが心身の状態や生活状況を踏まえて必要性を判断し、計画に組み込むことで初めて介護保険が適用されます。

通院以外の目的でも介護保険で介護タクシーを使えますか?

介護保険を使った介護タクシー利用は、原則として通院や公的手続きなど、日常生活を維持するために必要な外出に限られます。代表的なのは、病院への通院やリハビリ施設への移動で、これらは生活機能の維持や改善に直結すると考えられているためです。

また、買い物についても一律に不可とされるわけではなく、要介護者本人が行く必要があり、かつ短時間(例:1時間未満)など一定の条件を満たす場合には、介護保険が適用されることもあります。ただし、日常的な外出まで広く認められているわけではなく、あくまで限定的な場面での利用ととらえる必要があります。

介護タクシーの保険適用可否は、外出目的や自治体の運用、ケアプランの内容によって判断が分かれるため、実際に利用する際は事前に事業者へ確認することが重要です。

介護タクシーで介護保険が使えないケースにはどのようなものがありますか?

介護タクシーで介護保険が使えないケースとしてまず挙げられるのは、要支援認定のみを受けている場合です。要支援の方は、原則として通院等乗降介助の給付対象外とされています。

また、ケアプランに位置づけがないまま利用した場合も、介護保険は適用されません。さらに、家族が同乗して介助を行うケースや、介助を伴わない単なる移動手段としての利用も対象外です。加えて、冠婚葬祭や趣味活動など、生活維持に直接関係しない外出目的も給付対象には含まれません。

これらの考え方は、介助の必要性と目的の妥当性が判断基準になると考えられます。

介護保険を使った介護タクシーの利用方法と注意点

介護保険を使った介護タクシーの利用方法と注意点

介護保険で介護タクシーを利用するまでの流れを教えてください

介護保険を利用して介護タクシーを使うには、いくつかの段階を踏む必要があります。

まず前提として、利用者本人が要介護認定または要支援認定を受けていることが条件です。認定後、担当のケアマネジャーが作成するケアプランのなかに、通院等乗降介助として介護タクシーの利用を位置付けます。

次に、ケアプランに基づいて、自治体が指定する訪問介護事業所や介護タクシー事業者と利用日時などの調整を行います。実際の利用時は、介護職員初任者研修などの資格を持つ乗務員が、自宅から車両への移乗や乗降の介助を行い、医療機関や役所など必要性が認められる目的に限って移動します。

なお、事前のケアプランに含まれていない利用は、介護保険の対象外となる点に注意が必要です。

介護保険を使った場合、自己負担額はいくらくらいですか?

介護保険を使って介護タクシーを利用した場合の自己負担額は、原則として1割から3割です。負担割合は、利用者本人の所得状況などに応じて市区町村が判定します。ただし、ここで注意したいのは、介護保険が適用されるのは乗降介助などの介護サービス部分のみである点です。

先に述べたように、実際の移動にかかるタクシー運賃や待機料金、回送料などは、原則として全額自己負担となります。そのため、支払額は介護サービスの自己負担分とタクシー運賃を合算した金額になります。距離や事業者によって費用は異なるため、利用前に料金体系や見積もりを確認しておくと安心でしょう。

また、自治体独自の助成制度が設けられている場合もあるため、併せて確認することを推奨します。

介護保険が使えない場合の代替手段はありますか?

介護保険が適用されない場合でも、移動を支援する手段はいくつかあります。代表的なのは、自費で利用する介護タクシーや福祉タクシーです。これらは要介護認定の有無に関わらず利用でき、通院以外の外出にも対応しているケースがあります。 また、市区町村によっては、高齢の方や障害のある方を対象にタクシー利用券の助成制度や移送サービスを設けている場合もあります。さらに、公共交通機関での介助制度や、家族、地域ボランティアによる移動支援が選択肢となることも考えられます。利用者本人の身体状況や外出目的を踏まえ、費用や安全性の面から複数の手段を検討し、無理のない方法を選ぶことが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで、介護保険を利用した介護タクシーの仕組みについて解説してきました。
要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 介護タクシーは、車両による移動だけでなく、乗降時の介助を含む介護サービスであり、福祉タクシーとは介護保険制度上の位置づけや役割が異なる
  • 介護保険で介護タクシーを利用できるのは、要介護認定を受け、ケアプランに通院等乗降介助として位置づけられている場合に限られ、通院など生活維持に必要な外出が対象となる
  • 介護保険が適用されるのは介助部分のみで、タクシー運賃や待機料金は原則自己負担となるため、利用前に費用や条件を確認しておくことが重要
介護保険と介護タクシーの仕組みを正しく理解し、本人の身体状況や外出目的に合った移動手段を選ぶことが、安心した通院や外出につながると考えられます。

本記事が、介護タクシー利用を検討する際の参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修社会福祉士