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パーキンソン病で介護認定は受けられる?症状から流れまでを解説

 公開日:2026/04/05
パーキンソン病で介護認定は受けられる?症状から流れまでを解説

パーキンソン病は、手足の震えや筋肉のこわばり、動作の遅れなどがみられる進行性の神経疾患であり、症状の進行に伴い、日常生活に支援が必要となる場合があります。そのため、「介護認定は受けられるのか」「どの段階で申請すべきか」「どのような手続きが必要なのか」と疑問を抱く方も少なくありません。

本記事ではパーキンソン病の方が介護認定を受けられるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • パーキンソン病の症状
  • パーキンソン病の症状と介護認定の基準
  • パーキンソン病で介護認定を受ける際の注意点
パーキンソン病の方が介護認定を受けられるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
高山 哲朗

監修医師
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

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【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

パーキンソン病の基礎知識

パーキンソン病の基礎知識

パーキンソン病の症状について教えてください

パーキンソン病の症状は、運動症状非運動症状に分けられます。なかでも運動症状は、発症初期からみられることが多い傾向にあり、診断の手がかりとなる重要な変化です。

代表的な症状として、安静時に手足がふるえる振戦(しんせん)、筋肉のこわばりが起こる筋強剛(きんきょうごう)、動作が遅くなる、動き出しに時間がかかる無動・運動緩慢(うんどうかんまん)、身体のバランスがとりにくくなる姿勢反射障害が挙げられます。

これらは四大症状とも呼ばれ、進行とともに歩行障害やすくみ足、転倒リスクの上昇など日常生活への影響が大きくなります。

一方で、身体の動き以外にもさまざまな変化がみられる点も特徴です。便秘や頻尿、立ちくらみといった自律神経症状をはじめ、抑うつや不安、幻視などの精神症状、嗅覚低下、睡眠障害、認知機能の低下などが現れることがあります。

これらの非運動症状は、運動症状より前に出現する場合もあります。
なお、類似した症状を示す“パーキンソン症候群”とは治療方針が異なるため、医師による正確な診断を受けることが重要です。

パーキンソン病を受診する目安となる初期症状はありますか?

パーキンソン病はゆっくり進行する疾患のため、初期の段階は、加齢による変化や体調不良と見過ごされることもあります。しかし、動作が遅くなったり、身体が重く感じたりする変化が続く場合は注意が必要です。

特に、片側の手足だけが動かしにくい震えが続く歩幅が狭くなる腕の振りが減るといった歩行の変化は初期のサインといわれています。
また、字が小さくなる、着替えやボタン留めに時間がかかるなど、日常動作のしづらさも受診を検討する目安です。

運動面以外では、嗅覚の低下や便秘などの非運動症状が先に現れることもあります。
さらに、声が小さくなる、細かい手作業がしづらい、歩行時に足を引きずるなど、周囲が先に気付く変化も少なくありません。
このような症状が複数みられる場合は、神経内科への相談が望ましいでしょう。

なお、突然の麻痺やしびれ、ろれつ障害、意識低下など急激な症状がある場合は、脳卒中など別の重篤な疾患の可能性も考えられるため、速やかな医療機関の受診が必要です。

パーキンソン病の治療方法について教えてください

パーキンソン病の治療は、症状を和らげ、日常生活の維持を目的とします。現時点では、進行を止める根本的な治療はないとされています。そのため、薬物療法、リハビリテーション、外科的治療を組み合わせて行われます。

中心となるのは薬物療法で、主に不足している脳内の神経伝達物質を補う薬が用いられます。必要に応じて、薬の作用を助けたり、分解を抑えたりする薬を組み合わせ、症状の安定化を図ります。

併せて、ストレッチや歩行訓練、発声訓練などのリハビリテーションも重要です。
薬による症状のコントロールが難しくなってきた場合には、脳深部刺激療法(DBS)など、外科的治療が検討されることもあります。

パーキンソン病と介護認定の関係

パーキンソン病と介護認定の関係

パーキンソン病の症状と介護認定の基準について教えてください

先述のとおり、パーキンソン病は、手足の震え(振戦)や筋肉のこわばり(筋固縮)、動作の遅れ(無動、寡動)といった運動症状を主軸とし、進行に伴って歩行障害や姿勢保持の不安定さがみられるようになります。

さらに、便秘や嗅覚低下、抑うつ、睡眠障害などの非運動症状が重なることで、日常生活動作に支障がおよび、介護や見守りが必要となるケースもあります。

介護認定の可否は、疾患名のみで判断されるものではなく、生活機能への影響度が重要な評価の軸となります。
パーキンソン病は厚生労働省が定める特定疾病に含まれるため、40~64歳でも介護保険申請の対象となりえますが、認定には一定の基準を満たす必要があります。

代表的な評価指標の一つとして、ホーエン・ヤール重症度分類が用いられています。Ⅲ度以上が一つの目安とされており、日常生活の動作に一定の制限がみられる状態を示す指標とされています。
加えて、生活機能障害度も判定材料となり、Ⅱ度以上と評価される場合、継続的な支援の必要性が高い状態と判断されやすくなります。

また、要介護認定は介護が必要な状態が、おおむね6ヶ月以上継続すると見込まれることも前提条件です。被保険者区分によって要件は異なり、65歳以上の第1号被保険者であれば原因疾患を問わず申請が可能とされています。

介護認定を受けた後に利用できるサービスについて教えてください

介護認定後は、要支援・要介護度に応じて各種介護保険サービスを利用できます。
自己負担は、原則1~2割(一定以上所得者は3割)で、利用範囲は介護度により異なります。

主な内容は、訪問介護や訪問看護、訪問リハビリなどの在宅支援、デイサービスや通所リハビリなどの通所型サービスがあります。
さらに、短期入所(ショートステイ)、福祉用具貸与、ケアマネジャーによる居宅介護支援なども利用が可能とされています。
生活状況に応じて、施設入所サービスを選択することもできます。

パーキンソン病で介護認定を受けるまでの手続き

パーキンソン病で介護認定を受けるまでの手続き

介護認定の申請から認定までの流れを教えてください

パーキンソン病と診断された後、介護サービスの利用を検討する場合は、要介護認定の申請手続きが必要です。以下では、申請から認定結果が出るまでの流れを解説します。

1.市区町村窓口で申請手続き
まずは、お住まいの市区町村にある介護保険担当窓口へ相談し、要介護認定の申請を行います。申請書類の提出に加え、65歳以上の場合は介護保険被保険者証、40~64歳の場合は医療保険の資格を確認する書類が必要です。
本人が出向けない場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などによる代行の申請も利用できます。

2.認定調査の実施
申請後、市区町村の調査員が自宅や入所先を訪問し、心身の状態や日常生活の動作の聞き取りが行われます。身体機能や認知機能、生活環境など多角的な項目をもとに、介護の必要度が確認されます。

3.主治医意見書の作成
並行して、主治医による意見書が作成されます。病名や症状の進行状況、生活への影響などが記載され、認定判断の重要な資料となります。
提出手続きは自治体が主治医へ依頼しますが、事前に申請予定を伝えておくと円滑です。

4.介護認定審査会による判定
調査結果と主治医意見書をもとに、一次判定(コンピューター判定)と二次判定(専門職による審査)が行われます。最終的に要支援1~2または要介護1~5の区分が決定されます。

5.認定結果の通知
申請から30日程度で結果が通知され、認定区分が記載された被保険者証が郵送されます。
判定に不服がある場合は、審査請求を行うことも可能とされています。

6.ケアプラン作成とサービス利用開始
認定後はケアマネジャーが介護サービス計画(ケアプラン)を作成し、訪問介護や通所サービス、福祉用具貸与などの利用が始まります。
症状や生活状況の変化に応じて、計画は定期的に見直されます。

パーキンソン病で介護認定を受ける際の注意点はありますか?

パーキンソン病で要介護認定を受ける際は、認定調査員との面談時に日常生活の実態を具体的に伝えることが重要です。
症状は、薬の効き方や時間帯によって変動がみられるため、普段はできることだけでなく、介助があればできる動作や、時間帯によっては困難になる動作なども補足し、説明する必要があります。

さらに、便秘や睡眠障害、意欲低下、幻覚、認知機能の変化といった非運動症状は外見から把握されにくいため、ご本人だけでなく、ご家族からの情報提供も欠かせません。日頃の様子を介護日誌として記録し提示することで、症状の変動や生活上の支障が伝わりやすくなり、より状態に即した認定につながりやすくなります。
また、認定には有効期限があるため、状態の変化に応じた更新の申請も視野に入れておきましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでパーキンソン病の方が介護認定を受けられるのかについてお伝えしてきました。
パーキンソン病の方が介護認定を受けられるのかについての要点をまとめると以下のとおりです。

  • パーキンソン病は、手足の震えや筋肉のこわばり、動作の遅れなどの運動症状に加え、便秘や嗅覚低下、抑うつ、睡眠障害といった非運動症状も重なり、生活機能全体に影響が及ぶ疾患である
  • パーキンソン病は、疾患名のみで判断されるものではなく、日常生活への支障度合いが評価の軸となる。重症度分類や生活機能障害度などを踏まえ、継続的な介護の必要性が認定するための判断の基準となる
  • パーキンソン病で介護認定を受ける際は、症状の時間帯変動や薬効による状態差、非運動症状の実態を具体的に伝えることが大切。家族による情報や、介護日誌の活用が、実態に即した認定につながるとされている
今後の生活設計や介護体制を検討するうえでも、早期に制度の理解を深めておくことが重要です。症状の進行に応じた適切な支援につなげるためにも、早期からの情報整理と準備を行いましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師