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要介護者の肌荒れの原因と症状|予防法と季節別の対策も併せて解説

 公開日:2026/04/01
要介護者の肌荒れの原因と症状|予防法と季節別の対策も併せて解説

要介護者のケアにおいて、排泄や食事介助に目が向きがちですが、肌荒れへの対応も欠かせません。皮膚トラブルは不快感を招くだけでなく、日常生活や介護負担にも影響を及ぼすことがあります。特に季節や生活環境によって状態が変化しやすいため、適切な理解と早めの対策が大切です。

本記事では要介護者の肌荒れについて以下の点を中心にご紹介します。

  • なぜ要介護者は肌荒れを起こしやすいのか
  • スキンテアとはどのような皮膚トラブルなのか
  • 肌荒れが改善しない場合の対策法
要介護者の肌荒れについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
高山 哲朗

監修医師
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

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【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

要介護状態にある高齢の方に肌荒れが起こりやすい理由

要介護状態にある高齢の方に肌荒れが起こりやすい理由

なぜ要介護者は肌荒れを起こしやすいのですか?

要介護者に肌荒れが起こりやすい背景には、加齢による皮膚機能の低下が関係しています。年齢を重ねると皮脂や汗の分泌が減少し、角質の水分量や脂質が不足しやすくなるため、外部刺激からお肌を守るバリア機能が弱まります。その結果、乾燥やかゆみ、炎症が起こりやすくなります。

さらに、寝たきりによる摩擦やおむつ使用による蒸れ、排泄物の刺激、医療用テープの貼付など、介護環境特有の外的刺激も皮膚トラブルの一因です。加えて、体温調節機能の低下清潔保持の難しさも重なることで、感染やただれのリスクが高まる可能性があります。

このほか、食事における脂質やビタミンなどの栄養不足も要因の一つのため、バランスのいい食事を心がけることも重要です。

加齢による皮膚の変化は肌荒れにどのように影響しますか?

年齢を重ねると、皮膚の水分量や皮脂量が減少し、外部刺激からお肌を守るバリア機能が低下するといわれています。そのため乾燥が進み、かさつきやかゆみ、湿疹などのトラブルが起こる可能性が高くなるのです。さらに、皮膚が薄く敏感になることで、わずかな摩擦や紫外線の影響でも炎症や損傷が生じる場合があります。

加えて、低栄養状態や糖尿病などの基礎疾患、治療内容の影響によっても皮膚の回復力は低下します。こうした身体内部の変化も重なり、高齢の方のお肌はトラブルが慢性化、重症化しやすい状態になるのです。

要介護状態にある高齢の方によく見られる肌荒れの種類と症状

要介護状態にある高齢の方によく見られる肌荒れの種類と症状

要介護者によく見られる肌のトラブルにはどのようなものがありますか?

要介護者には、乾燥によるかさつきかゆみ湿疹皮膚炎などがよく見られます。皮膚のバリア機能が低下して刺激に弱くなることで、炎症や掻き傷が起こりやすくなる点も特徴です。体調や基礎疾患の影響が皮膚に表れる場合もあるため、日頃からの観察が大切です。

肌荒れが起きたとき、どのような症状が現れやすいですか?

肌荒れが生じると、まず感じやすいのがかゆみです。皮膚のうるおいが不足するとバリア機能が弱まり、衣類の擦れや軽い刺激にも敏感に反応してしまいます。かゆみにより掻き壊してしまうと、さらに肌状態が悪化しやすくなります。

乾燥が進行すると、皮膚表面が白く粉を吹いたようになったり、細かい皮むけが見られることもあります。加えて、皮膚の柔軟性が失われることで、ひび割れや亀裂が生じ、痛みを伴う場合もあります。

また、外部刺激の影響を受けやすくなるため、赤みや炎症が起こるケースも少なくありません。

スキンテアとはどのような皮膚トラブルですか?

スキンテアとは、主に高齢の方に見られる皮膚損傷の一つです。皮膚が薄く弱くなった状態で摩擦や軽い外力が加わることで、皮膚が裂けたりめくれたりするトラブルを指します。加齢によって弾力や強度が低下しているため、介助時に腕を支えた程度の刺激でも起こる場合があります。手の甲や前腕など皮膚が薄い部位に生じやすく、出血や痛み、感染リスクを伴うこともあるため注意が必要です。

褥瘡(じょくそう)はどのような状態で起こりやすくなりますか?

褥瘡は、同じ姿勢のまま長時間過ごし、皮膚やその下の組織が圧迫され続けることで起こるとされています。圧迫によって血流が滞り、酸素や栄養が行き届かなくなることが主な原因です。

本来は痛みを感じることで体勢を変えようとしますが、寝たきりの方や自力で動けない方、感覚が低下している方は、発生リスクが上がるとされています。特に、お尻やかかとなど骨が出ていて圧が集中しやすい部位に生じやすい傾向があります。

要介護状態の場合に肌荒れを防ぐための基本ケア

要介護状態の場合に肌荒れを防ぐための基本ケア

要介護者の肌荒れを防ぐために毎日できる基本ケアを教えてください

要介護者の肌荒れ予防には、洗浄・保湿・保護の3つを基本にしたケアが重要です。入浴や清拭で皮膚を清潔に保ち、入浴後やおむつ交換時には速やかに保湿剤を塗布して乾燥を防ぎます。

さらに、排泄物や摩擦などの刺激を受けやすい部位には保護クリームを使用し、外的刺激から皮膚を守ることが大切です。

入浴や清拭の際に気を付けたいポイントを教えてください

入浴や清拭は、皮膚への負担を抑えながら清潔を保つことが大切です。タオルは固く絞り、温度を確認したうえで優しい圧で拭きます。拭いた後は、水分を残さないよう乾いた清潔なタオルで押さえ、身体を冷やさない配慮も大切です。高齢の方の皮膚は傷つきやすいので、力を入れすぎず、声かけをしながら無理のない体位で行います。また、清拭時には褥瘡の有無など全身状態の確認も併せて行うことが重要です。

要介護者のおむつ交換や排泄ケアの際に気を付けるポイントを教えてください

おむつ交換時は、皮膚への刺激を抑えることが重要です。排泄後はできるだけ早く交換し、汚れはこすらず、ぬるま湯ややわらかい素材で優しく取り除きます。水分は押さえるように拭き取り、お肌がふやけたままの状態にならないよう注意しましょう。

交換後は保湿剤や保護クリームを用いて、尿や便の刺激から皮膚を守ることも大切です。また、通気性や吸収性に配慮したおむつ選びや、こまめな交換もトラブル予防につながります。

保湿ケアはどのタイミングで行うのが効果的ですか?

保湿ケアは、入浴後や清拭後など、お肌が清潔な状態のときに行うのがおすすめです。洗浄後のお肌がまだしっとりしているうちに保湿剤を塗布すると、水分の蒸発を防ぎながら角質層になじみやすくなります。クリームやローションで全身を整えることで乾燥予防だけでなく、摩擦軽減や床ずれ対策にもつながります。

季節ごとに気を付けたい肌荒れ対策と受診の目安

季節ごとに気を付けたい肌荒れ対策と受診の目安

冬の乾燥や夏のムレによる肌荒れは、どのように対策すればよいですか?

冬は気温や湿度の低下により皮膚の水分が奪われやすく、かゆみやひび割れが起こりやすくなります。入浴後はできるだけ早く保湿剤を塗布し、水分の蒸発を防ぐことが大切です。加湿器の使用や暖房の風が直接当たらない環境づくり、刺激の少ない衣類素材の選択も乾燥対策につながります。 一方、夏は汗や蒸れが肌刺激となるため、こまめな清拭や着替えで清潔と乾燥を保つことが重要です。通気性や吸湿性のよい衣類やおむつを選び、汗をかいた部位は優しく拭き取ります。保湿はローションなどの軽い使用感のものを選ぶと、ベタつきを抑えながら肌状態を整えられます。季節に応じたケアの調整が、肌荒れ予防につながります。

肌荒れが改善しない場合はどうすればよいですか?

保湿や日常的なスキンケアを続けても、かゆみや赤み、ただれなどの症状が改善しない場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。軽度の乾燥だと思って放置すると皮膚炎や感染症などへ進行したり、肌荒れがほかの疾患だったりする可能性もあります。

高齢の方は、症状を自覚しにくかったり、我慢してしまったりすることもあるため、介護者が日頃から皮膚の状態を観察する視点も欠かせません。

また、市販薬を自己判断で使い続けると、かえって悪化を招く場合があります。皮膚科は、原因を見極めたうえで、適切な外用薬やケア方法を提案してもらえるため、無理のない形で症状改善を目指せます。異常が長引くときは、医療機関の診察を受けるようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで要介護者の肌荒れについてお伝えしてきました。要介護者の肌荒れについての要点をまとめると以下のとおりです。

  • 要介護者に肌荒れが起こりやすい背景には、加齢による皮膚機能の低下が大きく関係している
  • スキンテアとは、主に高齢の方に見られる皮膚損傷の一つ。皮膚が薄く弱くなった状態で摩擦や軽い外力が加わることで、皮膚が裂けたりめくれたりするトラブルを指す
  • 保湿や日常的なスキンケアを続けても、かゆみや赤み、ただれなどの症状が改善しない場合は、早めに医療機関への相談が大切
要介護者の皮膚はわずかな刺激でもトラブルにつながりやすいため、日々の観察と早めの対応が重要です。適切なスキンケアと環境づくりを継続することが、肌状態の安定と生活の質の維持につながります。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師