要介護者の肌荒れの原因と症状|予防法と季節別の対策も併せて解説

要介護者のケアにおいて、排泄や食事介助に目が向きがちですが、肌荒れへの対応も欠かせません。皮膚トラブルは不快感を招くだけでなく、日常生活や介護負担にも影響を及ぼすことがあります。特に季節や生活環境によって状態が変化しやすいため、適切な理解と早めの対策が大切です。
本記事では要介護者の肌荒れについて以下の点を中心にご紹介します。
- なぜ要介護者は肌荒れを起こしやすいのか
- スキンテアとはどのような皮膚トラブルなのか
- 肌荒れが改善しない場合の対策法

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
目次 -INDEX-
要介護状態にある高齢の方に肌荒れが起こりやすい理由

なぜ要介護者は肌荒れを起こしやすいのですか?
さらに、寝たきりによる摩擦やおむつ使用による蒸れ、排泄物の刺激、医療用テープの貼付など、介護環境特有の外的刺激も皮膚トラブルの一因です。加えて、体温調節機能の低下や清潔保持の難しさも重なることで、感染やただれのリスクが高まる可能性があります。
このほか、食事における脂質やビタミンなどの栄養不足も要因の一つのため、バランスのいい食事を心がけることも重要です。
加齢による皮膚の変化は肌荒れにどのように影響しますか?
加えて、低栄養状態や糖尿病などの基礎疾患、治療内容の影響によっても皮膚の回復力は低下します。こうした身体内部の変化も重なり、高齢の方のお肌はトラブルが慢性化、重症化しやすい状態になるのです。
要介護状態にある高齢の方によく見られる肌荒れの種類と症状

要介護者によく見られる肌のトラブルにはどのようなものがありますか?
肌荒れが起きたとき、どのような症状が現れやすいですか?
乾燥が進行すると、皮膚表面が白く粉を吹いたようになったり、細かい皮むけが見られることもあります。加えて、皮膚の柔軟性が失われることで、ひび割れや亀裂が生じ、痛みを伴う場合もあります。
また、外部刺激の影響を受けやすくなるため、赤みや炎症が起こるケースも少なくありません。
スキンテアとはどのような皮膚トラブルですか?
褥瘡(じょくそう)はどのような状態で起こりやすくなりますか?
本来は痛みを感じることで体勢を変えようとしますが、寝たきりの方や自力で動けない方、感覚が低下している方は、発生リスクが上がるとされています。特に、お尻やかかとなど骨が出ていて圧が集中しやすい部位に生じやすい傾向があります。
要介護状態の場合に肌荒れを防ぐための基本ケア

要介護者の肌荒れを防ぐために毎日できる基本ケアを教えてください
さらに、排泄物や摩擦などの刺激を受けやすい部位には保護クリームを使用し、外的刺激から皮膚を守ることが大切です。
入浴や清拭の際に気を付けたいポイントを教えてください
要介護者のおむつ交換や排泄ケアの際に気を付けるポイントを教えてください
交換後は保湿剤や保護クリームを用いて、尿や便の刺激から皮膚を守ることも大切です。また、通気性や吸収性に配慮したおむつ選びや、こまめな交換もトラブル予防につながります。
保湿ケアはどのタイミングで行うのが効果的ですか?
季節ごとに気を付けたい肌荒れ対策と受診の目安

冬の乾燥や夏のムレによる肌荒れは、どのように対策すればよいですか?
肌荒れが改善しない場合はどうすればよいですか?
高齢の方は、症状を自覚しにくかったり、我慢してしまったりすることもあるため、介護者が日頃から皮膚の状態を観察する視点も欠かせません。
また、市販薬を自己判断で使い続けると、かえって悪化を招く場合があります。皮膚科は、原因を見極めたうえで、適切な外用薬やケア方法を提案してもらえるため、無理のない形で症状改善を目指せます。異常が長引くときは、医療機関の診察を受けるようにしましょう。
編集部まとめ

ここまで要介護者の肌荒れについてお伝えしてきました。要介護者の肌荒れについての要点をまとめると以下のとおりです。
- 要介護者に肌荒れが起こりやすい背景には、加齢による皮膚機能の低下が大きく関係している
- スキンテアとは、主に高齢の方に見られる皮膚損傷の一つ。皮膚が薄く弱くなった状態で摩擦や軽い外力が加わることで、皮膚が裂けたりめくれたりするトラブルを指す
- 保湿や日常的なスキンケアを続けても、かゆみや赤み、ただれなどの症状が改善しない場合は、早めに医療機関への相談が大切
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献



