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要支援1に認定されるには?条件や心身の状態、申請手続きの流れを解説

 公開日:2026/05/17
要支援1に認定されるには?条件や心身の状態、申請手続きの流れを解説

要支援1は、介護保険制度の区分のなかでも軽度な状態に位置づけられます。しかし、どのような状態で認定されるのか、どのような手続きを行えばよいのかがわかりにくいと感じる方も少なくありません。
また、要支援1は介護が不要な状態ではなく、適切な支援を受けることで心身機能の維持や悪化の予防が期待される段階です。そのため、制度の仕組みや認定基準を正しく理解することが重要です。
本記事では、要支援1の具体的な状態や認定基準、申請手続きの流れ、利用できるサービスや費用の目安を解説します。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

要支援1とはどのような状態か

要支援1とはどのような状態か
要支援1は、日常生活の基本的な動作はおおむね自立しているものの、一部に見守りや軽度の支援が必要な状態です。
介護保険制度では、本人の状態に応じて適切なサービスを提供するため、要介護認定によって支援の必要度が判定されます。要支援1の位置づけや判断基準、具体的な状態を解説します。

要介護認定の仕組み

要介護認定とは、介護保険サービスを利用するために必要な判定制度であり、支援や介護の必要度を客観的に判断する仕組みです。
介護保険制度では、寝たきりや認知症などにより常時介護が必要な要介護状態と、家事や身支度などに支援が必要な要支援状態に区分されます。
認定は、市区町村が設置する介護認定審査会によって行われ、全国共通の基準に基づいて客観的に判断されます。介護サービスの給付内容や利用上限に直結するため、公平性を確保する必要があるためです。

要支援1の認定基準

要支援1は、どの程度の介護の手間がかかるかを時間で示した要介護認定等基準時間に基づいて判定されます。
基準時間が25分以上32分未満と算定された場合に、要支援1に該当します。
以下のような介護に関わる行為をもとに算出されます。

  • 入浴・排せつ・食事などの直接的な介助
  • 洗濯や掃除などの生活支援
  • 徘徊対応などの見守りや対応
  • 歩行訓練などの機能訓練
  • 医療に関する支援

さらに、認知機能の状態や生活状況なども総合的に考慮され、最終的な判定は介護認定審査会によって行われます。

要支援1と判定される具体的な心身・生活の状態

要支援1は、基本的な日常生活動作はおおむね自立しているものの、一部の場面で見守りや軽度の支援が必要な状態を指します。
例えば、以下のようなケースが該当します。

  • 歩行や立ち上がりは自力で可能だが、ふらつきがあり転倒の不安がある
  • 入浴や着替えはできるが、安全面で見守りが必要な場面がある
  • 掃除や洗濯、買い物などの家事が負担になっている
  • 物忘れが増え、服薬管理や金銭管理に不安がある
  • 外出の機会が減り、活動量の低下が見られる

できることは多いが、そのままでは生活の維持に不安がある状態です。
適切な支援や介護予防サービスを利用すると、心身機能の維持や悪化の防止が期待できる段階です。
参照:『2015年の高齢者介護~高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて~』(厚生労働省)

要支援1と認定されるために必要な手続き

要支援1と認定されるために必要な手続き
要支援1の認定を受けるためには、介護保険制度に基づいた所定の手続きを順に進める必要があります。
要支援1の認定を受けるまでの流れを解説します。

市区町村や地域包括支援センターへの相談

まずは、市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談します。
介護保険サービスの利用を検討している場合、現在の心身の状態や生活状況を伝えることで、申請の必要性や手続きの流れの案内を受けることができます。特に要支援の可能性がある場合は、地域包括支援センターが窓口となり、支援の調整を行います。

必要書類の提出

申請を行う際には、必要書類を市区町村へ提出します。
介護保険被保険者証のほか、40歳から64歳までの方(第2号被保険者)の場合は、医療保険証も必要です。
申請は本人だけでなく、家族や代理人による手続きも可能です。

認定調査

申請後は、市区町村の調査員が自宅や施設を訪問し、心身の状態を確認する認定調査が行われます。
あわせて、市区町村が主治医に依頼して意見書を作成し、医学的な観点からも状態が評価されます。主治医がいない場合は、指定医の診察を受ける必要があります。
これらの情報をもとに、全国共通の基準で一次判定が行われ、その結果と医師の意見を踏まえて介護認定審査会が最終的な判定を行います。

結果の通知

審査結果に基づき、市区町村から認定結果が通知されます。
申請から通知までは原則30日以内とされており、要支援1・要支援2、要介護1〜5、または非該当のいずれかに区分されます。
認定には有効期間が設定されており、期間満了前には更新申請が必要です。また、状態が変化した場合は、有効期間中でも変更申請を行うことができます。
要支援1と認定された場合は、その後、地域包括支援センターが中心となってケアプランを作成し、介護予防サービスの利用が開始されます。
参照:『サービス利用までの流れ』(厚生労働省)

要支援1の認定結果が出るまでの流れと期間

要支援1の認定結果が出るまでの流れと期間
要支援1の認定は、申請後すぐに決まるものではなく、複数の審査工程を経て最終的に判定されます。客観的かつ公平に判断するため、全国共通の基準に基づいた仕組みが採用されています。
認定結果が決定されるまでの流れと、結果が通知されるまでの期間を解説します。

一次判定と二次判定の仕組み

要介護認定は、どの程度の介護サービスが必要か(介護の手間)を判断する仕組みであり、病気の重さそのものではなく、日常生活の支援の必要度を基準に判定されます。
この判定は、客観性と公平性を確保するため、一次判定二次判定の二段階で行われます。

まず一次判定では、訪問調査の結果や主治医意見書の一部の項目をもとに、コンピューターによって要介護認定等基準時間が算出されます。介護にどれくらいの手間がかかるかを時間で示した指標であり、全国共通の基準に基づいて機械的に判定されます。
ただし、統計データをもとにした目安であり、個々の生活状況や特性までは十分に反映されない場合があります。
そのため二次判定では、一次判定の結果に加え、主治医意見書や認定調査の特記事項などを踏まえ、保健・医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会が総合的に判断します。
例えば、身体機能は保たれていても認知症による徘徊などで介護の手間が増える場合や、逆に病状が重くても介護の手間が少ない場合など、一次判定だけでは評価しきれない実態が加味されます。

要支援1の標準処理期間

要介護認定の結果は、申請から原則30日以内に通知されます。
期間中は、訪問調査の実施、主治医意見書の取得、一次判定・二次判定の審査などが行われます。ただし、主治医意見書の作成に時間を要する場合など、やむをえない事情により期間が延びることもあります。
認定結果が通知されると、要支援1を含む区分が確定し、その後はケアプランの作成を経て、介護予防サービスの利用が開始されます。
参照:『要介護認定はどのように行われるか』(厚生労働省)

要支援1で利用できるサービスと費用の目安

要支援1で利用できるサービスと費用の目安
要支援1と認定された場合は、介護保険制度に基づき介護予防サービスを利用できます。日常生活の支援だけでなく、心身機能の維持・改善を目的としたサービスです。
また、利用できるサービスには支給限度額が定められており、範囲内であれば自己負担なしで利用できます。ここでは、要支援1で利用できる主なサービスと費用の目安を解説します。

要支援1で利用できる介護予防サービスの種類

要支援1と認定された場合は、介護保険制度の介護予防サービスを利用できます。日常生活の支援に加え、心身機能の維持・改善を目的としたサービスです。
自宅で支援を受ける訪問系サービスには、介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導があります。これらは、入浴支援や健康管理、リハビリ、療養上の指導などを行うサービスです。
次に、施設に通って支援を受けるサービスとして、介護予防通所リハビリテーションがあり、機能訓練や生活機能の維持・改善を目的とした支援が行われます。
また、短期間施設に宿泊して支援を受けるサービスとして、介護予防短期入所生活介護や介護予防短期入所療養介護があり、日常生活の介護や機能訓練を受けることができます。
さらに、生活環境を整えるサービスとして、介護予防福祉用具貸与、特定介護予防福祉用具販売、住宅改修費の支給などがあり、自宅で安全に生活を続けるための支援が受けられます。

支給限度額と自己負担の目安

要支援1には、1ヶ月あたりに利用できる介護サービスの上限(区分支給限度額)が定められており、その範囲内でサービスを利用できます。
要支援1の支給限度額は5,032単位とされており、金額に換算すると50,320円〜57,364円です。幅がある理由は、地域ごとに定められている単位単価(1単位あたりの金額)が異なるためです。
この限度額の範囲内であれば、自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)で利用できます。例えば1割負担の場合、自己負担額は約5,000円〜5,700円程度が目安です。
ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 支給限度額を超えてサービスを利用した場合、超過分は全額自己負担となる
  • 食費や日常生活費、保険適用外サービスは最初から全額自己負担
  • 実際の費用は、利用するサービスの種類や回数によって変動する

ケアプランは、支給限度額の範囲内で必要なサービスをバランスよく組み合わせることが重要です。
参照:『区分支給限度額(介護保険から給付される一か月あたりの上限額)』(目黒区)

要支援1の認定結果に納得できない場合の対応

要支援1の認定結果に納得できない場合の対応
要支援1の認定結果が実際の状態と合っていないと感じた場合は、そのまま受け入れるのではなく、内容の確認や見直しを行うことが可能です。
まずは、市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談し、認定の根拠となった訪問調査や主治医意見書の内容を確認します。どのような評価が行われたのかを把握することで、適切な対応を選びやすくなります。
そのうえで、正式に異議を申し立てる場合は審査請求を行うことができます。要介護・要支援認定に対する不服は、都道府県に設置されている介護保険審査会に対して申し立てる仕組みで、市町村の認定が法令や基準に照らして適切かどうかが審査されます。
審査請求は、認定結果を知った日の翌日から3ヶ月以内に行う必要があります。期限を過ぎると申し立てができなくなるため、早めの対応が重要です。
また、心身の状態に変化がある場合や、現在の状態が正しく反映されていないと考えられる場合は、区分変更申請を行い、再度認定を受けることも可能です。
参照:『不服申立(審査請求)について』(奈良県)

まとめ

まとめ
要支援1は、日常生活の基本動作は自立しているものの、一部に見守りや軽度の支援が必要な状態を指し、介護予防を目的とした支援が中心となる区分です。
認定は「介護の手間」を基準とした客観的な評価と、専門家による総合的な判断によって決定されます。申請から認定までは、市区町村への申請、認定調査、審査判定など複数の手続きを経て行われ、原則30日以内に結果が通知されます。
認定後は、支給限度額の範囲内で介護予防サービスを利用でき、自己負担は原則1〜3割に抑えられます。ただし、サービスの選び方や利用量によって実際の負担額は変動するため、ケアプランの作成が重要です。
また、認定結果に納得できない場合は、審査請求や区分変更申請などの対応も可能です。
要支援1は、適切な支援を受けることで要介護状態への進行を防止できる可能性がある段階です。制度を正しく理解し、自身に適したサービスを選択しましょう。

この記事の監修社会福祉士