“要介護2″とはどのような状態?受けられるサービスなどわかりやすく解説します

ご家族が要介護2と認定され、生活やサービス利用に不安を感じている方も多いでしょう。要介護2は、日常生活の多くの場面で部分的な介助が必要な状態ですが、適切なサービスを活用すれば在宅での生活も可能です。
この記事では、要介護2の認定基準や生活の目安、利用できるサービス、費用の考え方を解説します。
※この記事は2026年3月時点の制度に基づいています。

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。
目次 -INDEX-
"要介護2"とは

要介護2とは、日常生活のさまざまな場面で部分的なサポートが必要な区分です。ここでは、認定の仕組みや他区分との違いを解説します。
要介護認定の仕組み
介護保険サービスを利用するには、市区町村への申請が必要です。調査員による訪問調査と主治医の意見書に基づき、コンピュータによる一次判定と専門家による審査会(二次判定)を経て決定されます。
判定の指標には、介護の手間を数値化した要介護認定等基準時間が用いられます。
要介護2の認定基準
要介護2の基準は、基準時間が50分以上70分未満、またはこれに相当すると認められる状態です。
具体的な状態の目安は以下のとおりです。
- 立ち上がりや移動の見守り、一部の介助が必要
- 入浴や排泄(はいせつ)に部分的な介助が必要
- 調理や掃除などの家事が一人では困難
- 理解力や判断力の低下(認知機能の低下)を伴うケースがある
認定は心身の状態を総合的に判断するため、一人ひとり状況は異なります。
要支援や要介護1〜5との違い
要介護度は、支援が必要な段階(要支援)から、全面的な介助が必要な段階(要介護)まで合計7段階に分かれています。各区分の目安は以下のとおりです。
| 区分 | 基準時間の目安 | 状態の目安 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 25分以上32分未満 | 日常生活はほぼ自立 家事などに一部支援が必要 |
| 要支援2 | 32分以上50分未満 | 立ち上がりなどが不安定で、支援の必要性が高い |
| 要介護1 | 32分以上50分未満※ | 日常生活に部分的な介助が必要で、状態が不安定 |
| 要介護2 | 50分以上70分未満 | 日常生活の多くで部分的な介助が必要 |
| 要介護3 | 70分以上90分未満 | 日常生活のほぼ全般で全面的な介助が必要 |
| 要介護4 | 90分以上110分未満 | 日常生活全般で全面的な介助が必要な重度の状態 |
| 要介護5 | 110分以上 | 介助なしには生活できない最重度の状態 |
※要支援2と要介護1は同じ時間帯。認知機能の低下や病状の安定性等で振り分けられます。
要介護1との違いは介助の必要範囲です。要介護2では排泄や入浴などの身体介助が必要となり、認知機能の低下が加わるケースも増えてきます。
要介護2の方の生活状態の目安

具体的にどのようなサポートが必要になるのか、生活の目安を解説します。
日常生活で困りやすいこと
要介護2の方は、日常生活動作のさまざまな場面で一部の介助が必要です。
生活で困りやすい場面の目安は以下のとおりです。
- 排泄:トイレへの移動や衣服の着脱に見守り、一部のサポートを要する
- 入浴:浴槽への出入りや体を洗う動作に介助が必要
- 家事全般:買い物や炊事、掃除などを一人で行うことが困難
特に、重い荷物を持つ買い物や、立ち仕事が続く調理は身体への負担が大きく、転倒のリスクも伴います。これらを無理に行うのではなく、宅食サービスやネットスーパー、訪問介護の生活援助を組み合わせて頑張りすぎない生活を構築することが大切です。
例えば、平日の夕食だけを栄養バランスの整った宅食に切り替えるだけでも、買い物や調理、後片付けの時間が大幅に削減され、その分をご本人との穏やかな会話の時間に充てることができます。最近では、噛む力が弱くなった方向けのやわらか食なども充実しており、ご本人の状態に合わせた選択肢も豊富です。
身体機能の低下や移動のサポート
筋力やバランス機能の低下により、自力での移動に不安が生じやすくなります。
移動に関する状態の目安は以下のとおりです。
- 立ち上がり:椅子からの動作に手すりや支えが欠かせない
- 歩行:杖や歩行器を使用しての移動が中心となる
- 階段:昇り降りに不安があり、見守りや手引きが必要
- 外出:一人では転倒リスクが高く、同行者が必要なことが多い
自宅の小さな段差がつまずきの原因となることも多いため、手すりの設置などの環境整備が重要です。
特に夜間のトイレ移動や、冬場の脱衣所での動作は転倒リスクが高まります。ご本人が「まだ大丈夫」と言っていても、早めに手すりや滑り止めマットなどの対策を講じることが、在宅生活を長く続ける秘訣です。
認知機能の低下が見られるケース
要介護2では、理解力や記憶力の低下を伴うケースもあります。
具体的な状態の例は以下のとおりです。
- 今日の日付や時間が不確かになることがある
- 以前はできていた複雑な家事の手順がわからなくなる
- 薬の服用やお金の管理を一人で行えなくなる
このような変化に気付いた際は、かかりつけ医や地域包括支援センターへ早めに相談しましょう。
認知機能の低下はご本人にとっても不安なものです。複雑な家事のミスを指摘するのではなく、「一緒に確認しよう」などの穏やかな声かけを心がけることで、ご本人の自尊心を守り、生活の安定につなげることができます。
また、記憶力の低下が見られる場合でも、感情的な部分は最後まで残ると言われています。間違いを正すことよりも、安心感を与えることを優先し、同じ話を繰り返されても「そうなんだね」と穏やかに受け止めることが、ご本人の不安を和らげるケアです。
一人暮らしは可能?
介護サービスや地域の支援を活用すれば、一人暮らしの継続は可能です。
有効な取り組み例は以下のとおりです。
- 訪問介護を毎日(または複数回)利用し、食事や排泄を支える
- デイサービスを週3回程度利用し、日中の安全と交流を確保する
- 緊急通報システムや見守りセンサーを導入して安否を確認する
ただし、認知症の症状が進んだ場合や夜間の急変リスクが高い場合は施設入居も視野に入ります。
一人暮らしを続ける場合は、近隣住民との関わりや自治体の見守りサービスを積極的に活用しましょう。ケアマネジャーと連携し、24時間体制の安心感をどのように構築するかが、一人暮らし継続の鍵です。
要介護2で利用できる主な介護サービス

要介護2の区分支給限度基準額は19,705単位(約197,050円)です。この範囲内で、所得に応じて1〜3割の自己負担でサービスを利用できます。
参照:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)
訪問介護と通所介護
訪問介護(ホームヘルプ)は、ヘルパーが自宅で身体介助や生活援助を行います。要介護2では入浴介助などの身体介護を中心に取り入れるのが一般的です。
通所介護(デイサービス)は、施設で食事、入浴、リハビリを受けられます。ご本人の交流の場となるほか、ご家族の介護負担を軽減する役割(レスパイトケア)も果たします。
訪問看護や訪問リハビリ
医療的なケアが必要な方には訪問看護が有効です。また、訪問リハビリは専門職が筋力維持や動作訓練を個別に行います。これらを早期に取り入れることで、状態の悪化を防ぎ、自立した生活期間を延ばすことにつながります。
福祉用具レンタルや住宅改修
福祉用具のレンタルや住宅の改修も、介護保険で利用できます。
レンタル対象となる主な品目は以下のとおりです。
- 手すり(据え置き型)、歩行器、歩行補助杖
- 特殊寝台(介護ベッド)および付属品
- スロープ(段差解消)
住宅改修は、手すりの設置や段差の解消などの工事費用(上限20万円)の7〜9割が支給されます。施工前に市区町村の承認が必要です。
福祉用具や住宅改修は、単なる補助ではなく、自立した生活を守るための投資です。身体状況は変化するため、一度設置して終わりにするのではなく、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員と定期的に今の状態に合っているかを確認し、常に適切な環境を維持しましょう。
要介護2で入居を検討できる介護施設

在宅生活に不安が生じた場合、施設への入所も選択肢となります。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、24時間スタッフが常駐し、食事や入浴の介助からリハビリまで包括的なケアを受けられる施設です。要介護2の方は、日常生活の随所にサポートが必要なため、夜間の見守りや急な体調変化への対応をプロに一任できる環境は、離れて暮らすご家族の大きな安心感につながります。将来的に身体の状態が進んでも住み続けられる終の棲家としての側面もあり、仕事と介護の両立に限界を感じる前に検討したい選択肢の一つです。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、安否確認や生活相談サービスが付いた、高齢の方向けのバリアフリー賃貸住宅です。「施設に入ることへの抵抗感が強いご本人にとっても、プライバシーを保ちながら自分のペースで生活できるため、自宅での暮らしに近い感覚を維持しやすいのが特徴です。
一人暮らしの母が夜間に転倒していないか、食事を抜いていないかなどの心配を専門スタッフが見守ってくれる環境は、共倒れを防ぐための有効な手段です。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
認知症と診断された方を対象とした、少人数の共同生活施設です。家庭的な雰囲気のなかで、スタッフの支えを受けながら生活します。入居には医師の診断書が必要ですが、住み慣れた地域で穏やかに暮らし続けたい方にとって、有効な選択肢です。施設の規模が小さいため、スタッフやほかの入居者との距離が近く、細やかな配慮が期待できるのが特徴です。
家族が要介護2になったときに考えたいこと

大切なご家族が要介護2と認定された後、優先して取り組むべきことを整理します。
介護認定の申請や手続き方法
まだ申請していない場合は、市区町村の窓口で速やかに手続きを行いましょう。居宅介護支援事業所などへの代行依頼も可能です。
申請後の流れは以下のとおりです。
- 訪問調査と意見書に基づく審査を受ける
- 認定後にケアマネジャーを決定する
- 生活状況に合わせたケアプランを作成してもらう
原則として12ヶ月ごと(状態に応じ3~48ヶ月まで)に更新が必要ですが、状態が変わればいつでも区分変更申請を行えます。
介護費用の考え方
家計の負担を軽減するため、以下の公的助成を活用できる可能性があります。
- 高額介護サービス費:1ヶ月の自己負担額が上限(一般世帯で44,400円)を超えた場合に払い戻される
- 住宅改修費・福祉用具購入費:一定額まで負担の一部が払い戻される
具体的な費用シミュレーションは、ケアマネジャーと相談して作成してもらうと安心です。
参照:『高額介護サービス費の負担限度額が見直されます』(厚生労働省)
在宅介護を続けるためのポイント
在宅介護を続けるポイントは以下の3点です。
- ショートステイを定期的に利用し、ご家族自身の休息時間を確保する
- 夜間対応型訪問介護や緊急通報サービスの導入を検討する
- ケアマネジャーと本音で話し合い、ケアプランを頻繁に見直す
在宅介護を長く続ける秘訣は、ご家族ひとりが抱え込まないことです。上記のポイントを参考に、負担を分散させましょう。
介護サービスを上手に活用するコツ
専門家を頼ることは、ご本人への質の高いケアにもつながります。
また、ご家族自身の健康や楽しみを諦めないことも重要です。介護は短期決戦ではなく、数年単位の長期戦になることが多いため、自分の時間を持つことを優先事項としてケアプランに組み込む勇気を持ってください。ケアマネジャーは、ご家族の負担軽減も含めた生活全体のサポーターです。
プロの視点からアドバイスをもらうことで、自分一人では気付けなかった解決策が見つかることも珍しくありません。例えば、深夜の頻尿で眠れないという悩みに対し、排泄ケアの専門職から適切なパッドの選び方を教わるだけで、介護負担が劇的に軽減することもあります。「こんな些細なことを相談してもいいのかな」とためらわず、日々の困りごとは積極的に共有しましょう。
まとめ

要介護2は、日常生活の多くの場面で部分的な介助が必要な状態です。身体や認知機能に低下が見られることもありますが、介護サービスをフル活用すれば、住み慣れた家での暮らしは可能です。
訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなどを適切に組み合わせ、無理のない介護体制を整えましょう。介護は一人で背負うものではありません。プロの力を借りることは、結果としてご本人への手厚いケアにもつながります。不安があれば一人で悩まず、地域包括支援センターやケアマネジャーへ早めに相談し、ご家族全員が笑顔で過ごせる道を探してください。
参考文献




