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訪問介護の料金はいくら?月額の目安や計算方法、負担を軽減する方法を解説

 公開日:2026/02/23
訪問介護の料金はいくら?月額の目安や計算方法、負担を軽減する方法を解説

ご家族の介護が必要になり、訪問介護を検討し始めたものの、費用の見通しが立たず不安を感じている方もいるでしょう。介護保険制度の仕組みは複雑で、料金の計算方法や毎月の負担額を具体的に把握しにくいものです。
この記事では、訪問介護の料金目安や計算方法、サービス区分ごとの違いを解説します。あわせて、費用負担を抑えるコツや利用時の注意点にも触れています。

仕事と介護を無理なく両立し、納得のいく形で生活を支えられるよう、ぜひ参考にしてください。

※この記事は2026年1月12日現在の制度に基づいています。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

訪問介護の料金に関する基礎知識

訪問介護の料金に関する基礎知識
訪問介護の料金体系は、介護保険制度に基づいて設計されています。誰が利用できるのか、どのような要素で金額が決まるのかを知ることで、月々の支払額を事前に見積もれます。ここでは、料金計算の前提となる対象者の条件や基本的な仕組みを解説します。

訪問介護の対象者と利用条件

訪問介護を利用できるのは、介護保険制度の認定を受けた方です。原則として、自宅で生活を送りながら、日常生活の維持にサポートを必要とする方が対象です。利用条件に該当する主な区分は以下のとおりです。

  • 要介護(1〜5)の認定を受けている方
  • 要支援(1〜2)の認定を受けている方
要介護の認定を受けている方は、身体介助や生活援助などのサービスを利用できます。要支援の方は、自治体が実施する介護予防・日常生活支援総合事業などを通じて、自立した生活を目指すための支援を受ける形です。ご家族がどの区分に該当するかによって、利用できる内容や回数が異なるため、まずは自治体の窓口や地域包括支援センターへの相談から始めましょう。

訪問介護の料金を計算するために必要な情報

訪問介護の料金は、全国一律ではなく複数の要素を組み合わせて決まります。ご自身のケースでいくらかかるのかを把握するには、まず基礎となる以下の4つの項目を確認しましょう。

  • 提供されるサービスの種類(身体介護、生活援助など)
  • 1回あたりのサービス提供時間
  • お住まいの地域による1単位あたりの単価
  • 利用者自身の自己負担割合(1〜3割)
1単位あたりの単価は、地域の人件費を反映しており、都市部ほど高めに設定されています。また、自己負担割合は前年の所得に応じて決まります。お手もとにある介護保険負担割合証を確認すればわかります。

料金の計算方法

具体的な支払額は、サービスごとに設定された単位をもとに計算されます。計算式はシンプルですが、地域区分や加算の有無によって最終的な金額が変動します。基本的な料金の計算式は以下のとおりです。

  • サービスの合計単位数を算出
  • 合計単位数に地域ごとの単価をかけて総費用を出す
  • 総費用に自己負担割合をかけて、実際の支払額を確定
例えば、387単位(身体介護30分以上1時間未満)のサービスを1単位10円の地域で利用し、負担割合が1割の場合、1回あたりの支払額は387円です。これに深夜早朝の時間外加算や事業所ごとの特定事業所加算などが上乗せされ、ひと月あたりの請求金額が決まります。

区分支給限度額と超過時の自己負担

介護保険には、1ヶ月に利用できるサービスの上限額である区分支給限度基準額が設けられています。これは、要介護度が高くなるほど利用できる枠も大きくなる仕組みです。

要介護度別の支給限度額(単位)の目安は以下のとおりです。

要介護状態区分 1ヶ月の支給限度額(単位)
要支援1 5,032単位
要支援2 10,531単位
要介護1 16,765単位
要介護2 19,705単位
要介護3 27,048単位
要介護4 30,938単位
要介護5 36,217単位
参照:『サービスにかかる利用料 | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索』(厚生労働省)

限度額の範囲内であれば自己負担は1〜3割で済みますが、この枠を超えてサービスを利用した場合は、超過分が全額自己負担です。仕事との両立などで回数を増やしたいときは、超過分を考慮し、ケアマネジャーと相談しながら限度額内で収まるプランの調整を検討しましょう。

訪問介護で提供されるサービス区分とは

訪問介護で提供されるサービス区分とは

訪問介護で提供されるサービスは、利用目的やご本人の状態によって大きく3つの区分に分けられます。ここでは、各サービスの内容と活用例を解説します。

身体介護

身体介護は、ご本人の身体に直接触れて行う介助全般です。入浴や排泄(はいせつ)、食事のサポートを行い、安全性を確保しながら日常生活を支えます。

身体介護には以下のような項目があります。

  • 入浴介助や清拭(せいしき)
  • 排泄介助やオムツ交換
  • 食事介助
  • 体位変換
  • 外出介助
転倒のリスクがある方や、認知症による見守りが必要な方にとって、専門職の介助は自立した生活を続ける助けとなります。単なる身の回りのお世話ではなく、ご本人の残存能力を活かしながら行うことが基本です。直接身体に触れる専門的な技術を伴うため、生活援助に比べて1回あたりの単位数が高く設定されています。

膝が悪く入浴に不安がある方に対し、専門職の介助を依頼すれば、安心感のある生活を支えられます。仕事中の「母が転倒して怪我をしていないか」という不安も軽減します。

生活援助

生活援助は、日常生活に必要な家事をサポートするサービスです。ご本人が一人で家事を行うことが困難な場合に、掃除や洗濯、調理などを行います。

生活援助には以下のような項目があります。

  • 住居の掃除や整理整頓
  • 洗濯や衣類の補修
  • 一般的な調理や配膳
  • 日用品の買い物
  • 薬の受け取り
ご家族と同居している場合や趣味の部屋の掃除は、原則として対象外です。あくまでご本人が日常生活を営むために必要最低限な家事が範囲となる点に留意しましょう。

【生活援助の利用例】
仕事で忙しいご家族に代わり、栄養バランスを考えた食事の用意や衛生管理を任せ、栄養面の維持とご家族の負担軽減をはかります。

通院等乗降介助

通院等乗降介助は、病院などへ行く際の乗り降りをサポートするサービスです。介護タクシーの利用時などに、運転手や付き添いスタッフが行う介助が該当します。

通院等乗降介助には以下のような項目があります。

  • 車への乗車や降車の介助
  • 受診手続きのサポート
  • 診察室までの移動介助
一般のタクシーの乗り降りに不安がある場合に活用されています。単なる移動の介助だけでなく、出発時の準備から病院での受診手続きまで一貫したサポートを受けられる点が特徴です。利用にはケアマネジャーが作成するケアプランへの組み込みが必要なため、まずは状況を相談してみましょう。

【通院等乗降介助の利用例】
平日の定期受診に活用。プロに送迎と受付を任せることで、休暇を取ることなく、必要な医療を継続して受けさせられます。

訪問介護の基本料金の目安

訪問介護の基本料金の目安

訪問介護の料金は、提供されるサービスの種類と時間によって単位数が定められています。ここでは、区分ごとの目安と実際の支払額のイメージを解説します。

身体介護にかかる料金の目安

身体介護は、直接的な介助時間の長さに比例して単位数が設定されています。入浴や排泄のサポートなど、ケアプランで定められた時間枠に応じて費用が決まります。
身体介護の料金目安(1割負担、1単位10.7円の場合)は以下のとおりです。

  • 20分未満:163単位(約174円)
  • 20分以上30分未満:244単位(約261円)
  • 30分以上1時間未満:387単位(約414円)
  • 1時間以上1時間30分未満:567単位(約606円)
専門的な技術を要する介助を1回数百円の自己負担でプロに任せられるため、安全性の確保ご家族の負担軽減を同時に図れます。

参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)を基に計算

生活援助にかかる料金の目安

生活援助の料金は、身体介護に比べて1回あたりの負担が抑えられています。生活援助の料金目安(自己負担1割、1単位10.7円の場合)は以下のとおりです。

  • 20分以上45分未満:179単位(約191円)
  • 45分以上:220単位(約235円)
掃除や調理などのサポートは、45分以上の枠で依頼することが一般的です。1回200円台の負担額で無理なくプロの助けを借りられます。

参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)を基に計算

通院等乗降介助の料金の目安

通院時の乗降サポートは、時間の長さに関わらず定額制です。通院等乗降介助の料金目安(自己負担1割、1単位10.7円の場合)は1回につき:97単位(約103円)です。

乗降のサポートに対する対価であり、往復利用では2回分の料金が発生します。また、タクシーの運賃そのものは介護保険の対象外で、別途全額が実費負担である点に留意しましょう。

参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)を基に計算

モデルケースで見る月額の目安

訪問介護の月額料金を2例シミュレーションします。千葉県市川市(地域単価10.70円)、自己負担1割の方が、標準的な介護職員等処遇改善加算(Ⅲ):18.2%を適用する事業所を利用した場合の試算です。

一人暮らしで認知症の症状がみられる方を想定し、週3回のサービス利用例です。入浴介助や掃除のサポートを組み合わせ、仕事との両立を図りながら一人暮らしの維持をはかります。

項目 内容:ケースA(要介護3)
主なサービス内容 身体介護(30〜60分):週2回(入浴介助など)
生活援助(45分以上):週1回(掃除・買い物など)
1ヶ月の合計単位数 4,700単位(処遇改善加算を含む)
1ヶ月の自己負担額(1割) 約5,000円
参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)を基に計算

次に、ご家族が日中不在の環境で、寝たきりの状態の方を想定した毎日2回の訪問例です。

項目 内容:ケースB(要介護5)
主なサービス内容 身体介護(20分未満):毎日2回(おむつ交換など)
1ヶ月の合計単位数 11,560単位(処遇改善加算を含む)
1ヶ月の自己負担額(1割) 約12,000円
参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)を基に計算

負担額が1万円を超える際は、定額制で利用できるサービスへの移行を検討するのも一つの方法です。状態やご家族の状況に合わせて、適したプランをケアマネジャーと相談しましょう。

※上記は、一般的な「処遇改善加算」のみを含めた概算です。実際には、深夜・早朝の利用や事業所の体制によって、さらに数百円〜数千円の「加算」が上乗せされる場合があります。

訪問介護の加算と料金が増えるケース

訪問介護の加算と料金が増えるケース

訪問介護の請求額は、基本料金に加算を合算して算出します。ここでは、加算の定義と項目を解説します。

訪問介護の加算とは

加算とは、基本サービス以外に特別な対応や体制が必要な場合に発生する追加料金です。より専門性の高いケアや、特定の時間帯への対応を適切に評価するための仕組みです。
質の高いサービスを提供する事業所や、緊急時の対応が可能な体制を維持するために設定されています。例えば、資格保有者が多い事業所や、深夜・早朝の訪問などが含まれます。加算の有無は事業所ごとに異なるため、契約前に重要事項説明書などで内訳を確認しましょう。

料金が加算されるケース

料金が加算される主なケースは、利用する時間帯や事業所の専門性、ご本人の状態に基づいています。

代表的な加算項目と料金の目安は以下のとおりです。

加算項目 発生するケースの例 料金の目安(自己負担1割)
時間外加算 早朝(6〜8時)・夜間(18〜22時)
深夜(22〜翌6時)の訪問時
基本料金の25%増
基本料金の50%増
初回加算 サービス開始初月や、ケアプランが大幅に変更された月 月200円程度
緊急時訪問介護加算 利用者の急変などにより、ケアプランにない緊急訪問を行った場合 1回100円程度
特定事業所加算 質の高い介護を提供するための基準を満たす事業所を利用する場合 基本料金の5%〜20%増
処遇改善加算 介護職員の賃金改善や職場環境の整備に取り組む事業所 全体単位数の14.5%〜24.5%増
参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)を基に計算

夜間にサービスを依頼する場合や、専門性の高い事業所を選ぶ際には、これらの上乗せ分を考慮して予算を立てる必要があります。特に処遇改善加算は、多くの事業所で算定されているため、あらかじめ上乗せを前提に考えておきましょう。

訪問介護の料金の支払い方法と請求タイミング

訪問介護の料金の支払い方法と請求タイミング

訪問介護の料金は、サービス利用月の翌月に請求されるのが一般的です。支払い方法は事業所によって異なるため、契約時に確認しましょう。

多くの事業所では、管理コスト削減の観点からキャッシュレス化が進んでおり、口座振替(自動引き落とし)が推奨されています。振替の手続きには預金口座振替依頼書への記入と、銀行届出印の押印が必要です。小規模な事業所では、現金集金やコンビニ払いを利用できる場合もあります。

主な支払い方法は以下のとおりです。

  • 口座振替(自動引き落とし)
  • 銀行振込
  • 現金やコンビニ払い
請求はサービスを利用した月の翌月に行われるのが通例です。例えば、4月の利用分は5月中旬頃に請求書が発行され、27日頃に引き落とされます。サービス開始から最初の支払いが発生するまでには1ヶ月以上のタイムラグが生じるため、あらかじめ予算を準備しておきましょう。

訪問介護の費用負担を軽減する方法

訪問介護の費用負担を軽減する方法

介護保険サービスには、家計の負担を抑えるための公的な軽減制度が用意されています。これらを活用すれば、介護度が上がった場合でも、支払額を一定の範囲内に留められます。

主な軽減制度には以下のような項目があります。

  • 高額介護サービス費制度
  • 社会福祉法人などによる利用者負担額軽減制度
  • 自治体独自の減免措置

高額介護サービス費制度は、1ヶ月の自己負担合計額が所得に応じた上限を超えた際、その差額が払い戻される仕組みです。また、住民税非課税世帯の方などは、社会福祉法人が提供するサービスの利用料が減額される場合もあります。自身がどの制度の対象になるかは所得状況により異なるため、市区町村の窓口やケアマネジャーに相談しましょう。

まとめ

まとめ

訪問介護の料金は、サービス区分や時間、地域区分によって決まります。自己負担1割の方であれば、週数回の利用で月額数千円から1万円台に収まるケースが多いです。高額介護サービス費などの軽減制度も充実しているため、費用面での不安がある場合は制度の活用を検討しましょう。

無理なく在宅療養を継続するために、まずはケアマネジャーへ予算を含めた相談をしてみてください。プロの助けを借りることは、ご本人とご家族の笑顔を守る一歩です。

この記事の監修社会福祉士