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介護施設とは?在宅介護との違い、利用するタイミングや手続きも解説

 公開日:2026/02/14
介護施設とは?在宅介護との違い、利用するタイミングや手続きも解説

高齢化の進行に伴い、介護が必要になったときの生活の選択肢は多様化しています。これまでは自宅で家族が介護を担うケースが一般的でしたが、家族構成や就労状況の変化、医療の高度化などにより、介護のあり方も大きく変わってきました。
そのなかで介護施設は、在宅での介護が難しくなった場合や、医療・介護の支援体制をより手厚く整えたい場合に検討される選択肢の一つです。生活の場を施設に移すことで、介護や生活支援を継続的に受けながら暮らすことが可能になります。

一方で、介護施設と在宅介護の違いや、どの段階で施設利用を考えるべきか、利用までの手続きはどのように進むのかについては、わかりにくさを感じる方も少なくありません。情報が多い一方で、状況に応じた整理が難しいと感じるケースもあります。

本記事では、介護施設の基本的な定義や役割から、在宅介護との関係、介護施設を利用するタイミングや手続きの流れ、相談先までを整理し、判断の手がかりとなる情報を解説します。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

介護施設とは

介護施設とは

介護施設は種類が多く、違いがわかりにくいと感じる方が少なくありません。この章では、介護施設の基本的な位置づけや役割を整理したうえで、施設利用を検討し始める目安となるタイミングについて解説します。

介護施設の定義と役割

介護施設とは、日常生活において介護が必要な高齢の方が、介護や生活支援、必要に応じた医療的支援を受けながら生活する場として位置づけられる施設の総称です。単に介護サービスを提供する場所ではなく、生活そのものを支える拠点としての役割を担います。
入浴や排せつ、食事などの身体介護に加え、見守り、機能訓練、健康管理などが提供され、在宅での生活が難しくなった場合の生活の場として利用されます。施設によっては、看取りまで含めた支援を行う体制が整えられている場合もあります。

介護施設には、介護保険制度に基づく公的施設と、民間事業者が運営する施設があり、対象となる方の状態や利用目的に応じて役割が異なります。どの施設が適しているかは、介護度や医療ニーズ、生活スタイルによって変わります。

参照:『介護保険制度の概要』(厚生労働省)

介護施設を検討するタイミング

介護施設を検討するタイミングは、介護度の上昇や家族による介護負担の増加、医療的ケアの必要性など、さまざまな要因によって異なります。

在宅介護を続けることが難しくなったと感じたときや、介護を受ける方・支える家族双方の負担が大きくなってきたときが、一つの検討の目安になります。

また、急な体調変化や退院後の生活環境調整をきっかけに、短期間で施設利用を検討するケースもあります。状態が安定している段階から情報収集を始めておくことで、選択肢を整理しやすくなります。

介護施設の分類

介護施設の分類

介護施設は種類によって、条件や費用、介護体制が異なります。ここでは、公的か民間か、介護施設か高齢者向け住宅かの視点で整理します。

公的施設と民間施設

介護施設は大きく、公的性格の強い施設と民間施設に分けられます。
公的施設は介護保険制度に基づいて運営され、要介護認定を受けた方を対象とする施設が中心です。費用負担が抑えられる点がメリットですが、施設数に限りがあるため、地域や時期によっては入所待ちが生じる場合があります。介護度や緊急性によって優先順位が決まることもあります。

一方、民間施設は民間企業や法人が運営しており、入居条件やサービス内容、費用設定は施設ごとに異なります。介護度が軽い段階から利用できる施設も多く、設備や居住環境の選択肢が幅広い点が特徴です。その分、費用や将来的な重度化への対応について、事前に確認しておく必要があります。

介護施設と高齢者向け住宅の違い

介護施設と混同されやすいものとして、高齢者向け住宅があります。
高齢者向け住宅は、住まいとしての機能を中心に、安否確認や生活相談などのサービスが付く形態が一般的です。介護が必要になった場合は、外部の介護保険サービスを利用して生活を支える仕組みが基本となります。

介護施設は、施設自体が介護サービスの提供主体となる場合が多く、介護体制の整い方に違いがあります。比較する際は、生活支援と介護の提供方法を分けて整理することが重要です。

介護施設と在宅介護、介護保険サービスの関係

介護施設と在宅介護、介護保険サービスの関係

在宅介護と介護施設は、介護保険サービスのなかでそれぞれ異なる役割を担っています。この章では、自宅で支援を受ける在宅介護と、生活の場を移して支援を受ける介護施設の関係を整理し、介護保険サービス全体で介護施設がどのように位置づけられているのかを解説します。

介護施設と在宅介護の関係

在宅介護は、自宅で生活を続けながら、訪問介護や通所介護などの介護保険サービスを組み合わせて支援を受ける形です。住み慣れた環境で生活を続けられる一方で、介護の多くを家族が担う必要があり、身体的・精神的負担が大きくなる場合があります。

一方、介護施設では生活の場そのものを施設に移し、介護や生活支援を受けながら生活します。専門職による支援が受けられることで、家族の負担軽減につながるケースもあります。

在宅介護と施設介護は対立するものではなく、状態の変化に応じて選択肢が移行することもあります。ショートステイなどを活用しながら、段階的に検討する方法もあります。

介護保険サービスにおける介護施設とは

介護保険サービスには、訪問介護や通所介護などの在宅系サービスと、介護施設を利用する施設系サービスがあります。

施設系サービスでは、介護施設に入所し、介護や生活支援を包括的に受ける形が基本です。

介護施設を利用する場合も、介護保険の自己負担割合や給付の仕組みは在宅サービスと共通している部分があります。

介護施設を利用するまでの基本的な流れ

介護施設を利用するまでの基本的な流れ

介護施設の利用は、思い立ってすぐに入所できるとは限らず、いくつかの手続きや調整を経て進みます。この章では、公的介護施設を利用する場合を中心に、要介護認定から施設選定、申し込み、入所までの基本的な流れを整理します。

公的介護施設の場合

公的な介護施設を利用する場合、要介護認定を受けていることが前提です。まだ認定を受けていない場合は、市区町村の介護保険担当窓口で申請を行い、訪問調査や主治医意見書、介護認定審査会による審査を経て認定結果が決定されます。
要介護認定が出た後は、ケアマネジャーや地域包括支援センターと相談しながら、希望する施設の条件を整理します。本人の状態(介護度、認知症の程度、医療的ケアの必要性)、希望するエリア、家族の面会頻度、居室形態など、優先順位を決めておくと比較が進めやすくなります。

次に、候補施設へ申し込みを行います。申し込み時には、要介護度を証明する書類や診療情報、ADLの状況、服薬内容などを求められることがあり、施設側の面談や健康診断が必要になる場合もあります。申し込み後は、空き状況や緊急性、状態に応じた優先度に基づいて入所調整が進みます。

施設によっては待機期間が生じるため、第一希望だけで進めると見通しが立ちにくくなることがあります。複数の候補を並行して検討し、必要書類や手続きの流れ、入所が決まった後の持ち物・費用・入所日調整なども含めて早めに確認しておくことが重要です。退院期限が迫っている場合は、医療機関の地域連携室と連携し、短期的な受け皿(ショートステイや一時的な入所先)も含めて選択肢を整理することが現実的です。

民間介護施設の場合

民間介護施設では、要介護認定の有無に関わらず利用できる施設もあります。早い段階から入居を検討できる一方で、施設の種類や運営方針によってサービスの範囲や費用体系が大きく異なるため、情報収集の段階で条件を整理しておくことが大切です。

まずは資料請求やWeb情報で、立地、居室のタイプ、介護体制、医療連携、看取り対応の方針、費用の内訳などを確認します。そのうえで見学や相談を行い、生活の雰囲気、スタッフの配置、夜間の対応、入居者の様子などを現場で確認すると、入居後のギャップを減らしやすくなります。

入居に向けては、面談や健康状態の確認が行われることが一般的です。施設によっては、既往歴や服薬内容、認知症症状、医療的ケアの有無などを踏まえて受け入れ可否を判断します。受け入れが可能となった場合、契約内容に合意したうえで入居が決まります。
契約にあたっては、入居一時金の有無、月額費用の内訳、介護保険サービスの利用方法(施設内で完結するのか、外部事業所と個別契約するのか)、介護度が上がった場合の追加費用や住み替え条件、退去条件などを確認しておくことが重要です。特に費用は、基本料金だけでなく、加算やオプション、医療費・日用品費などの変動要因も含めて把握すると、将来的な負担を見通しやすくなります。重要事項説明書や契約書は、疑問点をその場で確認し、必要に応じて持ち帰って検討する姿勢が安心につながります。

介護施設選びに悩んだときの相談窓口

介護施設選びに悩んだときの相談窓口

介護施設を選ぶ場面では、情報が多く、何から相談すればよいかわからなくなることも少なくありません。この章では、施設選びに悩んだときに頼ることのできる主な相談窓口を整理し、それぞれの役割や相談しやすい内容を解説します。

市区町村の窓口

市区町村の介護保険担当窓口では、要介護認定の申請や更新、介護保険制度の仕組み、自己負担割合、利用できるサービスの概要などについて相談できます。申請書類の書き方や、必要な手続きの流れを確認できるため、介護が必要になりそうだと感じた段階で早めに相談しておくと安心です。

また、施設入所を検討する場合も、申請状況や認定結果に応じた進め方の目安を把握できます。相談時には、本人の年齢や既往歴、生活状況、介護の困りごと、現在利用しているサービスの有無などを整理して伝えると、案内が受けやすくなります。

社会福祉協議会

社会福祉協議会では、地域の福祉資源に関する情報提供や、生活上の困りごとについての相談が可能です。介護そのものだけでなく、生活支援サービス、見守り、家事支援、移動手段、経済的な不安など、生活全体に関わる相談の入口として活用できる場合があります。

介護保険の枠だけでは解決しにくい課題があるときに、地域の支援制度や関係機関につなぐ役割を担うこともあります。何に困っているのかを一度言語化し、日常生活で支障が出ている場面を具体的に伝えると、必要な支援の整理につながります。

医療機関の地域連携室や相談室

入院中や退院後の生活調整を行う際に、医療機関の地域連携室や相談室が相談先になります。退院後に自宅での生活が可能か、在宅サービスで支えられるか、施設利用が必要かといった検討を、医療側の情報を踏まえて進めやすい点が特徴です。
退院期限が迫っている場合は特に、介護施設や在宅サービスの情報提供、ケアマネジャーや地域包括支援センターとの連携、必要書類の準備などを調整してもらえることがあります。相談の際には、退院後の生活場所の希望、家族の支援体制、通院の必要性、医療的ケアの有無、リハビリの見通しなどを共有できると、調整がスムーズになります。

民生委員

民生委員は地域に根ざした立場から、身近な相談先として生活状況に応じた助言を受けられる場合があります。介護に限らず、生活上の不安や孤立、支援につながりにくい状況を抱えている場合に、地域の関係機関へつなぐ役割を担うことがあります。
ただし、具体的な制度手続きそのものを代行する窓口ではないため、困りごとの整理や、適切な相談先への橋渡しとして活用するイメージが近いです。相談したい内容が漠然としている場合でも、現状を共有することで次に取るべき行動が見えやすくなります。

そのほかの相談窓口

地域包括支援センターは、高齢の方の生活全般に関する総合相談窓口として活用できます。介護サービスの利用だけでなく、施設入所の検討、在宅生活の継続、家族支援、権利擁護なども含めて相談でき、状況に応じた支援につながりやすい点が特徴です。
要介護認定後はケアマネジャーが中心となり、本人の状態や希望に応じて介護サービスを組み立て、施設利用を含めた選択肢の整理や事業者との調整に関わります。施設選びに迷う場合は、候補の絞り方、必要な介護体制、医療対応、費用の見通し、見学時のチェックポイントなどを一緒に確認しながら進めると判断が安定しやすくなります。

まとめ

まとめ

介護施設は、在宅介護と並ぶ重要な選択肢の一つです。介護施設と在宅介護の違いや、利用するタイミング、手続きの流れを整理して理解することで、状況に合った判断がしやすくなります。
迷った場合は、一人で抱え込まず、公的機関や専門職の支援を活用しながら、今後の生活に合った選択肢を検討していきましょう。

この記事の監修社会福祉士