自宅介護での服薬管理が不安な方へ|うまく続けるコツや役立つアイテム、注意点を解説

自宅で介護を続けていると、薬の管理が日々の大きな負担に感じられることがあります。高齢の方は薬の種類が増えやすく、飲む時間や量が複雑になることで、飲み忘れや飲み間違いが起こりやすくなります。薬の効果を活かすためには、処方に沿ってきちんと飲むことが欠かせませんが、体調の変化や生活リズムの乱れによって、思うように続けられない場面が出てくることもあります。
そのようなときは、無理のない飲み方になっているかを見直しながら、薬を飲み始めてからの体調の変化にも目を向けることが大切です。家庭だけで管理を続けることが難しい場合は、薬の整理や飲み方の工夫について、医療や介護の専門職と一緒に確認し、負担を減らしながら続けられる方法を検討しましょう。
この記事では、服薬管理の基本、自宅で取り入れやすい工夫、薬を扱う際の注意点を解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科
目次 -INDEX-
介護における服薬管理の基礎知識

服薬管理とは何ですか?
服薬管理と服薬介助の違いを教えてください
自宅ではどのように服薬を管理するのですか?
薬の扱いを自己判断で変えることは避けましょう。錠剤を砕く、カプセルを開ける、量を調整するなどは薬の性質を変えてしまうことがあり、飲みにくさがある場合は別の剤形へ変更できるか医師や薬剤師へ相談しましょう。薬の整理が難しい場合や体調の変化を確認したい場合には、薬剤師が薬の仕分けや服薬状況の確認を手伝う訪問支援を利用できる場合があります。
自宅介護での服薬管理に役立つアイテムとスムーズに進めるコツ

介護の服薬管理を行う際に役立つアイテムを教えてください
薬ケースは曜日や時間帯ごとに仕分けられるものが便利で、飲む順番が自然に整理されます。
一包化は、1回分の薬を袋にまとめる方法で、袋に記載された飲む時間を確認するだけでよいため、在宅介護で広く利用されています。
壁かけ式の服薬カレンダーも役立ちます。1日ごとのポケットに薬を入れておくと、飲み忘れに気付きやすく、複数の家族で介護している場合でも共有しやすいという利点があります。これらのアイテムを使うことで、薬の内容や量が多い場合でも、家庭内での服薬管理を行いやすくなります。
薬をスムーズに飲んでもらえる方法はありますか?
服薬の場面に入る前に、落ち着ける状況をつくることも大切です。背もたれを軽く起こして姿勢を整えたり、やさしく声をかけてタイミングを図ったりすると、服薬への抵抗が和らぐことがあります。拒否がみられる場合は、急がず、気持ちが落ち着くまで待ちましょう。
うまく薬を飲ませることができない場合の対処法を教えてください
自宅介護での服薬管理・服薬介助の注意点

自宅介護で発生しやすい薬に関するトラブル事例を教えてください
また、見た目が似ている薬は取り違えの原因となり、家族が複数で関わっている場合は、誰がいつ薬を準備したのかわからなくなることで重複投与につながることがあります。ほかにも、薬を一箇所にまとめて保管する習慣があると、必要な薬と不要になった薬が混ざりやすく、誤薬の発生につながることがあります。
自宅介護で薬を取り扱う際の注意点を教えてください
また、薬をほかの薬や食品と一緒に保管すると混同しやすくなるため、混ざらないよう整理しておくことが大切です。薬の使用後に眠気やふらつきなどの体調変化がみられる場合は、副作用の可能性があるため、服薬状況を確認し、変化を見落とさないようにしましょう。
投薬忘れや間違いを防ぐ方法を教えてください
一包化された薬は、袋の残りで服薬状況が把握しやすく、重ね飲みの防止にも有効です。処方が変更された際には、古い薬を早めに取り除き、新しい薬だけを手元に残すことで混在を避けられます。また、薬を曜日や時間帯ごとに分けておく方法は取り違えの防止に役立ちます。必要に応じて、薬剤師から薬の整理方法や確認のポイントについて支援を受けることで、誤薬の防止につながります。
編集部まとめ

自宅で薬を使い続けるためには、薬の内容を整理し、飲み間違いを避けられる仕組みを整えることが欠かせません。薬の一覧を作る、一包化を利用する、薬ケースや服薬カレンダーを活用するなど、家庭で取り組みやすい方法を組み合わせると管理が進めやすくなります。薬を飲む場面では、飲みやすい姿勢を整えたり、必要に応じて補助食品を使ったりすることで取り組みやすくなることがあります。薬の扱いを自己判断で変えず、気になる変化があれば早めに相談するようにしてください。また、薬剤師から助言を受けることで、無理のない形で続けられる服薬環境に近づいていきます。



